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ギドラの巣「新」映像作品掲示板

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間が悪いだけか、意図的か? - エクセルシオール (男性)

2024/04/12 (Fri) 23:07:43

 4月7日から毎週日曜16時30分からTBS系列で『戦隊大失格』というアニメが全国放送されています。元ネタは当然三大特撮の一つスーパー戦隊シリーズであり、その内容は竜神戦隊ドラゴンキーパーというヒーローたちに組織を壊滅させられたうえ、その後も毎週「八百長試合」を強要されている戦闘員が、その悲惨な状況を覆すためあえて戦隊側の組織に潜り込むというものです(なお、ヒーローの方は正義の味方にあるまじき性格の者もいる)。概要だけ見ればなかなか興味深いのですが、あえてスーパー戦隊シリーズが放送されている日曜日のそれも夕方にぶつけた事が物議を醸しているとか。

 実は『戦隊大失格』という作品は原作の漫画(一応、少年誌に掲載)が始まった頃から、少なからぬ戦隊ファンから「スーパー戦隊への冒涜」として敵意を向けられていたそうで、そのアニメ化作品をあえて日曜のそれも子どもが容易に観れる時間に放送したテレビ局の意図はいささか測りかねます。
 実際、少々調べてみると原作に関しては割とグロテスクで残虐な描写もある作品のようで、また、「主人公がふらついていてその目的がよくわからない」といった評価もありました。深夜枠の方がふさわしいような観もあります。

 さらに間の悪いことに、ここ三作品、良し悪しは別として「異色作」が続いていたスーパー戦隊シリーズですが(『ドンブラザーズ』など悪夢のようだった)、今放送されている『ブンブンジャー』の作風は王道に回帰したと評されています(ネーミングセンスはないが)。その状況下で「戦隊が悪者」という作品を制作してしかも同日放送というのは、スーパー戦隊シリーズに思い入れのある人ほど眉をひそめる事になると思われます。

 無論、当然ながら別作品ですし、『戦隊大失格』の方が独自の面白さを持っていればいいと思いますが、原作情報を見る限り、そのままアニメ化するとかなり陰惨な話になってしまうと考えられます。そうなると、朝楽しく『ブンブンジャー』を観た後で、『戦隊大失格』を観てしまうと、不愉快になる虞が少なくないでしょう。
 さらに昨今のアニメの問題事情もあります。はっきり言って粗製濫造の傾向が強く、次から次へと新しい作品が放送されては1クールで終わってしまいます。そのため、中途半端で放り出されるアニメが続出しており、まさに憂慮すべき状況です。
 となると『戦隊大失格』が終わりまで制作される可能性は極めて低い。最近ではアニメオリジナル展開が嫌忌される傾向もあるので(これはあまりにも偏狭な風潮だと思う)、独自の結末を作って完結させる可能性も低いと言えます(思い切って純然たるコメディとして作り直してしまえばいいかもしれない)。物議を醸してまで放送される作品の末路がスーパー戦隊ファンの敵意を煽るだけというのも寂しい話です。

Re: 間が悪いだけか、意図的か? 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/14 (Sun) 16:21:47

 うーむ、そんな内容だったんですね、「戦隊大失格」。
番組表でタイトルを見て、戦隊物のパロディだろうなとは思っていましたが、
どうもあまり上品なものではなさそうですね。

 戦隊でも変身ヒーローでも(さらに怪獣も?)、フィクションでありながら広く大衆に定着してしまうと、
現実にあるもののように扱われ始めるみたいです。
 その結果、もともと「if」の存在だったものにさらにifを重ねる動きが出てきます。

みんなが正義の味方だと思っているヒーローがもし悪い奴だったら、というのはよくありそうですね。

 パロディ作品にはもともとそんな「もしも」を扱う機能があるのは確かですが、スーパー戦隊のパロディをやるのなら慎重さは必要でしょう。
スーパー戦隊は、そもそもが小さな子供が見るものであり現在も続いているシリーズですから、
大人のセンスで逆転発想やお約束破りをやるようなものをテレビアニメとして放送する場合は、エクセルシオールさんのおっしゃる通り、時間帯に配慮は必要でしょう。

 そして「戦隊大失格」の場合、問題はそれだけに止まらないようですね。
スーパー戦隊のパロディで、ヒーロー側が悪役であるというだけならコメディとして面白く仕上げることも難しくはないと思いますが、
グロテスク・残虐となると、一体何をやりたいのかよくわかりません。

 グロテスクな表現や残虐な行為を劇中で見せるのであれば、作品のテーマと関わる相当な意味が無いといけません。
スーパー戦隊のパロディ作品にどんな深刻なテーマを込めるというのでしょう。
どうしてもグロテスクさや残虐行為が必要だというならば戦隊パロディではなく、深刻なテーマを扱った一次創作を行うべきではないでしょうか。
(と、書きながらふと思う。現代のお客さんはフィクションにまみれすぎていて、マンガやテレビの中のことも現実の延長のように感じているのかもしれない。
そうなるとスーパー戦隊という「現実」をもとにして創作するのはパロディではないという感覚なのか)

Re: 間が悪いだけか、意図的か? - エクセルシオール (男性)

2024/04/25 (Thu) 21:29:04

 ドラゴンキーパーのメンバーのキャスティングですが、5人中2人がスーパー戦隊経験者です(レッドキーパー役の中村悠一さん→『ゴーバスターズ』のスタッグバスター(声)、ピンクキーパー役のM・A・Oさん→『ゴーカイジャー』のゴーカイイエロー(出演、「市道真央」名義)、『キュウレンジャー』のワシピンク(声))。5分の2というと微妙な数ですし実力実績を考えると不自然なキャスティングとは言えませんが、スーパー戦隊のファンを意識していないとは言い難いでしょう。

>グロテスクな表現や残虐な行為を劇中で見せるのであれば、作品のテーマと関わる相当な意味が無いといけません。

 仰る通りだと思います。だが、昨今では深夜枠アニメにおける残虐表現や性的表現などの過激化が止まらず、それらが自己目的化している作品が増加しています。大層なテーマがあるわけではなく、濫造される作品の中で目立つためにやっているだけです。

>スーパー戦隊のパロディ作品にどんな深刻なテーマを込めるというのでしょう

 おそらく「決まり切った正義を疑う」とか「正義を相対化する」とか、そういう発想が表面上「テーマ」として提示されるでしょう。だが、ヒーロー番組にとっては概して有害になる考え方であり、「毒を薬に転じる」のは容易ではありません。『戦隊大失格』が「スーパー戦隊の知名度を利用して悪趣味な作品を作った」と批判されないためには、よほど充実した物語を作る必要があると思います。

 ただ、最初の文章で書いたように、昨今では中途で放り出される作品が続出しており、そもそも充実した物語が作れるほど続くのかという懸念がありますが。



 

やったやった! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/20 (Sat) 18:34:23

 ふと気になって、今年度の「午前十時の映画祭」ラインナップを調べてみました。
 このところ毎年本多円谷コンビ作4Kリマスターの上映があるので、
今度はなんだ、と。
https://asa10.eiga.com/

 予想は『海底軍艦』だったんですが、見事的中!
それだけでなく、なんと『妖星ゴラス』も!

 双方2025年1月上映で、来年の正月は円谷特撮三昧だ。
今回の二作はどちらもシナリオがお見事で、特に『海底軍艦』冒頭15分は、ため息が出るほどの出来映え。
 ドラマに関わる状況、人物を簡潔に整理してスムーズに観客を物語世界に誘います。
『妖星ゴラス』は脚本担当の木村武(馬淵薫)さんによると自作の中で「シナリオ」誌に再録された唯一の作品だとか。
 全体の構成が巧い!

 大スクリーンで見るのが楽しみです。
(上映館がお近くにない方には本当に申し訳ない)

Re: やったやった! - エクセルシオール (男性)

2024/04/20 (Sat) 21:49:55

 『海底軍艦』『妖星ゴラス』。どちらも素晴らしい特撮映画ですが、実のところ子どもの時に初めて観たときは怪獣目当てだったため、ちょっと失望した記憶があります(マンダもマグマもちょっとしか出てこないし、あっという間にやられてしまったため)。もうちょっと大きくなってから、本編や特撮の素晴らしさがわかってくるタイプの作品だったと思います。

 『海底軍艦』は押川春浪の原作とは大きく違う物語でしたが、ムー帝国の脅威に立ち向かう轟天号はかっこよかったし、最初「大日本帝国の復活」という妄想に囚われていた神宮司大佐が考えを改める姿はいろんな意味での過去との決別が含まれていたと思います。

 『妖星ゴラス』は質量が地球の6000倍というゴラス衝突の脅威に全世界が力を合わせて立ち向かう点や、「地球全体の軌道をずらす」という見方によっては奇想天外とかバカバカしいとか言われそうな内容を、作中ではさも現実味があるように見せるところが素晴らしかったです。後、宇宙船のパイロットたちが歌う「俺ら宇宙のパイロット」という歌は妙にインパクトがありました。
 マグマに関しては東宝上層部の意向で強引に入れられたそうであり、スタッフは反対だったとか。確かにいない方が内容的にはすっきりしていたのも確かです(海外版ではカットされているとか)。でも、マグマって何となく嫌いになれない怪獣なんですよね。当初の企画では「恐龍」とだけあったそうで、セイウチのような姿になる前ははどんな姿にする予定だったのか興味があります。

 なお、以前『海底軍艦』の原作小説を読んでみた事がありますが、ストーリーが全然違うので驚いた記憶があります(海底軍艦の名前は「電光艇」。敵もインド洋の海賊)。戦前の話なので一定の注意も必要ですが、こちらこちらでなかなか面白かったです。
 後、『海底軍艦』はアニメもありました(物語は原作とも映画とも全く違う)。『新海底軍艦』というタイトルで1994年にOVA(オリジナルビデオアニメーション)という形で発売されていたのですが、2巻まで出たところで打ち切りになってしまったそうです。これは気の毒でしたね。

Re: やったやった! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/21 (Sun) 15:17:47

 マグマもマンダもちょっと不遇な怪獣でした。
子供を集めるための怪獣登場だったのだろうと想像できます。

 マグマが海外版ではカットされているというのが定説になっていますが(馬淵薫さんもその旨を証言)、
輸出用の英語版予告編にはちゃんとマグマが登場しています。
実際に海外で上映されたプリントにマグマが登場するのかどうか興味津々です。
 ジェットパイプ建設になんらかの障害があったほうがいいというところから、怪獣を出しちゃえ、となったらしいです。
 私としてはマグマ登場がドラマのアクセントになっていて、
結果オーライかなと思っています。
 山根、じゃない園田博士(志村喬)がマグマにとにかく近づこうとする芝居がいい!

『海底軍艦』の原作、私も大昔に読んでみました。
続編も含めて6作あったようで、どこまで読んだのかすっかり忘れてしまいました。
海底軍艦(電光艇)がなかなか出て来なかったのは覚えています。
一応国際問題も絡んでいたような・・。
アニメ『新海底軍艦』も第一巻だけだったか、なにかの機会に見ています。
断片的な映像と音楽は覚えていますが、うーーーん、あまり面白くはなかったような・・・。
打ち切りになっていたんですね。

 かつて『海底軍艦』は東宝特撮作品の中では絶大な人気を誇っていたものですが、
現在出版中の講談社ゴジラ&東宝特撮オフィシャルムックでは、『地球防衛軍』とカップリングで4月23日発売です。
 一作一冊扱いになっていないことに一抹のさみしさを感じます。

Re: やったやった! - エクセルシオール (男性)

2024/04/21 (Sun) 21:43:49

>実際に海外で上映されたプリントにマグマが登場するのかどうか興味津々です。

 海外版では容易に確かめる事ができないため、誤った情報でもそのまま定着してしまう事があります。英語版予告編にマグマが出ていたのに、実際の映画ではカットされていたとしたら、「話が違うぞ」と怒った観客もいたかもしれません。

 なお、実際に海外版を観たという人のブログを一つ見つけましたが(http://blog.livedoor.jp/badzilla/archives/51899001.html)、きちんと矛盾や齟齬がないように編集されていたわけではないようで、「園田博士が顕微鏡を覗き込んで何事かを語るシーンやジェットビートルで何かを攻撃するシーンは残っていたのに、マグマは出てこない」そうです。それなら普通に出した方がよかったのでは・・・。

>マグマ登場がドラマのアクセントになっていて、結果オーライかなと思っています。

 マグマ=蛇足という意見が今では通説的と言えるでしょうが、確かにジェットパイプ建設に何らかの障害があった方が緊迫感が増しますし、その障害が天災やテロとかよりも怪獣の方が面白いというのも、娯楽作品としてはあり得るかなとも思います。仰る通り結果オーライかもしれません。園田博士の「できれば殺してほしくない」みたいな姿勢も、何となく共感できました。

Re: やったやった! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/22 (Mon) 18:39:09

『妖星ゴラス』海外版情報に感謝です。

 やっぱりマグマはカットされたのですね。
そうなると英語版予告編との矛盾が問題になりますが、BDソフトに収録された予告編は東宝が作ったものでしょうから、
ひょっとすると海外では予告編も改ざんしたのかも。

 このブログのオーナーさんもマグマの存在意義に気がついたとおっしゃっているのが嬉しいです。
 もうマグマ擁護委員会でも作りたいぐらいです。

マイナスワン続編なら強くはなるらしい - なんじぇい (?)

2024/04/15 (Mon) 14:18:13

山崎貴監督のインタビューによると、続編を作るなら敵怪獣を出さなければならず、熱線を連発できるようにゴジラは強化することになるそうです(連発できるなら撃つ度に体が傷ついたりもしないでしょうし、体も頑強になるでしょう)。

監督自身もあまり強くないとは思っていたのかもしれません。
https://hjweb.jp/article/1333072/

売れたので続編の企画も上がっているという噂もある為、これはまあ悪いニュースではないのかも……とか考えたりはしました。

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい - エクセルシオール (男性)

2024/04/15 (Mon) 20:37:23

 『ゴジラ-1.0』の続編を作るとなると、初代ゴジラを起点とする元々の系譜とは全く異なるマイナスワンを元祖とする別の系統ができてしまうことになります。これは単発で終わった(と思われる)『シン・ゴジラ』よりもゴジラシリーズ全体に悪い影響を及ぼす危険性があるのではないでしょうか。

 また、山崎監督のインタビューを見るととことん今までのゴジラへの敬意がないと思ってしまいました。例えば「割とこれまでのゴジラというと、カジュアルに熱線を放射するじゃないですか。」という意見には絶句。初代ゴジラを含めて多くの作品における描写を完全否定しています。脚本の都合で人間を勝たせるため熱線を連発できなくしたり、弱体化させた方がよほどダメでしょう。

 東宝が最優先にすべきことはゴジラを初代ゴジラをスタートラインとする正統路線に戻すことだと考えます。様々なクリエイターが「ゴジラ」の名前だけ使って好き勝手なことをするのはいい加減やめさせるべきです。

 そもそもどんな続編を作るつもりなのでしょうか。続編というからには前作のラストを前提にしないといけませんが、海に散らばったゴジラの破片が全てゴジラ化して世界滅亡の危機にするつもりなのか、それとも、ゴジラ細胞に侵食された典子がどんどん怪物化していく悲劇の物語にするのか。どちらにせよもう「ゴジラ」の話ではありません。また、新怪獣を出す余地もなさそうに見えます。

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい - なんじぇい (?)

2024/04/15 (Mon) 21:02:07

恐らく山崎貴監督はVSゴジラばかりを参考にしているのではないでしょうか。
VSは川北紘一さんが意図的に熱線を大量に吐かせているということが資料に書かれてありました。
単に見映えがいいということ以外に、飛び道具を持っているのにわざわざ接近して肉弾戦をするのはリアリティがないと考えていたそうです。
vsメカゴジラ戦でメカゴジラが熱線を吸収して撃ち返せる為にゴジラが接近戦を挑むという筋書きも、そのリアリティの現れだとは思っています。

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/16 (Tue) 19:14:26

 まずは一言。
高雄なんか知りませんよ。
よほど太平洋戦史や帝国海軍に興味がある人しか知らない船でしょう。
私は名前ぐらいは聞いたことがありましたが、形も知りませんし、ネームバリューがあるとも思いません。

 で、なんじぇいさん、インタビュー記事のお知らせありがとうございます。

 一読して思うのは、作品毎にゴジラを作り変えるのが当たり前だと思っているらしいことがイタいです。
(自作の続編であってもその中でのゴジラを改変することを示唆している)
 VSゴジラがベースになっている人はそう思ってしまうのでしょうけれど、
架空のキャラクターを保全するなら、ころころ改変するのは掟破りです。外見だけでなく、生態や気質が変われば別の存在であり、同一視することは出来ない。
84ゴジラのとき、当時のゴジラファンが、原子炉を抱えてスーハーする(放射線を吸収する)なんてどうかしてると言っていたものです。
(なんてことはいままで散々書いてきましたけれど)

 ゴジラの熱線についても同じことで、すでに考案・創造されているものを自己都合で別物に改変するのは不遜です。
これも何度も書いてきたことで恐縮ですが、
まずゴジラの熱線は必殺技ではありません。
相手を焼き払いたいときに使います。人間の機械や建物に対しては大きな効果があります。
しかし、ゴジラと同等の怪獣相手にはさほどダメージを与えません。
ですから怪獣相手では牽制程度に使うのが熱線で、闘いは格闘戦になるのです。
 熱線を必殺技のように使い始めるのもVSシリーズであり、山崎氏は原典を見ず、世代的になんとなく知っているゴジラのイメージと〝識者〟のゴジラ論を元にしているようにも見えました。

 山崎氏は、『ゴジラ』(1954)を何回見たのでしょう。
そして、その後のシリーズを俯瞰して、その流れを考察することをどれだけやったのか。
まあ、いくら考えてもその考えがどんなものかも問題ではあります。

 東宝さんとしてはヒット作の続編は作りたいでしょうけれど、
少なくとも私はマイナの続編なんかは見たくないですね。

 もうひとつ申し上げると、対戦怪獣が出ない、〝ゴジラ〟単体の映画であるというだけで「原点回帰」だと騒ぎ立てる素人論者にもうんざりです。
(全体状況にムカっ腹が立っているので、今日はちとキツい言い回しが多いね)

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい - なんじぇい (?)

2024/04/17 (Wed) 15:16:08

個人的には熱線を必殺技のように使い出したのは、『流星人間ゾーン』が最初のように感じます。
恐獣を止めを刺すときは大抵は熱線でした。
その後の『メカゴジラの逆襲』でもチタノザウルスやメカゴジラ2に決着を付けたのは熱線で、ゾーンの影響が見てとれ、熱線が必殺技扱いにした全てをVSゴジラに被せるのは酷な気がしてしまいます。

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/17 (Wed) 18:14:13

 大変失礼いたしました。

「流星人間ゾーン」でのゴジラまで意識できていませんでした。
 メカゴジラは機械なので良いとして、チタノザウルスくんも熱線でやられていましたか。
(忘れちゃいけませんね)

 熱線必殺技化のルーツは「流星人間ゾーン」ということになりますか。

 前回投稿で言いたかったのは、『-1.0』は元祖ゴジラよりVSシリーズ以後のゴジラをベースに創案されたものじゃないかという話の補強でした。
(それにしても、あの足はないよな)

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい - エクセルシオール (男性)

2024/04/17 (Wed) 21:26:15

>高雄なんか知りませんよ。
 ネームバリューがあるとも思いません。

 本来の重巡洋艦である高雄に関してはそうだと思いますが、実は今変な形で昔の軍艦を知っている人がアニメ・ゲーム等のファンには結構います。
 『艦隊これくしょん』とか『アズールレーン』とか、昔実際に戦争に使われた軍艦を美少女に擬人化して戦わせたり、恋愛を楽しんだりするゲームがあって(企画からして良識のかけらもない)、高雄もそこそこ人気のある萌えキャラとして出てくるのです。

 「高雄を出せばミリタリーオタクだけでなく擬人化キャラのファンも引っ張れるぜ」みたいな発想で高雄を使った可能性もあると思います。いずれにせよろくなものではありませんが。

>(熱線は)ゴジラと同等の怪獣相手にはさほどダメージを与えません。

 確かに例えば『ゴジラの逆襲』でアンギラスに放射火炎を浴びせていましたが、アンギラスはビクともしていませんでしたね。効いたのはアンギラスが死んでしまった後でした。
 VSシリーズの派手な放射火炎もかっこよくて私は好きですが、いささか威力がパワーインフレになっていた事も否定できないと思います。バランスを取るのはなかなか難しいです。

>少なくとも私はマイナの続編なんかは見たくないですね。

 私も観たいとは思わないでしょう。ただ、「どんなトンデモな映画なのか」と思って映画館に行くかもしれません。これは歪んだ楽しみ方である気がします。
 

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/18 (Thu) 19:16:50

 あ、そうか!
艦船美少女化ものがありましたね。
その業界では高雄もメジャーだったんですね。
こりゃ盲点でした。

 ゴジラの熱線
>効いたのはアンギラスが死んでしまった後でした。

 そうなんです。
この件は長年引っかかっていることで、『モスラ対ゴジラ』でも熱線が顔面に直撃した成虫モスラは、ちょっと頭を振るような仕草は見せるもののダメージは受けません。
ところが闘いの最後の方では、ゴジラの熱線で翼の一部が煙を上げます。
そのときモスラは寿命が尽きかけていて、生命力が弱っていたのではないかと考えられます。
『ゴジラの逆襲』でも『モスラ対ゴジラ』でも劇中に説明はありませんが、現象として、元気な怪獣にはゴジラの熱線は効かないという解釈も成り立つように思えるのです。
そこに裏設定だの何だの付け足すことも出来るでしょうが、私としては、設定固めするのではなく、そういうものである、と不思議な現象として受け入れるのが正しいと考えます。
怪獣とは、人間の知識を超えるものだからです。
 怪獣の治癒力が強いから砲撃・爆撃を食らってもすぐ治るし死なないのだ、などというのは既知の現象に当てはめようとするつまらない発想ですよ。

>マイナの続編があるとして
 見たいとは思わないけれど、多分、見に行きます。
(だから興業サイドに太客はナメられるんですが)
「シン」は呆れすぎてもう無視する姿勢(『シンウル』、BS放送で見ますた。呆れが加速!)ですが、マイナゴジラが続くならその都度感想ぐらいは表明しておかないとゴジラに申し訳ないです。
(とはいえマイナゴジラの続編はいらないです。そんな予算があるなら、軌道修正した本物のゴジラ映画を作ってください。ゴジラ名義の新怪獣はもうたくさん)

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい - なんじぇい (?)

2024/04/18 (Thu) 19:21:16

一応ですが、『シン・ウルトラマン』の感想を聞けると嬉しいです。
いや私もつまらなかったんですが(仮面はもっとひどい)…

Re: マイナスワン続編なら強くはなるらしい 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/19 (Fri) 18:43:32

 それでは親記事からは離れますが、『シンウル』の感想を簡単に。

 全体に無味乾燥・無機質という印象でした。
台詞による説明を次々に聞かされ(全く頭に入らない)、登場人物(宇宙人や怪獣も含む)は段取り芝居をするだけ。
 なにやら危機的状況が巻き起こっているらしいけれど、切迫感など皆無。
 そんなところです。

ゴジラ×コング、どうなる? 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/01 (Mon) 18:49:03

 値崩れしてきたので、満を持して『ゴジラVSコング』の4Kソフト(HDやDVDも同梱)を買いました。
劇場公開以来久々に見直して、やはりうまく出来た怪獣映画だなと感心しました。
 しかしながら、これまたやはり、CGで表現される怪獣は、どうしても動きにアニメっぽさが残るなと感じます。
そして、あの「ゴジラ」には、佇まいや芝居にゴジラを感じることが出来ません。
 両腕を垂らした感じや吠える様はゴジラじゃないなと思うのです。
(特典映像でスタッフやキャストが繰り返し、ゴジラは自然の力を象徴するのだ、と言っていることに我が意を得たりではありました)

 さて、『ゴジラ×コング新たなる帝国』はどうなるのでしょうか。
 YouTubeでいくつかの予告編を見ました。
なんだかうじゃうじゃと怪獣が登場するようで、地底世界から怪獣たちが地上にあふれてくるような展開となるのでしょうか。
アンギラスのアレンジか?というヤツもいるし、モスラらしきヤツもいるし。

 派手ならそれはそれでいいです。
アダム・ウィンガード監督なら劇構成に欠陥はなかろうと期待します。

Re: ゴジラ×コング、どうなる? - エクセルシオール (男性)

2024/04/03 (Wed) 20:59:55

>両腕を垂らした感じや吠える様はゴジラじゃないなと思うのです。

 確かにレジェンダリー版ゴジラは腕が大きすぎてバランスが悪いという印象があります。オリジナルのように腕は小さめな方が良かったのではないでしょうか。

>さて、『ゴジラ×コング新たなる帝国』はどうなるのでしょうか。

 怪獣映画として面白いのが一番だと思います。『ゴジラ-1.0』を観てうんざりしたので、その鬱屈を吹き飛ばすような派手な内容を期待しています。

Re: ゴジラ×コング、どうなる? 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/05 (Fri) 18:15:37

 アメリカでは先週から上映が始まっていて、何か情報がないかとネットサーチしてみたら、
アメリカのウィキペディアには早速ストーリー解説が。

 ブラウザの翻訳機能で日本語化して途中まで読んだところで、ハタと気がついてやめました。
 隠し球がありそうなので、ネタバレは避けた方がいだろうと判断しました。

 それでも、冒頭部を読んだだけでも、相当大盤振る舞いしてくれそうです。
 新怪獣も出るようです。

 怪獣映画の核心は、小難しい思想性ではなくて、巨大生物によるぶっ壊しと怪獣バトルの肉体性にあると考えておりますので、
その方向で期待大です。

シン・ヤマト - なんじぇい (?)

2024/03/30 (Sat) 23:28:31

どうやら宇宙戦艦ヤマトの新作を庵野氏がやるかもしれないそうです。
私としては『さらば宇宙戦艦ヤマト』は好きなのですが、どうなるのでしょう。

庵野秀明が企画&プロデュース!「宇宙戦艦ヤマト」50周年企画始動
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/26141959/

Re: シン・ヤマト - なんじぇい (?)

2024/03/31 (Sun) 07:34:41

Xをみたら「恩返しをやれるだけやりたい」そうなので、本当に作る確率が結構ありそうです。
https://twitter.com/khara_inc2/status/1774021410253676943?s=19

Re: シン・ヤマト - エクセルシオール (男性)

2024/03/31 (Sun) 17:03:02

 『宇宙戦艦ヤマト』はリメイク版のアニメがこの十年くらいで続々と製作されており、仮にアニメ作品として「シン・ヤマト」作られると、既存のアニメとの関係性が問われます。

 単純にリメイク版の一環として製作されるならば大きな問題にはならないでしょうが、もし全く別の世界設定で作られたら混乱は必至です(ただでさえ「ヤマト」は諸般の事情でいろんな系統に分裂している)。
 それともアニメではなく特撮を使用した実写版なのでしょうか(昔一回作られた事があったが、あまり評判は良くなかった)。

 今のところはただの50周年企画のプロデュースの可能性もありますが、個人的にはリメイク版アニメの完結までは、新しい映像作品は不要と思います。

 

Re: シン・ヤマト 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/31 (Sun) 19:12:37

「宇宙戦艦ヤマト」本放送は、我がふるさとでも東京と同時放送だったと思います。
 裏番組の円谷プロ製作「猿の軍団」とどっちにするかと迷いましたが、
放送前に新聞に「宇宙戦艦ヤマト」紹介記事があって、
そこに添えられていたヤマトの写真(小さな白黒の新聞写真ですよ)が、実写特撮のミニチュアのような存在感を放っていたので、
「ヤマト」を見ることにしました。

 最初の1クールは面白かったけれど、だんだん乱れてきたなというのが当時の印象です。
 それから、アニメクオリティがいまいちか、と。
「宇宙戦艦ヤマト」の直前まで「科学忍者隊ガッチャマン」が放送されており、
「ガッチャマン」に慣れた目には、「ヤマト」は貧弱なアニメに見えてしまいました。

 あ、私のヤマト評なんてどうでもいいですね。

 庵野氏は「宇宙戦艦ヤマト」50周年企画をいろいろ考えるということなんだと思いますよ。
庵野監督による「ヤマト」を作るのかどうかは別の話かと。
将来的に「シン・ヤマト」をやる可能性はあるのかもしれませんけれど。

 エクセルシオールさんが、実写版ヤマトに言及されていて、
あれ?そんなもんあったっけ??
としばし見当識を失いました。(大げさな)
 そういえば、キムたっくん主演の怪作がありましたねぇ。
(監督は山ちゃんか)
あれはすごかったですね。
 それこそ、実写版「ガッチャマン」や「デビルマン」と堂々と肩を並べる大作でございました。

Re: シン・ヤマト - 市民X (男性)

2024/03/31 (Sun) 19:44:02


 思えば「ヤマト2199」も、既に10年以上ですか。
 決して悪くないシリーズですが、中途半端にキャラデザや設定を今風にした結果、かえって本来の「ヤマト」の古さが悪目立ちしてしまっているシリーズですね。
 正直、「宇宙戦艦ヤマト」って作品自体、あの時代のSFアニメだからこそ意義を持ちえた作品であり、実写化しようがリメイクしようが、21世紀に新たに作る必然性は皆無であったと思います。
 近年の日本アニメの特徴として、ネットフリックスオリジナルシリーズなどが、ある程度「玄人好み」と思われる視聴者を想定した原作付きアニメを作る一方で、地上波TVでは幼稚園児から成人オタクまで楽しめるタイプの作品が放送されている、様に思えます。
 例えば今年の四月、5月にかけてネットフリックスでは藤子F不二雄の「TPボン」の新作アニメが放送されます。同作は過去、テレビスペシャルにおいてアニメが放送されたことがありますが、ドラえもんなどに比べるとややマイナーに思われます。
 個人的には、日本の漫画史の中で、映像化には恵まれなかった名作を、ネットフリックスなどの配信サービスが救ってくれたらいいなあと思いますが、宇宙戦艦ヤマトのようにもうやりつくした人気作を今あえて作り直すことに、意義は感じません
「恩返し」ってのは、先人にリスペクトを払いながら新しい現代的なものを創造することであって、リブート、リメイク商法は恩返しとは真逆の、例えるなら先人の遺産に胡坐をかく行為に思えます。
 怪獣映画ならば、「ゴジラ」をリスペクトしつつ、新しく現代的な怪獣をキャラクターとして作り出すのが「恩返し」でしょう。
 例えば、ディズニー+で配信されていて評判が良い「将軍」のように、現代のポリティカル・コレクトネスに従ってリメイクするならば過去の名作をまた作り直すことにも意味はあるでしょうが。
 

Re: シン・ヤマト - 海軍大臣 (男性)

2024/03/31 (Sun) 21:50:48

 「宇宙戦艦ヤマト」は年齢的には直撃世代に当たるのでしょうけれど、実は私の場合、TV放送開始直前に当時購買していた「冒険王」で連載第一回の冥王星宙域で地球軍とガミラス軍との艦隊決戦を読んだ瞬間が自分の中でのヤマトブームの絶頂点だったと思います。兎に角、それまでの宇宙アニメなどでは目にしたことのない戦闘シーンに、子供乍ら思い切り頭をブン殴られた位の衝撃を覚えました。ちょうど折からのミリタリープラモのブームに浸っていた時期でしたので「こんな宇宙戦争を描いたTV漫画が毎週見れるんだ!」ととんでもなくテンションが高まった訳なのですが、結局は連載、TV放送とも期待した程には高まりを見せることなく終了。その後2~3年してブームが起こった際には、完全に離れた立ち位置にて乾いた気持ちで眺めていたのが本当のところです。

Re: シン・ヤマト - エクセルシオール (男性)

2024/04/01 (Mon) 21:55:59

 『宇宙戦艦ヤマト』の旧テレビシリーズはけっこう不遇な話が少なくないです。第一作目は裏番組だった『アルプスの少女ハイジ』『フランダースの犬』に視聴率競争で完敗。本来39話だった予定が26話にされてしまったそうです(元々はイスカンダルからの帰路の物語が1クール描かれる予定だった)。
 第三作目の『宇宙戦艦ヤマトⅢ』はさらに悲惨で、元々は1年52話を用いて「銀河の覇権を争う三つの超大国の戦いにヤマトが巻き込まれ、宇宙に平和をもたらすため戦う」物語が作られる予定でしたが、これまた不人気でやっぱり約半分の25話に短縮。ガルマン・ガミラス、ボラー連邦に続く第三の敵ゼニー合衆国は未登場になってしまいました(リメイク版で出してほしかったが無理っぽい)。

>中途半端にキャラデザや設定を今風にした結果、かえって本来の「ヤマト」の古さが悪目立ちしてしまっている
 
 確かにリメイク版には中途半端な印象もあります。例えば女性キャラクターの数や役割を増やしたのはいいのですが、相変わらずほとんどのキャラに「体の線が目立つ」服装をさせているのは違和感を覚えました。

>キムたっくん主演の怪作

 アニメで成功した作品を実写化する事については否定的な意見も有力ですが、まさに悪い実写化の好例と言えると思います。

 そうそう、今のリメイク版アニメの前に「復活篇」という別の新シリーズが作られた事もありました。しかし、中断してそれっきりになっています。それ以外にも松本零士氏と西崎義展プロデューサーの紛争なども起こり、『大ヤマト零号』という「もう一つのヤマト」が作られるなど混迷を極めています。ジャパニメーションの代表の一つとも言われる「ヤマト」ですが、作品全体としては混迷も深いですね。

宇宙大戦争の海外版を見て - ルー等級つつ大臣 (男性)

2024/03/27 (Wed) 19:27:02

ようやく購入出来たので感想を。
見てみるとどうも国内版というかオリジナル版をそのまま海外公開していたようです。
ただあの宇宙大戦争マーチが何だか気の抜けた曲になってしまったのです。
というか伊福部マーチが未使用ではないかと呆然となりました。
サンダ対ガイラのメーサーマーチが海外版では未使用で他の曲に差し替えられたように伊福部マーチは海外では不人気なのでしょうか。
(ちなみに三枚組のDVDで他には液体人間とモスラがありました。こちらに関してはオリジナル版を英語吹き替えで公開されていたようであの有名なモスラの歌はちゃんとザ・ピーナッツの歌声でした。)
あと冒頭に登場する宇宙ステーションの名称がJSS3からSK1となってました。
思えばスターウォーズの出現まで宇宙空間でのバトルといえばこの宇宙大戦争だったのですね。
そういう意味ではやはり海外でも円谷特撮が評価されていたようですね。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - 海軍大臣 (男性)

2024/03/27 (Wed) 21:53:38

「宇宙大戦争」も色々と謎のある作品みたいですね。俗にロングバージョンと呼ばれる零号プリントは別として、そもそも80年代初頭に発売されたVTRソフト(画面がTVサイズにトリミングされているもの)の本編部分は本来は海外輸出用プリントだったそうで、冒頭の東宝マークが英字表記なのはその為とか言われていますね。実際の国内封切りプリントには一説ではゴールデンゲートブリッジ破壊の場面が存在せず(スケジュール面で間に合わなかったとも?)、輸出版で初めて加わったとの話を聞きます。
 イマイチ理解しかねるのですが、タコ版「フラン連シュタイン対地底怪獣」の様に東宝では、最終的に仕上がったバージョンをオリジナル完全版と看做す方針なのだそうですので、「宇宙大戦争」も同様の経緯で現今のような事態になってしまったのじゃないかと想像されます。

Re: Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - ルー等級つつ大臣 (男性)

2024/03/28 (Thu) 05:15:37

海軍大臣さんレスありがとうございます。
80年代に発売されたビデオソフトにそのような経緯があったとは初めて知りました。
あのテレビ用にトリミングされた宇宙大戦争にそんな秘密が
あったとは。
確かに今発売されているDVDソフトの冒頭も東宝株式会社配給となっているので何か関係があるのかもしれないですね。
(それにしてもストーリー後半のゴールデンゲートブリッジの破壊シーンが国内版には無いとは思わなかった。)
後、ちなみには海外版の音声は英語吹き替えです。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - 海軍大臣 (男性)

2024/03/28 (Thu) 07:26:05

いえいえ、こちらこそご返信ありがとうございます。
「宇宙大戦争」はじめ、おそらく海外輸出版は国内で再編集されて相手方バイヤーに渡された後、音楽やセリフ部分の音声をアチラで差し替えたのでしょうね。「空の大怪獣ラドン」をはじめ、現今のソフトを見ていると作品中で時折り黒コマが一瞬入ったりするのは国内完成版を刻んで輸出版を作った後、また元の通りに復元した際の名残どとも聞きますね。「モスラ」が80年代にニュープリントされた際、F-86のパイロットのセリフと口の動きがシンクロしていないのは、復元時の編集ミスだったとか。
 こうした輸出版はまだまだ不明な部分もあったりで、今後の研究が俟たれますね。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/28 (Thu) 19:14:15

 2018年に日本映画専門チャンネルで『宇宙大戦争ロングバージョン』が放送されました。
その少し後だったと思うんですが、「特撮秘宝」誌上か日本映画専門チャンネルサイトに解説記事が載っていて、
現存する『宇宙大戦争』完成台本(上映プリントの内容を文章化したもの)はこのロングバージョンと同じだというのです。
 そこで、ロングバージョンこそ当時国内で上映されたものであると結論づけていました。(ゴールデンゲートブリッジ破壊シーンはありません)

 上映スケジュールの問題で不完全なまま公開してしまったのかもしれません。

 以前、海軍大臣さんがご友人から「『宇宙大戦争』のテレビ放送時には、タイトル明けの列車のシーンにビデオソフト版にはない「汽笛吹鳴」という台詞があった」と聞いたとのお話をお書きでした。
ロングバージョンにはその台詞があります。テレビ放送用原版を作るとき、劇場公開プリントを元にしたと考えると筋が通ります。

 ただ不思議なのは、私がかつて特撮オールナイトで何度も見た『宇宙大戦争』は現在ソフト化されているものと同じ内容です。(一カ所わずかに編集が違うところがあるような気がしますけれど)
これが『フランケンシュタイン対地底怪獣』に関してはオールナイト上映でもタコなし国内版でした。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - 海軍大臣 (男性)

2024/03/29 (Fri) 07:29:31

そうした劇場用プリントやTV放送時の16㎜版の差異も良く判らない点がありますね。単純に零号が流れたとかでは説明できない部分もあったりで。「宇宙大戦争」後半の銀座破壊シーンで、背景未合成のカットが混入しているのは判り易い例なのでしょうけれど。
 
 まだ現在ほど地方へのアクセスが円滑ではなかった時代では、悪天候などにより封切り時期の決まった作品のプリント配給が遅延することを恐れて、北海道や九州といった遠隔地へは初号プリントが出来上がると同時にそれを送っていたため、大都市圏公開の最終的な完成バージョンとは異なるものが上映されたりすることも珍しくはなかったそうです。
 世間で囁かれる「フランケンシュタイン対地底怪獣」のラスト問題も、案外そんな部分に根差しているのかもしれないです。

 あと余談ですが北海道だったかでTV放映された「宇宙大戦争」は、月面でナタール人がピコピコと群れで登場するくだりが全面カットされていたそうで、同地から上京してきてオールナイトで本作を観た方が「本当に出てくるんだ!」と驚いたとか。

Re: Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - ルー等級つつ大臣 (男性)

2024/03/30 (Sat) 09:06:48

ギドラ氏もレスありがとうございます。
そういう経緯もあったんですね。
ミーのほうは海外版を購入して見ていたんですが確かにオリジナル版では冒頭の東宝マークが東宝株式会社配給というふうになっていたりして不思議に思っておりました。
ロングバージョンのも見てみたいですね。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - 海軍大臣 (男性)

2024/03/30 (Sat) 13:16:27

 あと補足(蛇足?)情報ですが今思い返してみたら、「南海の大決闘」の初ソフト化時のプリントも元は海外輸出用からのを流用していたかと。「恐山」の部分に「terrible mountain」の字幕が出ていて驚いた覚えがあります。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/30 (Sat) 18:19:12

 あ、その『南海の大決闘』、レンタルビデオで見ました!
 恐山につけられたスーパーは失念していましたが、最後に「The End」と表示されたのに驚いたのを覚えています。
でも、タイトル・クレジットは日本語だったような気がします。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - 海軍大臣 (男性)

2024/03/31 (Sun) 00:36:29

 うっかりしていましたが、「宇宙大戦争」製作当時のメイキングシーンがUCLA Film & Television Archiveにて公開されていました。
 モノクロながら腰の抜けそうな美麗な画質で、おそらく35㎜フィルムが原版じゃないかと思われます。
 あと書割り(?)の宇宙ステーションを背景にした月面セットで東宝の綺麗どころが一堂に会した有名なポスターの撮影シーンまで入っていて、ホント、腰が抜けます。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/31 (Sun) 18:47:11

 UCLA Film & Television Archiveのサイトに行って、いくつかのキーワードでサーチしてみましたが、
ヒットしませんでした。
『宇宙大戦争』メイキング、見たいよー。

Re: Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - ルー等級つつ大臣 (?)

2024/03/31 (Sun) 19:08:09

南海の大決闘のビデオは私も見たことがあります。
確かに冒頭の恐山のシーンで英語字幕がありました。
何て書いたのかは私も失念しましたが確かにありました。
(あと、一番最初の注意書きの字幕が妙にものものしかった
事で印象的だったです)
あ、宇宙大戦争海外版のエンディング曲も伊福部先生の曲でなくこれまた脱力しそうなエンディング曲でした。
私が買ったのはDVDでしたがブルーレイも出ている(らしい)
ので一度見ておくのをお勧めします。
追伸。
ラドンの海外版も買いました。
こちらは追加及び差し替えがありました。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て - 海軍大臣 (男性)

2024/03/31 (Sun) 21:36:46

 メイキングはX(旧Twitter)で「UCLA Film & Television Archive 宇宙大戦争」で検索するとヒットします。現場メイキングと正月ポスター撮影時の2種類が上がっていました。

Re: 宇宙大戦争の海外版を見て 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/04/01 (Mon) 18:47:15

 ありがとうございます。
見つけました!

 腰を抜かしました。
なんでUCLAがこんなフィルムを持っているんでしょう。
当時のアメリカメディアが取材したんでしょうか。

 出番待ちの土屋嘉男さんがピンボケだあ。

 つつ大臣さん、海外版続々収集ですね。
ラドン海外版は未見であります。

アカデミー賞でビックリ! - 海軍大臣 (男性)

2024/03/14 (Thu) 07:40:13

 ジブリとゴジラのオスカー受賞により一部界隈でお祭り騒ぎになっている昨今ですが、これに付随して一つ。

 以前から特撮ファンの間では、かの「宇宙からのメッセージ」が米アカデミー賞視覚効果賞のノミネート作品に選出されたことがある、などと根強く伝えられてきましたが、実はこれ、まったく根も葉もないガセ情報だったそうでビックリです。
 どうやら45年ほど前のキネマ旬報に掲載された誤情報が訂正も確認もされぬまま「事実」として拡散され続けて来てしまった形だとか…。東映サイドからも特に否定する声が上がらなかったのは、やはり商売に結び付けたい部分とかがあったのじゃないかと勘繰ってしまいます(まあ、東宝ですら「モスラ」を世界同時公開!だなんて嘘八百並べて宣伝しているぐらいですから…)。

 しかし、この手の誤伝って特撮ファン界では本当に多い気がします。何事についても原資料なりを漁るなどしてキチンと裏を取らねばいけないなぁと今回、考えさせられてしまいました。

 本作に関しては他にも「アメリカで大ヒットした」との記事を82~83年頃のスターログ誌で読んだ直後に、

「あれは移民街のコヤで受けただけで、wasp(ホワイト.アングロサクソン.プロテスタント)と呼ばれるマトモなアメリカ人は殆どスクリーンでは観ていない筈だ」

 と関係者から聞かされて驚いた覚えがあったのですけれど、ここまで事実が曲げられて語られて来ていたなんて、好きな作品だけに何ともやるせない思いで一杯です。

Re: アカデミー賞でビックリ! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/14 (Thu) 19:01:45

やっぱりガセだったのかーーー。
何の本で読んだのか、『宇宙からのメッセージ』はシュノーケルカメラの使いこなしが見事との理由でアカデミー視覚効果賞にノミネートされた、との情報を得ていました。
けれども、一般紙(新聞など)でそんな記事を見た覚えがありません。
 ホントかよ、と疑問に思っていました。

 誰かに話したりはしていなかったので、ほっとしています。
こんな誤情報が放置されるのは勘弁して欲しいです。

Re: アカデミー賞でビックリ! - 市民X (男性)

2024/03/14 (Thu) 19:06:45

まず「宇宙からのメッセージ」がアカデミー賞視覚効果賞にノミネートされたというデマも、アメリカで大ヒットしたとかいうデマも初めて聞いたので、その時点で驚きました。
 それで連想したのですが、やっぱり海外がらみのことってデマが発生しやすい気がします。
 この掲示板を見るような方ならみんなご存知かと思いますが、「ウルトラマンパワード」
 言わずと知れた、ハリウッド版ウルトラマンとして円谷が制作した作品ですが、どうもこれ、アメリカ本国ではテレビ放送までこぎつけることができなったみたいなのですね。
 根拠はいくつか
・アメリカのどのテレビ局で、いつからいつまで放送されたのかを示す資料が見つからない。
・映画評論家の町山智弘氏が自著で「アメリカにおけるウルトラマンの受容の歴史」を書いているが、そこにウルトラマンパワードが登場しない。
・昨年くらいに講談社が出した「パワード」のムック本に主演のケイン・コスギ氏のインタビューが掲載されているが、ここでも「テレビ放送」について全く触れていないのが不自然。ケイン氏にとっては初の主演作品なのだから、「テレビで見て感慨深かった」とか「放送を見てくれた友人から連絡があった」とか話してもよいはずなのに、撮影時の話しかしていない

 ですね。
 
 私は、せっかく作っては見たものの放送までこぎつけることはできなかったのではないかと考えているのですが、もしも何かご存じの方がいたら事情を知りたい気持ちがあります。

Re: アカデミー賞でビックリ! - 海軍大臣 (男性)

2024/03/14 (Thu) 22:09:21

 市民Xさん、こんにちは。私には「ウルトラマンパワード」の海外での放送についての詳細は判らないのですが、作品が完成して国内で関係者に試写された直後、円谷プロ首脳陣が揃って寝込んでしまったとの話ならば、同プロに出入りしていたライターさんから直聞したことがありました。経営者として、出来上がってきた作品に対して、よっぽど問題を感じたのじゃないかと想像します。

 あと海外絡みのガセといった問題ですと、共同出資する筈の海外プロダクションが経営困難に陥ったため、結果的に100%東宝が自己資本で製作した「緯度0大作戦」が海外合作映画として大々的に宣伝されているのも、ナカナカの眉唾ものだったのじゃないかと思っています。

 ちなみに所謂「東宝特撮映画」と呼ばれる一連の作品群の中で、本当に海外合作作品と呼べるのは「白夫人の妖恋」だけなのだとか…。

Re: アカデミー賞でビックリ! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/17 (Sun) 16:35:26

 むむ、「パワード」がアメリカで放送されたかどうかもはっきりしないのですね。

 日本ではどうにかテレビ放送されましたが、それを見た私も寝込みそうになりました・・・。

Re: アカデミー賞でビックリ! - 市民X (男性)

2024/03/17 (Sun) 20:58:36

 ご返信ありがとうございます。海軍大臣さん。パワード、円谷関係者が寝込むほどでしたたか……。

 あの時期の特撮の海外進出は、結局パワーレンジャーしか成功していないですね。それも、素材を利用したリメイク……。

 映像作品として完璧な形で無効に受容されたのはゴジラだけみたいですね
 

Re: アカデミー賞でビックリ! - 海軍大臣 (男性)

2024/03/17 (Sun) 22:27:11

 パワード、私も最初の何話かで挫折したクチです(笑)。グレートは割と面白い仕上がり(まあ、60分ものの予定で作った話を30分枠に縮めたのでオカシな部分もありますが)だったので良かったと思っていますが、肝心のアメリカ版があんな感じになってしまったのは残念でしたね。

 昭和期のゴジラを含む東宝怪獣作品は改変を加えられながらも、海外では一定の需要が得られていた部分もありましたので、今回の新作も受け入れられる下地が残っていたのかも知れないです。

 あと輸出版ゴジラ関連で最近知った話なのですが、「怪獣大戦争」の海外公開時の英語タイトルが「MONSTER ZERO]と「INVANSION OF THE MONSTERS]の二種類が存在するのは、前者が北米公開版のもので営業権利はサパースタインなる人物が保有しており、後者は東宝が権利を有していて、主に東南アジアなどへの輸出版に当たるのだとか。
 こうした日本特撮作品の海外での興行形態を調べていくのも、なかなか興味深いですね。

無題 - 市民X (男性)

2024/03/12 (Tue) 22:12:31

 予想通り、ここでは受賞に対して、ネガティブな感想が多いですなあ……。ども、以前から何度か読ませていいただいているものです。
 まあアカデミー賞視覚効果賞っていう権威を振りかざす輩に対しては、「アカデミー賞は別に映画の作品としてのすばらしさ」だけを基準に先行する賞ではないこと、そもそもは映画業界の組合が主催している賞だから、近年ではスタッフのマイノリティー比率など、労働環境も基準に評価している賞だってことを教えてあげればよいのではありませんか。
 殿様ギドらさんにこれを言うことは、釈迦に説法をするようなことかもしれませんが
 

Re: 無題 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/13 (Wed) 18:56:17

 市民Xさま、はじめまして。
この掲示板をお読みくださっていたこと、そして今回ご投稿くださったことに感謝いたします。

 そうなんですよね。
米アカデミー賞が必ずしも優れた作品に賞を与えているわけではないことは、映画ファンには周知のことと思います。
 けれども、まあ、マスコミが煽る煽る。
ここ数日も『-1.0』と『君たちはどう生きるか』の受賞でテレビラジオが大騒ぎ。
 映画ファンとまではいかない人々(様々な娯楽の中で映画も見ることがあるって感じか)は、ヒクイチすごいと思っちゃうんでしょう。
個々の対応としては、市民Xさんのおっしゃるとおり、アカデミー賞のことを説明することになりますね。
(受賞のためのロビー活動も盛んだとか。でもそんなことで作品評価が左右されるのはおかしなことです。『-1.0』の監督はロビー活動をしていることを隠しもしない)

Re: 無題 - 市民X (男性)

2024/03/13 (Wed) 20:26:00

ご返信ありがとうございます。殿様ギドら様。
 私個人としては、「ゴジラ マイナスワン」は最高傑作とは言わないまでも好きな映画であり、視覚効果に関しては山崎監督の努力を評価するものですが、権威主義には反対という点で、ギドラさまとは同意見です。
 

Re: 無題 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/14 (Thu) 19:00:41

 共通点を見いだしていただいて嬉しいです。
作品に対する見解の相違があっても閲覧してくださっていたことに改めて感謝いたします。
 今後ともよろしくお願いします。

まさか受賞するとは - なんじぇい (?)

2024/03/11 (Mon) 09:51:19

アカデミー賞視覚効果賞で、「ゴジラ-1.0」が受賞しました。

日本アカデミー賞はどうでもいいと思っていたのですが、まさか本家で取ってしまうとは本当に驚きです。
困ったことにこれで、『史上最高のゴジラ映画』という言説がまかり通りそうな気がしています(今でも結構ある…)。

Re: まさか受賞するとは 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/11 (Mon) 18:54:56

 もはや不思議としか言いようがないです。
ヒクイチが大衆受けする作りであることは理解できますが、良質の映画かと言えばそんなことはないのでありまして・・・。
 米アカデミー賞では視覚効果賞ということなので、(それも納得はしないけれど)映画全体の出来とは関係ないところでの評価なのでしょう。
けれども権威が好きな人々は、受賞という事実から、これは優れた映画なのだとインプットするのでしょう。

 映画評論家は何をやっているんでしょうね。
ストーリーは、演出は、そしてゴジラの扱いは、あれで良いというのでしょうか。

Re: まさか受賞するとは - エクセルシオール (男性)

2024/03/11 (Mon) 22:21:59

>米アカデミー賞では視覚効果賞ということなので、(それも納得はしないけれど)映画全体の出来とは関係ないところでの評価なのでしょう。

 そうなんですよね。内容が評価されていたのならば別の賞を受賞したはずです。この作品の視覚効果には「予算の低さとスタッフの少なさの割には素晴らしい」という論評もあったので、対費用効果という点が重視されたものと思われます。

 一方で『ゴジラ-1.0』に最優秀作品賞や最優秀脚本賞などを与えてしまった日本アカデミー賞は本当にまずいです。私は「日本ゴールデンラズベリー賞」の間違いではないかと思ったくらいです(ちなみに現在そんな賞は存在しない)。きちんと見れば問題点は次から次へと指摘できるはずなのですが。

>困ったことにこれで、『史上最高のゴジラ映画』という言説がまかり通りそうな気がしています(今でも結構ある…)。

『シン・ゴジラ』の時も同じような言説があふれていました。空虚な礼賛論が溢れかえった結果、作品に問題を感じてもそれを指摘しにくくなり、さらに礼賛論一辺倒になっていく。批判する者はその内容を問わず「愚か者」扱いされる。礼賛ファシズムとでも言うべき状況に今回もなりつつあります。

> 映画評論家は何をやっているんでしょうね。
ストーリーは、演出は、そしてゴジラの扱いは、あれで良いというのでしょうか。

 映画評論家の多くは「怪獣映画」に対して不十分な見識しか持ってないため、「怪獣が魅力的に描かれていて、怪獣が主役であってこその怪獣映画」とは考えずに論評します。ゆえに「怪獣の王者」であるゴジラがどんなひどい描かれ方をしても無視してしまうわけです。とはいえ、「初代ゴジラよりも時代が前の話を作っていのか?」という疑問くらいは抱いてほしかったですね。
 しかし、ストーリー展開や演出についての問題点に評論家が気付かないとしたらかなりおかしい。少なくとも「連合軍がゴジラ退治に動かない理由が薄弱すぎる。元日本兵たちがゴジラを倒す展開に持ち込むための強引でご都合主義的な展開だ」という批判は免れ得ないと思うのですが。

Re: まさか受賞するとは - なんじぇい (?)

2024/03/12 (Tue) 04:30:20

こちらからアカデミー賞外国語映画賞に送れる映画は1つだけなのですが、もし『ゴジラ-1.0』を送っていたら受賞していた可能性はあったといわれる程アメリカでの受けは良かったそうです。
尤もそうなることは分かるわけないので、『PERFECT DAYS』を送ったそうですが……

アメリカでここまで受けたのはなぜなんでしょうね。
もう山崎貴監督は円谷英二の後継者とかゴジラの演出では史上最高とかとんでもないことになってますね。
監督がそのまま視覚効果賞を取ったのはスタンリー・キューブリック以来2人目の快挙だそうです。

ハリウッド大作を押し退けて世界最高権威の賞を取ったため、脚本はともかくとしてゴジラの演出では絶賛以外の評価は認めないみたいな風潮にはなってます。

Re: まさか受賞するとは 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/12 (Tue) 19:06:54

 このまずい風潮にはいろいろ思うところがあります。

 第一の問題は映画批評の不毛。
 そして、ゴジラや怪獣に無理解な「識者」の暴論。
(せめて一作目の『ゴジラ』ぐらい曇りのない目でしっかり見よ。評論本を読むことで認識を作ったような意見のなんと多いことか)
 一番やっかいな同調圧力。「評論家」「学者」「有名人」の感想に乗っかって判ったつもりになり、反対意見を圧殺しようとする。
もちろん感想は個々人の自由ですから、ヒクイチを面白いと思う人がいたっていいです。
けれども、先日ネットに、少々ながらヒクイチの欠陥部分を指摘する記事が載っているのを読んだところ、
読者コメントに「みんなが楽しんでいる作品のダメなところを指摘するなんて良くないことだ」などとのたまう人がいる。
狂ってますよ。

 暴論と言えば、テレビで見たか、ネットで読んだか、
ゴジラは核兵器や戦争の象徴だから、それを倒す物語は核兵器や戦争を克服するというメッセージだ、
だと。

 この意見に対しては、一言「バーカ!」と浴びせたいところです。
(『ゴジラ』をちゃんと見ろや。尾形の台詞に引きずられすぎなんだよ。ゴジラの存在をどう描いているか、映画全体のメッセージがなんであるか)

 まあ、てな具合にモヤモヤする昨今です。
しかし、ここで絶望したり悲嘆に暮れたりしてはいけません。
 こんなとき有効なのは怒りです。
不正に対しては怒りましょう!

 さて日本だけでなくアメリカでもヒクイチが受けたのは、
結局古くさいボーイ・ミーツ・ガールのストーリーだったからでしょう。
古典的な物語パターンを否定はしませんが、怪獣を噛ませ犬に降格させて脇役にし、変格の恋愛ドラマに仕立てたところがライト層に受けたというところじゃないでしょうか。
(そしてアメリカのゴジラファンは、ゴジラは日本が正統だという思いが強いようで、日本製の〝ゴジラ〟映画を過大評価する傾向があるようです。『2000ミレニアム』でも喜んでいたんじゃないかな)

>山崎貴監督は円谷英二の後継者

????
 そんなに映画の見方が浅い人もいるんですな。

黒澤明と早坂文雄の対話 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/09 (Sat) 16:49:19

 CD「黒澤明と早坂文雄の対話」を入手しました。
1955年5月1日に早坂文雄邸で録音されたものをCD化したそうです。

 早坂文雄さんが当時最新の機材だったテープレコーダーを購入し、
来客との会話を録音していたそうで、その中に黒澤明監督との会話も残されていたということです。

 時期としては、『生きものの記録』のシナリオが完成した直後で、
会話は黒澤監督が早坂さんにそれを報告するところから始まります。
 タイトルもまだ決まっておらず、早坂さんはまだストーリーを知りません。
黒澤さんがかいつまんでストーリーを説明するのですが、
「ラストでは主人公が地球にいないんだよ」、と聞いた早坂さんがきょとんとするところでは、
思わず黒澤監督にツッコミを入れたくなりました。
 その言い方じゃ、SFを撮ろうしているように聞こえるよーー。
もちろん、黒澤さんはすぐ訂正しています。
「本人の頭の中では、ね」と言ってたかな。

 早坂さんの肉声は初めて聞いたんじゃないかと思いますが、
黒澤明40代の声は若々しいです。

 教養ある二人の会話は世間話でも内容が濃いです。
それでもリラックスした友人同士の会話であり、歴史上の人物の日常に潜入した感覚になります。
早坂さんの息子さんが乱入するくだりもあり。

 黒澤さんが新作(『生きものの記録』)のストーリーを成立させるために主人公の性格をどうするかで苦心した話や
『楊貴妃』(溝口健二)についての二人の感想は大変刺激的です。
 とくに『楊貴妃』については、私も同じ感想を持っていたので、妙に安心しました。

 しかし、早坂文雄さんは『生きものの記録』音楽制作中に亡くなるのですよね。
快活に話す二人の声が切なく響きます。

 CD付属の冊子で、早坂テープのCD化には「早坂文雄と芥川也寸志の対話」というものもあることを知りました。
この対話には「早坂流伊福部昭論」というチャプターがあるので、近いうちにこちらも入手せねば!

Re: 黒澤明と早坂文雄の対話 - エクセルシオール (男性)

2024/03/09 (Sat) 20:18:51

>その言い方じゃ、SFを撮ろうしているように聞こえるよーー。

 そういえば黒澤明監督はSFは撮った事がなかったと思います。
 もっとも、『蜘蛛巣城』みたいに幻想的な作風の作品はありました。また、『夢』という作品では全8話のうちSF的な物語も入っていました(「赤富士」「鬼哭」)。黒澤監督が思い切って長編SFなんかに挑んていたらどんな映画になったのか。観てみたかった気もします。

Re: 黒澤明と早坂文雄の対話 - 海軍大臣 (男性)

2024/03/09 (Sat) 22:50:30

『生きものの記録』は撮入直前の時点では『死の灰』というダイレクトなタイトルだったようです。ラストも主人公が病院内で狂死するといったヘビーな内容だったものが現今の形に修正されたのですね。
『世界大戦争』の原企画『第三次世界大戦 世界最後の日』(稿によっては『東京最後の日』)も完成作でのフランキー堺が演じた運転手に当たる主人公が発狂する展開が考えられていた時期があったそうで、ともに橋本忍の発想が根底にあったのではないかと予想されます。

Re: 黒澤明と早坂文雄の対話 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/11 (Mon) 18:53:35

 しまった、ミスタイプしてました。

SFを撮ろうしている→SFを撮ろうとしている

ですね。

 で、私も黒澤明のSF映画が実現していたらものすごいことになったんじゃないかと思います。
細部に凝るでしょうから、すごく緻密なものになっただろうなと思います。
そして『夢』は確かに黒澤映画が最もSFに近づいた作品でしたね。
「赤富士」や「鬼哭」は間違いなくSFに分類できますし。
 本多猪四郎監督の奥様、きみさんの証言によると『影武者』以降の黒澤映画は実質本多監督との共同監督作品らしいので、
本多監督のセンスも生かされていたんじゃないかと想像しています。

『生きものの記録』は『死の灰』なんて面白みのないタイトルで準備が進められたんですね。
変更されてよかったですよ。
たしか小松左京さんの短編に「ある生き物の記録」というものがあったと思います。
『生きものの記録』に影響を受けたのかもしれません。
(ストーリーは忘れてしまいました・・・。ある生き物というのがなんであるかにポイントがあったような。地球のことだったっけ??)

『世界大戦争』の橋本忍バージョンには興味津々です。
 大昔の「SFマガジン」で『世界大戦争』について批判的な記事を書いていた人が、「橋本忍版がすごい」なんて書いていて、
一体どんな内容なのかとずーっと気になっています。
「『世界大戦争』コンプリーション」なんて、出版されないよなーーー。

Re: 黒澤明と早坂文雄の対話 - 海軍大臣 (男性)

2024/03/11 (Mon) 22:34:49

 橋本忍版『世界大戦争』は新聞に公表されたストーリーでは、主人公はかなりの守銭奴で他国の戦争を株価が上がるといって歓迎するようなタイプ。それで何とかひと財産蓄えたところで核戦争が勃発し、海外各主要都市の壊滅を伝えるニュースを聞いて絶望、家族の前で発狂したところで東京も核攻撃を受ける、といった内容でした。

 一方、現存する印刷シナリオを読まれた方の話だと、こちらはもっとエグくて、後半での主人公発狂の展開は無くなり、一家揃って被爆前に東京から脱出したものの死の灰の影響で妻と子供たちが死亡。主人公はその遺骨を抱いて廃墟となった東京へ(と云うか愛する我が家へ)戻っていくと云ったストーリーだとか。

 いずれにせよ東宝カラーからは懸け離れ過ぎたハードな内容で、このまま作品化することは流石に二の足が踏まれたのでしょうね。そのSFマガジンで橋本脚本を称賛された人物は、おそらく当時まだSFが市民権を得ていなかったことへの焦慮などから、そうした背伸びをした作品内容こそ好ましいと感じていたのじゃないかと推察します。

 完成した『世界大戦争』は監督が松林和尚さんに変更された時点で橋本忍が降板となっていますが、実は前年の『太平洋の嵐』の脚本改訂を巡って御両者の間で感情的対立が起っているので、そうした部分も勘案せねばならないかと考えます。

Re: 黒澤明と早坂文雄の対話 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/12 (Tue) 19:05:03

 橋本版『世界大戦争』はおそらく陰惨な印象のストーリーなんでしょうね。
私は完成した『世界大戦争』の寂寥感を評価するので、あれで良かったのだろうと思います。
いつの世も刺激の強い表現の方がより深刻な表現だと思う人がいるものです。

 手持ち資料の「東宝特撮大全集」になにか書いてあるかもとめくってみましたら、
読んだのに忘れていたことがいろいろあって、赤面です。

 もともとは堀川弘通監督で企画されていたのでした。
堀川監督作品もいくつか見てきて、切れ味鋭い映画を作る方だという印象があるので、
堀川・橋本コンビの『第三次世界大戦』も見てみたい気がします。
(でも「東宝特撮大全集」にもあるように東映の『第三次世界大戦四十一時間の恐怖』との類似点が多いようなので結局は改稿が必要となりますか・・・。
ヒロインが看護師というところが共通だったりします)

 親記事からかけ離れた話に展開してしまいました。
『世界大戦争』4K化、UHDソフトの発売を熱望します。

ゴジラ対ヘドラ貴重映像 - なんじぇい (?)

2024/03/03 (Sun) 18:21:08

どこかのイベントですが、紛れもなく総進撃ゴジラとヘドラ上陸期の本物スーツで取っ組み合っています。
ゴジラにはちゃんと口を開けるギミックもついています。
この時期でもゴジラはヒーロー扱いだったんだなと……
中には中島春雄さんが入っていたんでしょうか?

https://twitter.com/penpen_iii/status/1764007499114688874?t=o6xlVkeCLlui8RQ_T2fkLQ&s=19

Re: ゴジラ対ヘドラ貴重映像 - 海軍大臣 (男性)

2024/03/03 (Sun) 21:27:11

私も見ました。詳しい知人が云うには、中島さんっぽい動きとのことです。あと、一瞬写り込んでいるマイクを持った中年男性は誰でしょうね?田中友幸さんに見えなくもない気がしています。

Re: ゴジラ対ヘドラ貴重映像 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/03/04 (Mon) 18:58:48

 こんなフィルムが残っていたんですね。
遠くに鯉のぼりが映っているところから、ゴールデンウィークあたりのイベントだったと考えられます。
 となると『ゴジラ対ヘドラ』はまだ撮影中だったのでは??

 当時はアトラクション用着ぐるみを作ったりしていないと思うので、
ゴジラは中島さん専用仕立てと思います。

 むむ、マイクを持った男性。
体型は田中Pっぽくもありますが、田中さんより背が高いような気もします。

 ナレーションは完全にプロの仕事なので、どこから出てきたフィルムだろうと当たりを付けてみましたら、
発売中の『ゴジラ対ヘドラ』4Kリマスターソフトの特典映像に、
「公害怪獣誕生! ヘドラ」「モーレツ怪獣! ゴジラとヘドラ」「今月のハイライト ゴジラ対ヘドラ」(スポニチクリエイツ映像)
というのがありました。
この三本のうちのひとつかと思います。

 いやもう、このたびの4Kリマスターソフトの特典映像はものすごい物量で驚かされます。
(すまん、『対ヘドラ』は買ってないのだ)

Re: ゴジラ対ヘドラ貴重映像 - エクセルシオール (男性)

2024/03/05 (Tue) 20:29:09

 これは貴重な映像に関する情報ありがとうございます。いかにも子ども向けイベントという感じがしていいですね。紹介ナレーションも時代を感じさせて味があります。

 ゴジラは中島春雄さんが演じていた可能性が低くないようですが、ヘドラの方はどうだったのでしょうか。映画と同じなら薩摩剣八郎(当時は中山剣吾名義)さんが入っていた事になりますが。

ネーミングセンスの枯渇・・・? - エクセルシオール (男性)

2024/02/23 (Fri) 21:48:32

 もうすぐ3月であり、最近ではスーパー戦隊シリーズの交代時期ですが、次の作品のタイトルが『爆上(ばくあげ)戦隊ブンブンジャー』であると聞き、いよいよネーミングセンスの枯渇を感じてしまいました。もはや戦隊名もモチーフもネタ切れになっている観もあります。

 スーパー戦隊のネーミングはもう少し柔軟性をもって行うべきではないかと思います。思えば初期作品については『秘密戦隊ゴレンジャー』『ジャッカー電撃隊』『バトルフィーバーJ』『電子戦隊デンジマン』とネーミングはバラバラでした。また、その後も『超電子バイオマン』『超新星フラッシュマン』のように「戦隊」という肩書がないものもありました。無理に○○戦隊○○ジャーにしなくてもいいのではないかと思います(例外はあったが)。

 いずれにせよ内容以前にタイトルを見ただけで「かっこ悪い」と思われるというのはかなりまずい気がします。

Re: ネーミングセンスの枯渇・・・? - 海軍大臣 (男性)

2024/02/23 (Fri) 23:08:21

 随分前に聞いた話によると、戦隊シリーズがずっと続くものと判断した一部の営利団体や個人により、「かっこ良い」と感じられる○○戦隊という名称はかなりの数が前もって権利登録の届け出が出されているので、それを使用するには高額な権利料金が発生するため、ネーミングに苦しんでいるとも話もあったようです。

Re: ネーミングセンスの枯渇・・・? 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/02/25 (Sun) 15:35:01

 (スーパー)戦隊シリーズについては、ごく初期の作品をいくつか見た程度(「ゴレンジャー」を除き、「サンバルカン」までは把握してます)で、その後の変遷にはまるで疎いです。

 なのであまり確たる意見もないことになってしまいますが、
「仮面ライダー」に比べると全体に緩い作りがシリーズの特徴だったようにも思います。
(いや、仮面ライダーもそんなによくは知らないのだが)

 爆上げとか「ブンブン」と言われてしまうと、印象としてはダサいなーと思ってしまうのは偽らざるところではあります。
 ただ、もし、完全にコメディに振っているなら、これもありなのかなとも思ったり。

 子供たちが楽しんでくれる作品になるなら、結果オーライかもしれません。

Re: Re: ネーミングセンスの枯渇・・・? - ルー等級つつ大臣 (男性)

2024/02/26 (Mon) 15:19:36

ミーも戦隊シリーズや仮面ライダーに関しては疎いほうなのであまり偉そうなことは言えないのですがさすがにブンブンと云うのはセンスがないのではないかといったところざます。
(戦隊シリーズはゴレンジャーからフラッシュマンまでは見てました。それ以降のチェンジマンやジェットマンに関しては雑誌宇宙船で知ってました。どんなものかは見てなかったので何とも言えないざます)
やはり毎度シリーズが変われば頭打ちになるのは当然ざますね。
戦隊シリーズは子供が初めて見る特撮モノですからネーミングセンスは慎重に選ばないといかんと思います。
(仮面ライダーもネタ切れしてるざますね)
子供相手の番組は真摯にしないといけません。

Re: ネーミングセンスの枯渇・・・? - エクセルシオール (男性)

2024/02/26 (Mon) 18:35:18

>「かっこ良い」と感じられる○○戦隊という名称はかなりの数が前もって権利登録の届け出が出されている

 その話が事実だとしても、その名称が「全く利用されていない」「利用する気がない」「後発者から不当な利益を上げようとしている」等々の事情があれば、登録の無効や取り消しを主張できると思います。天下の東映ともあろうものが、明らかに不当な登録に対抗する気概もないというのでは鼎の軽重を問われるでしょう。

>ただ、もし、完全にコメディに振っているなら、これもありなのかなとも思ったり。

 これはありうるかもしれません。今回の敵は大宇宙侵略大走力団ハシリヤンという悪の軍団であり、当初の敵幹部はサンシーターという三人(二人と一匹)の「現場監督」だそうです(声優は非常に豪華)。彼らは組織では下っ端で出世を狙っているそうですから、コメディタッチの敵になる可能性が低くありません。まあ、後半になればシリアスな敵も出てくると思いますが。

>子供相手の番組は真摯にしないといけません。

 同感です。徒に奇をてらったり、マニア受けばかりを狙っては、作品がダメになる一方でしょう。

中身がわからないけれど・・。 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/29 (Mon) 16:24:59

 テレビ朝日系で今夜放送の「Qさま!!豪華保存版昭和偉人の超貴重映像ベスト10!学力王SP」(20時30分~21時54分)にて円谷英二監督の貴重映像が放送されるそうな。

「ウルトラQのおやじ」よりだったら、マニアはちとがっかりだぞ。

(こんな時間にBBS投稿なんかやっちゃいかんのよ)

Re: 中身がわからないけれど・・。 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/02/01 (Thu) 18:36:04

 もー、ばっちり「現代の主役・ウルトラQのおやじ」からの引用でした。

 それでも「怪獣は怖いだけではダメ」「カットを誤魔化すのがいやだ」のくだりを使っていたので、
価値ある放送だったと思います。

Re: Re: 中身がわからないけれど・・。 - ルー等級つつ大臣 (男性)

2024/02/11 (Sun) 13:43:41

そうだったざますか。
久しぶりに映像掲示板に来たざますよ。
でこっちでは未放映だったので何とも言えないざますけれども現代の主役ウルトラQのおやじからの引用でお茶を濁すとは大丈夫なのだろうかと思ったざます。
(ただ放映されていたのは素直に嬉しかったざますけれども)
円谷監督にスポットライトを当てたのは良いとも思ったざます。
ただ秘蔵映像がなかったのはがっかりモノざますねぇ。
(この現代の主役シリーズ、円谷監督のばかりでなく他の人のも見たいざますねぇ。)

Re: 中身がわからないけれど・・。 - 海軍大臣 (男性)

2024/02/12 (Mon) 12:41:25

 小耳に挟んだ話では、「証言私の昭和史」で円谷英二監督が山本嘉次郎監督とお二人で出演された放送回の映像は、テレビ東京にキチンと保管されているのが確認されたそうです。
 ただし、コスト的なペイが難しくて、映像ソフト化は不可能だそうで、なんとかテレ東さんで放映するなりして頂きたいところです。

Re: 中身がわからないけれど・・。 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/02/12 (Mon) 15:33:22

 おっ、つつさん、こちらではお久しぶりざんす。
(あ、こっちではイヤミ語法は使っていなかったざます)

 そうなんですよ。
もっと珍しい秘蔵映像に期待したんですけどね。
でも昭和偉人ベスト10に選ばれたことには喜ばないといけませんね。

 で、テレ東「証言私の昭和史」は是非放送して欲しいですよ。
あるいは単体での「ペイ」が難しいなら『ハワイ・マレー沖海戦』ブルーレイソフト化(これがそもそも実現するのか?)の際に特典映像として収録するってのは、
いかがでしょうか。
 テレ東さん、使用料をお安くサービスしてね!

1月25日でございます 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/25 (Thu) 18:50:57

 この一年の間にも円谷英二監督が関与したと思われる映画をいくつか見ております。
東宝(特殊)技術部のクレジットがあるけれど竹内博さんのリストにはないものとして、
『見事な娘』(1956瑞穂春海)
『愛情の決算』(1956佐分利信)
『有難や三度笠』(1961福田純)
『琴の爪』(1957堀川弘通)
『愛と炎と』(1961須川栄三)
を見ました。

 クレジットなしでは
『仇討珍剣法』(1954宝塚映画 齋藤寅次郎)
 ミニチュアや稲妻のアニメ合成あり

『日本一の殿様』(1937東宝 萩原遼)
 やたらとトランジションに凝っていた

『ある遭難』(1961東京映画 杉江敏男)
 雪崩をミニチュアセットで表現したと思われる

『純白の夜』(1951松竹 大庭秀雄)
 スクリーンプロセスと蒸気機関車のミニチュア

『赤穂城』『続赤穂城』(1952東映京都 萩原遼)
 ミニチュア・作画合成・ミニチュア爆破

『にっぽんGメン』(1948東横映画京都 松田定次)
 スクリーンプロセス・ミニチュアによる?爆破

『にっぽんGメン第二話難船崎の血闘』(1950東横映画京都 松田定次)
 海と船をミニチュアで表現

『絢爛たる殺人』(1951大映 加戸敏)
 オーバーラップ(妙に凝ったものあり)やワイプ・スクリーンプロセス(円谷式にしては画質悪い?)

『月形半平太』(1952松竹 内出好吉)
 ミニチュアで京都の橋と町並みを表現 マット画合成 流れ星のアニメ

『花のれん』(1959宝塚映画 豊田四郎)
 マット画・アニメ合成・ミニチュア
というあたりです。
 ほかにも、むむ?と思うものはありましたが、可能性が低いと判断して割愛します。

 この中で『花のれん』について少し詳しく書いてみます。
未ソフト化とのことなので、鑑賞機会が少ないでしょう。
 原作は山崎豊子で、吉本興業創業者の一代記です。
ただし、劇中では吉本ではなく変名になっています。
 登場する芸人たちは実名で、春団治や松鶴のエピソードが描かれます。
おもしろいのは、主人公を補佐する重要人物役で花菱アチャコが出演しているのですが、
劇中にもアチャコ吉本入りの様子が出てきます。
 しかし、看板の「花菱アチャコ」の文字をアップにするだけで、アチャコ役は出てきません。
相方らしき人物は千歳家今男となっており、エンタツはどうした?とネットで調べてみましたら、
横山エンタツとのコンビを解消した後で組んだのが千歳家今男とのこと。

 もともと呉服屋だった亭主(森繁久彌)は遊び人で寄席が大好き。
芸人を引き連れて遊び歩くうちに店は潰れます。
 そして妻(淡島千景)がハッパをかけて寄席経営に乗り出します。
 ところが亭主は愛人宅で急死。
 残された妻が寄席興行に辣腕を振るっていくのですが・・。
という物語。

 興味深いのは、この映画でも河島(吉本)興業はひどくがめつい稼ぎ方をしているように描かれていること。
出征する息子からも「母さんのやり方は間違っている。芸人たちとの契約はもっと明朗であるべきだ」なんて説教されるのです。
 吉本の伝統は脈々と受け継がれているのでありましょうか。

 特撮は、吉本が買い取った戦前の通天閣をマット画で表現、大阪空襲をミニチュア(B29、送電鉄塔、焼け跡)やアニメ合成(サーチライトや炎上する大阪の光など)で見せています。
遠景に見える大阪の炎と煙はなかなか凝ったアニメーションで、円谷組の本気を感じさせる出来でした。

 まだまだ尽きない円谷特撮探求の道でございます。
と、1月25日に記す。

Re: 1月25日でございます - 海軍大臣 (男性)

2024/01/28 (Sun) 23:15:23

ギドラ様、たいへん興味深いレポート、感謝です。
実は円谷特撮の探求に付随する問題として、まだまだ掘り下げていかねばならないと最近感じているのが、「第零次怪獣ブーム」の存在ではないかと考えています。
これはあまり耳慣れない言葉ですが、「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」が相次いで大ヒットした昭和30年代初頭、邦画各社に突如として巻き起きた特撮SF映画企画の潮流を指すものです。実際に東宝以外で実現されたのは新東宝「空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃」と大映「宇宙人東京に現る」の2作品に過ぎませんが、他に存在が判明している製作企画としては、当の東宝が「怪獣キング・ゴリオン」(こちらはゴリラ+ライオンの造語)、新東宝が「ギョードラゴン」(海底地形を意味するギョーに棲息する恐竜の意だとか)、日活が「怪人ラプラスの襲撃」(時期によって別題名あり)、松竹が「八頭獣」(八岐大蛇をモチーフにした怪獣もの)と各社に亘っており、如何に各社がゴジラの成功に強い刺激を受けていたのかが伺われてきます。

 勿論、その大半が企画倒れで終わってしまったのは、やはり一朝一夕では如何ともし難い特殊技術の問題が大きな制約となったかと想像されます。後に映画界が斜陽期に入ってからの形振り構わぬ第一次ブームとは異なり、この当時はいよいよ空前の映画黄金期を迎えようとしていた時期に当たるので、「何もわざわざ不慣れな作品に大きな予算を投じる危ない橋を渡らなくても、他に客を呼べる企画は沢山転がっているじゃないか」というのが各映画会社の腹の内だったのでしょう。
事実、技術面の問題に注目してみると、新東宝「ギョードラゴン」は特撮を円谷英二監督に打診する腹積もりだったらしく、まだ東宝撮影所の職区内に特殊技術課が復活する以前の時期には、そうした離れ業も「出来ない話」ではなかったのかも知れません(逆に円谷特撮の流出を避ける意味もあって、同じ時期に製作部内に特技課が立ち上げられたのかも知れません)。また、同時期の東映などは最初から「特撮じゃ、うちは東宝さんには敵わない」と大川社長自身が公言しており、後に矢島信男監督が松竹から転入してくるまでは、お得意の一般時代劇の増産に注力していたのが現実でした。新東宝は結局、児童向け低予算の「スーパージャイアンツ」に逃げる形になり、日活と松竹に関しては推して知るべしといった塩梅に終わっています。

こうした結果、各社が東宝に追随する形で怪獣特撮ものに参入するのは10年後になってしまった訳ですが、この第一次ブームを牽引したのが新興勢力のTVであったことは事実ながら、映画作品に関しては政府肝煎りの社団法人・映画輸出振興協会からの「輸出映画産業振興金融処置」による融資を目的としていた部分が非常に大きかったように感じられます。同時期の映画年鑑を調べてみると、大映や日活の怪獣映画の予算には信じられない位の金額が計上されており、これは経営赤字を国からの融資で何とか埋める算段だったのではないかと疑いたくなる様な始末です。つまりは「客が入る」「海外に売れる」といった以上の、何とも不純な動機が覗き見られるブームだったようで…。

 かくして「有り得た」かもしれない映画黄金期での邦画怪獣ブームは竜頭蛇尾の結末に落ち着いくこととなりました。
私などは単純に特撮ファンとして、斜陽期に実際に作られたものとは別の、黄金期らしい潤沢な予算を投じた各社カラーのある怪獣映画を観て見たかったと思います。また実現化された作品が殆ど無いために顕在化し難い問題ではありますが、我が国特撮映画史の一断面として、より詳しい研究が望まれてなりません。

Re: 1月25日でございます 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/29 (Mon) 16:18:47

 第零次怪獣ブームというのは興味深い視点です。
企画倒れの諸作については何も知りませんでした。

 新東宝の『忍術児雷也』『逆襲大蛇丸』の二部作(1955)は実現した作品と言っても良いかもしれません。
 大ガマや大蛇が登場して、怪獣っぽいものを目指したフシがあります。
けれども、特撮がしょぼすぎる!
技術が追いつかなかったらしいことが見て取れますね。

 新聞の連載記事で読んだところによると、「日本映画輸出振興協会」は永田雅一氏が画策して作り上げたようです。
そして協会からの融資を活用したのは大映、日活、松竹だけだったそうで、資金繰りが苦しかった模様。
(東宝、東映は好調だったのか・・)
その記事によると、当時発表された『ガメラ対ギャオス』『大魔神逆襲』の製作費はともに1億9000万円、『宇宙大怪獣ギララ』1億5000万円、『大巨獣ガッパ』1億6000万円だったそうで、
どうやら水増し請求して必要以上に融資(製作費の8割までもらえたそうです)させ、会社の運転資金に回したのかと疑われるとあります。
同じ記事に『大魔神』の製作費は6000万円、ガメラシリーズは7000万円前後とあるので、
『~ギャオス』『~逆襲』はなんか変ですよね。
 お金欲しさの特撮企画だったとすると複雑な気分です。

Re: 1月25日でございます - 海軍大臣 (男性)

2024/01/29 (Mon) 22:42:42

 おお!その記事は存じませんでしたが、やはり融資の件が疑わしいとの認識が昔からあったのですね。どうも妖しいニオイがプンプンです。

 あと書き忘れましたが日活の「怪人ラプラス~」の企画発案者は、かのターキー瀧の江瀧子だったそうです。企画時期は昭和31年ということで、ちょうど彼女の推薦で石原裕次郎が「狂った果実」でデビューを遂げた前後だったみたいですから、もし作品が実際に製作されていたら、裕次郎出演作になっていたのじゃないかとの根も葉もない妄想が湧いてきてしまい、困っています。

Re: 1月25日でございます 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/30 (Tue) 18:02:33

 すいません、補足します。
私が読んだ新聞記事は2017年のもので、1970年4月3日衆院内閣委で社会党大出俊が(日本映画輸出振興協会を)所管した通産省を厳しく追及したとあります。
「製作費が6000万円しかかからない映画に1億数千万円も融資」「倒産寸前の大手映画会社の救済策」と。
間違いなく当時から怪しまれていた制度だったようです。

 そういえば裕次郎は空想的な映画に出ていませんよね。
日活にその手の作品がほとんどないのも災いしているでしょうけれど、
SFやファンタジーで活躍する裕次郎を見たかったものです。
(『零戦黒雲一家』のラストはファンタジーかと思いましたが)

遂にノミネートしました - なんじぇい (?)

2024/01/23 (Tue) 22:49:31

『ゴジラ -1.0』がアカデミー賞の視覚効果賞にノミネートしました。
低予算(15~20億程度らしい)でいい映像を作ったのが評価されたそうです。
視覚効果賞にノミネートは、アジア映画初の快挙だとか。

悪くはないと思ってましたが、ちょっと意外です。

Re: 遂にノミネートしました 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/24 (Wed) 19:10:05

 私もテレビの芸能ニュースか何かで見ました。
予算の割によく出来ていたという評価もあるんですね。
 映像そのものはハリウッド大作に比べれば大したことはないと見えます。

ゴジラ-1.0シナリオとかストーリーとか その2 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/11/13 (Mon) 18:36:17

 銀座の後は急転直下の怪獣退治作戦。(海上の怪獣を物理学的工夫で深海に沈め、水圧で抹殺。それがダメならそこから急浮上させて減圧で抹殺)
その計画の不確実性を指摘するやりとりがあるのは大変結構でした。
(この海神(わだつみ)作戦もよく考えると劇中で指摘されたこと以外にも不審な点はありますが、それは別項で触れるかもしれません)
震電を使って怪獣を誘導しようとするのも悪くはないですが、敷島が橘を探して策を弄するくだりは尺の無駄遣いと思いました。
橘の所在はすぐわかったっていいでしょう。大事なのはもう一度橘を登場させることなのでしょう。
そして敷島は戦争中に出来なかった特攻を決意するわけですが、これ、特別攻撃(体当たり自爆)を肯定する発想ですよね?
たとえ実際には自爆しなかったとしても、主人公の思想として自爆を是としたことは確かではないですか?
 生きたいとは言ってますが、子供のために怪獣と刺し違えるとは、『俺は、君のためにこそ死ににいく』ですか。
ダメだよ特攻を美談にしちゃ。

 野田による、命は大事だとの演説があっても主人公が死を決意しちゃってるんですから。

 海神作戦で怪獣の移動速度が予想より速く、上陸を許してしまうというのはよかったです。
わずかながらでも逃げ惑う人や蹴散らされる家屋を見せてくれました。
 そして震電で誘導するのですが・・。
 怒ったマイナゴジラが爆発性熱線を吐くのはいいとして、なぜ震電ではなく、囮の無人艦に向けて吐くのか?
(熱線を当てられたのが無人艦かもというのは1カットだけ舵輪をロープで固定されたブリッジが映るからです。もう少しわかりやすい説明は必要)
さらにマイナゴジラの熱線が一度撃つとしばらく撃てないというのもご都合主義。
ゴジラなら熱線を乱射できますよ。
海神作戦では、どうせ怪獣が負けるんだろ、と眠気が差しました。
(46サンチ砲弾がどうのこうのと言っていて、マイナゴジラに巻き付けたワイアで砲弾が爆発したように見えましたが、大和主砲用の砲弾が昭和22年に隠匿されていたのでしょうか?? そもそも何をしたのかよくわからないので、要らない設定では?)

 海に沈んだ怪獣を浮かび上がらせようとした(急激な減圧で殺すつもり)とき、
バルーンが食い破られて浮かんでこないとなり、使っている船の推力では引き上げられない、そこへ応援船団(何を助けるつもりでやってきたのか??)がやってきて船をロープで繋いで引き上げる、のですが、
先にも書いたとおり怪獣が自らの意思で浮き上がってきてもいいですし、応援船団をロープで繋ぐため(結果論として怪獣引き上げに協力は出来たが、それを予想したのか?)にどれだけ時間がかかったのでしょう。
もはや急速減圧にはなりません。
 作戦失敗です。
 それでも引き上げる。
怪獣は船を引きずり回そうともしない。
浮き上がり、熱線を吐こうとした怪獣の口めがけて敷島は体当たり。
体当たり前提の作戦ですか?
 震電に積んだ爆薬で怪獣の頭が吹っ飛び、ついでに体もばらばらに崩れてご臨終。
 自爆したかと思われた敷島は、橘が取り付けてくれた脱出装置で逃げ出しておりました。

 おまけに死んだと思われた典子もどこかの病院に収容されていて生きていました(敷島の家に電報が来るくだりで予想させる作りではあった)、って、ハッピーエンドにしたかったのはわかるけれどやりすぎでは?
全体に緩い(人間の生々しさにまでは踏み込んでいない)映画ですので、ヒロインが死ぬことを避けるのもひとつの方策ではありますが。
でもヒロインは怪獣に冒されている(これ、わかりにくいよ)ようなのでハッピーエンドでもないんだな。

 ラストカットは海中で再生しつつあるようなマイナゴジラ。
生きているからいいでしょうと言いたいのか。
GMKと同じ。

 結局主人公の立ち直りを描くための道具にされた怪獣でした。
怪獣の悲哀などはありません。
人間の芝居には愁嘆場が多い。
叙情的であり、怪獣事件を伝えるスペクタクル映画にはなっていません。
それから、「ゴジラ」が人間に負ける映画がおもしろいですか?
(芹沢大助も人間ではあります。が、芹沢+オキシジェンデストロイヤーが担う、劇中および作品解釈上の役割を考慮すれば、『-1.0』やその他のゴジラ殺しをやった作品とはぜんぜん意味が違う)

 食事のシーンなど生活感を伝えるシーンに力が入っていたのは大変結構で、近年の怪獣映画が忘れていることを押さえてくれていました。
ただし、そこに足を取られていたのも確かで、日常生活の描写をもっと凝縮して短く組み立てれば、作品の視野を広げるためのシーンを入れられただろうと思います。
(日常生活だけでなく省略・圧縮可能なシーンはあったように思います)
 主人公が関わらないところでの政治家のやりとりとか警察・消防の対応などを描けたはずですし、なにより怪獣の活躍シーンを増やせたのではないでしょうか。
(怪獣を動かすには予算がかかる? 初代ゴジラの東京蹂躙はもっと長尺だったと思いますよ)

『ゴジラ-1.0』を原点回帰と評するライターもいました。
 よかった、おもしろかったというお客さんもいます。
 出てくる怪獣が一匹だけ(怪獣同士が戦うような〝お子様向け〟ではないと見える)で、なにやら深刻なストーリーだったので、そんな評価になるのもわからなくもない、かな。
けれど、そんな人たちに言いたい。
 もう一度先入観を捨ててまっさらな気持ちで『ゴジラ』(1954)を見直して欲しい。
 出てくる怪獣がどんな描かれ方をしているか。
 人間たちがどんなドラマを紡いでいるか。
『ゴジラ-1.0』はゴジラ70周年記念映画と銘打たれています。
『ゴジラ』(54)と並び立つことが出来る映画ですか?

Re: ゴジラ-1.0シナリオとかストーリーとか その2 - なんじぇい (?)

2023/11/13 (Mon) 22:15:58

どうやら小説版では、46cm砲弾は「ゴジラの周囲を一瞬空洞にし落としやすくする」「できる限りの火力で少しでもダメージを期待する」為に使ったようです。

それより驚いたことが、小説版でありました。
最後の敬礼は、ゴジラにやったものだそうです。
「もしかすると人間がやってはいけないことを、彼らは成し遂げてしまったのかも知れなかった。 人々は誰からということもなく、次第にゴジラに向かって敬礼を始めた。思えば、この獣は人間の愚かさによって焼かれ、その姿形を醜く変容させられた被害者ともいえる。 そんな気持ちが彼らに思わず敬礼をさせてしまったのかも知れない。」
と書かれており、初見はとてもそうには見えず主人公にやったものだと考えていた私は、演出が下手ではないのかと思ってしまいました。

ここをもっとしっかり描写していれば、作品の評価はグッと上がっていたと思います。

Re: ゴジラ-1.0シナリオとかストーリーとか その2 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/11/14 (Tue) 18:31:02

 なんじぇいさん、ご教示ありがとうございます。

 海神作戦の詳細はもっとわかるように映像化(セリフなどでの説明が無くても描写が細かければ観客に伝わる)したほうがよかったですね。
同じことが最後の敬礼にも言えるのだと思います。
 私も最初は敷島に対するものかと思いましたが、二回目(もー、二回見たっすよ)では、どうやら海に向かって敬礼しているようなので、まさか?
と思いました。
 マイナゴジラが核実験の犠牲者であることを伝えるシーンは説明映像でちらっとだけ。
 まずそこを1シーンになるように複数のカットで丁寧に見せておくべきでした。人間不在の怪獣のみの芝居でいいのです。
 出現した怪獣は人間に害を与える様子だけでなく、彼もまた生きているのだ、生きたいのだと伝えるシーンが必要です。
その上で核実験の害を指摘するシーンを作り、怪獣に悪気は無いけれど人間の命を守るためには殺さざるを得ないだろう、と持って行けていれば怪獣に対する敬礼にも意味が出てきたはずです。
(にしても軍隊的な敬礼は変ですな)

Re: ゴジラ-1.0シナリオとかストーリーとか その2 - なんじぇい (?)

2024/01/23 (Tue) 01:01:50

今更ですが……

応援船団の下りが気になってもう一度見てみたら、飲み会のシーンで水島が「ゴジラを駆逐艦で引っ張り上げるのは?」と聞いて「足りない」と却下されていました。
水島が船を連れてきたのも、その件もあって最初から引っ張り上げるつもりだったように思えました。

まあ糸を船に結びつけるのにすごい時間がかかりそうなんですけど……

Re: ゴジラ-1.0シナリオとかストーリーとか その2 - 海軍大臣 (男性)

2024/01/23 (Tue) 17:00:02

「ヒクイチ」を弁護する気はさらさらありませんが、曳航作業に慣れた曳船作業員なら、舫を取るにはそれ程には時間を要さないと思います(そんなことで手間取っていたら、通常の港湾業務が滞ってしまいますので)。ただ重箱の隅を突くとしたら、ああした大重量物を曳航する際には、舫綱の真ん中に大きな錘をぶら下げねばならないそうです。これは綱がピンと張り過ぎると切断する危険が高いので、わざと下方に向けてテンションを与えておくのだとか。まあ、娯楽劇映画にそこまで求めるのは難癖になっちゃうかと思います。

Re: ゴジラ-1.0シナリオとかストーリーとか その2 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/24 (Wed) 19:09:03

 そーねー、バルーンでの急速浮上に失敗するかも、と予想したと解釈するのがぎりぎりですね。
それで、じゃあ急速浮上が出来たのか、ということになると、
船団駆けつける→引き上げのための船の配置を立案し同時に船を動かす→船を結合する→引き上げる、という段取りを考えると、
急減圧で殺す、わけにはいかないんじゃないかと思われます。
 バルーンの浮力ですでにある程度上昇したあとでもありますし。

 いやいや、その間怪獣が何にもしないで黙って海中にいるのがおかしいって!

Kaiju on the Earth ボルカルス - エクセルシオール (男性)

2024/01/22 (Mon) 21:22:33

 新しい怪獣漫画として『Kaiju on the Earth ボルカルス』という作品が連載されているのを見つけました。サンデーうぇぶりというサイトで読むことができます(日曜日更新)。元はボードゲームだそうですが、漫画はそれをもとにしたオリジナルの内容になっているようです。

 物語の概要は、富士の火口から姿を現したあらゆるものを焼き尽くす怪獣ボルカルスによって殺された主人公達がその時の記憶を持ったまま子ども時代に時間遡行し、破滅の未来を変えようとするというものです。怪獣ものとタイムループものを合わせた物語と言えるでしょう。
 ただ、タイムループは以前にも起こっており、繰り返されるたびにその間隔が伸びているという設定があります。その結果、「もう次がない」という事を知った主人公達は、何とかこの時間軸で破滅を止めなければならない事になります。
 現在、主人公達は怪獣対策ができる地位を得るため「偉くなろう」とするのですが、果たして・・・、という展開になっています。

 今後どんな展開になるか、一読してみるのも悪くないでしょう。

Re: Kaiju on the Earth ボルカルス 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/24 (Wed) 19:07:37

 情報に感謝です。

 第三話までざざっと読んでみました。
これまた変わった切り口(んー、近年流行ったいくつかの作品から材料を集めてきた感あり)で怪獣を扱っていますね。
 主人公たちの27年を丁寧に描くとほとんど怪獣が出てこないぞ、と思ったら、子供時代は飛ばしましたね。
ここまでの内容からは怪獣出現はメインではなく、人生のやり直しを描くものに見えます・・・。
(ボードゲームでも同じ設定なのだろうか。どんなゲームだ??)

 これまでなんじぇいさんからもいくつか怪獣を扱ったマンガを紹介していただいていて、
怪獣が定番の創作アイテム(?)になったように感じます。
 それが良い方向へ進めばいいのですが、怪獣の形骸化に繋がる可能性もはらんでいるかもしれません。

Gone With the Wind! - 海軍大臣 (男性)

2024/01/12 (Fri) 21:44:24

 ご存じの向きもあるかとは思いますが、明日の「新・美の巨人たち」で帝国劇場を取り上げるそうで、番組中では何と円谷英二監督が関わられた演劇「風と共に去りぬ」に使用のアトランタ炎上の特撮場面が放映されるそうです。
 「大津波」と並ぶ幻の円谷特撮の一つなので、ファンは必見かと思います。
 
 なお、実際のミニチュア撮影に当たって現場を取り仕切ったのは的場徹さんで、円谷さんは総合的なプロデューサーの立場にあったとの話もあるみたいです。

 また帝劇版「風と共に去りぬ」は90年代にも再演されていて、当該フィルムも使用されてはいますが、その際に使用されたものは川北監督により一部の合成を手直ししたり尺詰めを行っているので、今回放映されるのが果たしてオリジナルなのか否かが気になるところです。
 

Re: Gone With the Wind! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/13 (Sat) 17:58:31

 ノーチェックでしたぁぁぁぁ。
ありがとうございます!

 録画予約に間に合いました。

 さてどんな映像なんでしょう。
現場の仕切りが的場徹さんだったとしたらカメラポジションなどは的場流なのかもしれません。
舞台背景用の映像なので編集で演出することはないのかもしれませんが、
芝居との連携でカットを割ることは考えられます。

 テレビ放送では全長を流すとも思えませんので、どうかセルソフトの特典映像として全長版の収録を望みます。

 いやー、もはや見ることが出来ないだろうと思っていた円谷特撮もこんな形で見られるとは。

Re: Gone With the Wind! - 海軍大臣 (男性)

2024/01/14 (Sun) 07:46:57

 放映されたプリントの褪色具合から見て、オリジナルのものと判断されますね。僅かな時間のものでしたけど、実際に目の当たりにできて良かったです。
 演劇の一場面にミニチュア特撮映像を映写するといった演出は80年代後半頃の「孤愁の岸」という舞台劇でも、大河決壊のスペクタクルシーンを川北監督が手掛けていて、その一部は「モスラVSゴジラ」の冒頭で再利用されていたかと記憶します。同劇はTV中継されていたので、録画されている方も居られるのじゃないかと思います。
 あと、幻の「大津波」ですが、実は超B級ハリウッド作品「アタック オブ ザ クラブモンスター」に丸々流用されている津波特撮がそれだと言われていて、かなり信憑性は高いようです。

Re: Gone With the Wind! - エクセルシオール (男性)

2024/01/14 (Sun) 11:43:30

 貴重な情報ありがとうございます。私の住んでいる地域にはテレビ東京の系列局はないので視聴は苦しいかと思いましたが、BSテレ東の方で1月20日23時30分から再放送されるそうなので観てみます。

Re: Gone With the Wind! - 海軍大臣 (男性)

2024/01/14 (Sun) 16:44:03

BSで視聴可能でよかったです。

今回放映のものは褪色していて短いものながら、大変貴重な映像ですので、是非ともご覧くださいませ。

 本来ならば全編を公開して欲しいですね。特撮博物館が動いてくれないものかと思っています。

Re: Gone With the Wind! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/14 (Sun) 17:02:54

 見ました!

 うううーーん、ほとんど色が残っていない・・。
フィルムも歪んでいて画面が揺れる・・・。

 それでも、ほかでは見たことのないような炎上特撮の迫力は感じられました。
 メイキング写真も紹介されて、それを見るとかなりサイズの大きなミニチュアを使ったことが判ります。

 さらに、アトランタが燃えているだけかと思いきや、
砲撃によると思われる建物の爆発と倒壊も描かれていて、ミニチュアに芝居をさせているのがさすがです。

 放送尺が短かったのが恨めしい。
あ、番組が字幕スーパーで「特殊技術監督 円谷英二 的場徹
美術 成田亨」
と入れていたところに担当者のマニア度を感じました。

 舞台「孤愁の岸」は知りませんでした。
見る機会がありますでしょうか・・・。
そして『大津波』の特撮が流用されている話も知りませんでしたので、
早速「アタック オブ ザ クラブモンスター」について調べてみましたら、
どうやら邦題『カニ怪獣の襲撃』という映画らしいですね。
ロジャー・コーマンの低予算映画のようです。
しかし、この映画の製作年は1957年で、『大津波』の製作が1960年であることを考えると、違うのかも。
ついでにこんなページを見つけました。
https://seitar0.exblog.jp/239376557/
パール・バックが円谷英二監督の印象を書いていたようです。
(このページで円谷英二が1963年に東宝から独立したように書いていますが、それは誤解でしょう)

Re: Gone With the Wind! - 海軍大臣 (男性)

2024/01/14 (Sun) 22:38:58

 あっ失礼。うっかりしましたが「大津波」からの流用カットはTV放送時に後から付け加えられたそうで、現今の劇場公開版のDVDには未収録だそうです。「カニ怪獣の襲撃」も同じアライド・アーチスト社が版権になるのだとか。
 X(旧Twitter)に映像が上がっていますね。カニ怪獣の襲撃 大津波 で検索するとヒットします。
 余談ですが「大津波」の製作顧問を何故か山本嘉次郎監督が務められていて、ちょっと不思議な感じがします。
 あと63年の独立というのは、単に円谷特技プロ設立のことを誤認しているのじゃないかと考えられます。

Re: Gone With the Wind! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/15 (Mon) 19:02:01

 またまたありがとうございます。
『カニ怪獣の襲撃』DVDを買おうかどうかと迷っていました。
TV放送時に付け足されたものなんですね。

 で、問題の映像も見ました。
 やってますねぇ、水の方向を上手から下手へで、かたくなに守っているあたり、基本に忠実な見せ方です。
 逃げる群衆との合成カットがアクセントになってます。

 Xに上げた人はアメリカでたまたま録画したのでしょうか。
ロジャー・コーマンに注目する人は多いでしょうし・・。

『大津波』は海外盤が出ていないかとときどきサーチしていますが、どうもDVDが出ていないようで・・。
 山本嘉次郎監督が顧問とは、日本での撮影なので米人監督には行き届かないところを補完したのかも。
ひょっとして演出もしてたりして・・。
 そうそう、パール・バックの円谷監督印象記を紹介している方は、円谷プロ設立で東宝から独立したと思っているらしいです。

 短期間に幻の円谷特撮を二つも見てしまって、知恵熱が出そうです。
(ジジイには出ないよっ)

Re: Gone With the Wind! - エクセルシオール (男性)

2024/01/21 (Sun) 16:23:11

 BSテレ東で視聴いたしました。放送されたのはごく一部ですが、円谷英二監督が総力を挙げて制作したアトランタ炎上シーンの迫力が伝わってきました。このシーンを描く事が困難だったためそれまで『風と共に去りぬ』の舞台化が実現しなかったらしく、円谷特撮がそれを可能にした点はすごいと思います。優れた特撮と舞台化実現に力を尽くした菊田一夫さんの情熱が実現した偉業だったと思います。

 フィルムが劣化して色が無くなってしまったのは残念です。何とか色を復元できればいいのですが。

 なお、、帝国劇場は建物自体が芸術品だと思いました。建て直しのためもうすぐ解体されるのはもったいないと感じました。

Re: Gone With the Wind! 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/21 (Sun) 17:57:21

 エクセルシオールさんもご覧になれましたね。
良かったです。

 あれだけ劣化したフィルムをレストアできるものなのかどうか、いまのデジタルレストア技術は相当進んでいるみたいなので、
今後に期待したいです。

 帝国劇場もレストアして延命出来ればよかったのにと思います。

『ゴジラ-1.0』のモノクロ版が上映されます。 - エクセルシオール (男性)

2024/01/09 (Tue) 10:29:52

 現在でもロングラン上映が続いている『ゴジラ-1.0』ですが、1月12日よりそのモノクロ版である『ゴジラ-1.0/C』(ゴジラマイナスワン/マイナスカラー)が上映されます。単にモノクロ化したのみならず「新たな映画を創り上げるくらいの勢いで調整した」そうです。山崎監督曰く「ドキュメンタリーのような凄まじく恐ろしいゴジラ」が現れたのだとか。

 正直、あの映画の問題点は基礎設定部分から存在し、白黒にしたくらいで解消されるものではありません。わざわざモノクロ版を観に行く価値があるのかはかなり微妙と言わざるを得ないでしょう。
 

Re: 『ゴジラ-1.0』のモノクロ版が上映されます。 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/09 (Tue) 19:37:54

 モノクロ映像に合わせた画質調整(明暗の階調はカラー作品から色を抜いただけでは適切な白黒にはならない)を行ったのでしょうけれど、
シナリオも芝居もカメラワーク、カット割りもそのままで「ドキュメンタリーのよう」にはならないと思いますよ。

2023から2024 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/31 (Sun) 18:01:37

 みなさま、2023年もおかげさまでつつがなくこのBBSを続けることが出来ました。
ゴジラファンとしては『-1.0』に納得できず、モヤモヤを抱えて一年を終えるのが残念です。
それでもゴジラ映画の4Kソフトが本格的に発売され始めたのは喜ばしいことでした。

 ここでこの一年で見た映画の中から印象的なものをご紹介しようかと思い、
鑑賞リストを眺めてみましたら、ちょっと数が多すぎるのでひとつだけに絞ります。
で、いきなり映画じゃありません。

 中国のSFドラマ「三体」にはかなり刺激を受けました。
原作小説が大変な話題になっていましたが、恥ずかしいことに未読のままドラマを先に見ました。
 内容はごくごく簡単に言うと侵略テーマSFです。
しかしいままで読んだり見たりしてきた欧米や日本の侵略SFとはまるで趣が違いました。

「物理学は存在しない」という謎のメッセージを残して女性物理学者が自殺するところから始まります。
 主人公は応用物理学の科学者で、彼の身にも不可解な出来事が起こります。
筋運びが非常にスローで、事態がなかなか動かないことにもどかしさも感じましたが、劇中で語られる科学論など大変に理知的な発想が元になっているので飽きません。
 そして文化大革命時代のエピソードも絡んできて、個人の生き様が劇展開に大きく関係していることも素晴らしいです。
異星人が地球を狙うきっかけがどうして生まれたのか、に社会批判性を込めています。(と書いてもなんだかわからないですよね)
中国政府がよく黙認したなとまで思わせました。
全30話のうち20話を過ぎてから激しくSF性が高まります。
決してSF風の物語ではなく、ちゃんとSFでした。
ただし、原作小説三部作のうち第一部しかドラマ化していないので、ストーリーは宙ぶらりんのまま終わってしまいました。
続編に期待しています。

 てなところが2023年の総括かなぁ。
(いやほかにもいろいろあるんだけど)

 ここからは新年の挨拶に切り替え。
みなさま、あけおめ!
(気が早いね。でも明日挨拶投稿する余裕がなさそうなのでいまから書いちゃう)
 2024年はなんといっても『ゴジラvsコング』続編に期待です。
元祖ゴジラとは違う怪獣ではあるけれど、前作『vsコング』の仕上がりは見事な怪獣映画だったので、同じ監督が挑む続編には期待しないわけには行きません。
頼むぞ、アダム!
正式な邦題が『ゴジラxコング 新たなる帝国』になったとのことで、ミレニアムシリーズの「×」を使うんかい!
それでも、面白ければいいですよ。

 記事に貼り付けた年賀画像のタイトルは
「やんのか、コラァ」です。

 ではみなさま、2024年もどうぞよろしく!

Re: 2023から2024 - エクセルシオール (男性)

2024/01/03 (Wed) 11:16:26

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。新年早々、大災害や大事故が起こり、何となく新年を祝う感じではなくなっているのが悲しいですが。

>中国のSFドラマ「三体」にはかなり刺激を受けました。

 原作小説はヒューゴー賞(SF小説に関する権威ある賞)を受賞するなど非常に高く評価されています。ドラマ版に関しては、現時点では私は無料放送だった1話しか観ていないのですが、世界中の物理学者が謎の死を遂げていく不穏な展開、見えない危機に立ち向かう秘密組織、過去の時代で物語の鍵を握る人物がなぜ宇宙人からのメッセージを受信したのか、緻密なSF設定等、興味深い内容が盛り沢山でした。この作品はものすごいSF大河ドラマになるかもしれません。
 なお、現在の中国では文化大革命は公式にはほぼ全否定の対象なので、それをネタにした場合、黙認されやすくなると思われます。原作者もスタッフもその点はうまくやっているのではないでしょうか。

 以前少しだけ触れた事があったと記憶していますが、中国の特撮やアニメは近年長尺の進歩を見せています。一部は日本でも視聴できるようになりましたが(『魔道祖師』や『Re:STARS』(リ・スターズ)など)、未公開の作品もあり、一度観てみたいですね。『巨神戦撃隊』、『鎧甲勇士』、『巴啦啦小魔仙(バララシャオモーシェン)』等々、興味をそそる子ども向け作品も少なくないです。ちなみに変身ヒロインものの『巴啦啦小魔仙(バララシャオモーシェン)』は現在9作目が放送されているそうですが、このシリーズでは特撮実写で作られたものと、アニメで作られたもの、3DCGアニメで作られたものが混在してます。

 >2024年はなんといっても『ゴジラvsコング』続編に期待です。

 『ゴジラ―1.0』には心底うんざりさせられたので、そのモヤモヤをふきとばすような派手な内容になってほしいですね。レジェンダリー版にもいろいろと問題はありますが、道を踏み外していく一方の日本版よりはまだまともに「怪獣」をやっている感じがしますので。

 

Re: 2023から2024 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/03 (Wed) 19:31:54

 エクセルシオールさん、今年もよろしくお願いいたします!

 中国の特撮やアニメも相当花開いているんですね。
いっとき中国製武侠ドラマにはまっていましたが、その後の動きには疎いままでした。
 鑑賞可能なものを探ってみるのもいいかもしれません。

Re: 2023から2024 - エクセルシオール (男性)

2024/01/04 (Thu) 22:41:26

>鑑賞可能なものを探ってみるのもいいかもしれません。

 違法なものも少なくないと考えられるので、無条件にお勧めするのは少々はばかられるのですが、例として挙げた日本未公開の三作品は動画投稿サイトで一部は視聴可能です。公式に公開しているものもあるようなので、機会があればご覧ください。

 ただ、日本語字幕などはないものが大半です(あったとしても正確とは限らないので注意)。そのため中国語が堪能な方以外はストーリーの理解に限界がありますが、それでも雰囲気等は楽しめます。

Re: 2023から2024 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/06 (Sat) 17:53:53

いま、「巨神戦撃隊」を飛ばしながらざっとお試し見してみました。
 もー、ほぼ東映の戦隊ものじゃあーりませんか。
中国だなぁ。

Re: 2023から2024 - エクセルシオール (男性)

2024/01/06 (Sat) 19:59:05

 『巨神戦撃隊』。確かにスーパー戦隊みたいな話ですが、大抵の事は模倣から始まるものですし、また、「子どもが好むもの」というのは洋の東西を問わずある程度似通ってしまうものでもあるので、私は大らかに見ています(盗作ではないですし)。むしろ、まねされるという事は元の作品がすごいということでしょう(なお、中国の特撮作品では日本のスタッフが参加している事も少なくありません)。

 『鎧甲勇士』の方はもう少し独自性が高いそうです。ただ、そのために中国でも放送されている『ウルトラマン』などに人気では押され気味だったとも言われます。なかなか難しい話です。
 そして、『巴啦啦小魔仙(バララシャオモーシェン)』については、一説には「プリキュア」と「おジャ魔女どれみ」の中間くらいの作風だとか。この作品に関しては日本での放送を望む人は少なくないようです。

 ちなみに『巨神戦撃隊』ですが、4作目がなぜか実写からフルCGアニメになってしまい、特撮ファンをがっかりさせてしまったそうです。その気持ちはわかります。

Re: 2023から2024 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/07 (Sun) 17:35:45

『巨神戦撃隊』、否定的に捉えてはいないですよ。
臆面もない模倣が却って面白さに繋がっているように思います。
(あくまでも日本人が見れば、ということなんでしょうけれど)
 しかしフルCGアニメになってしまったのは残念ですね。

年賀状に書ききれないので - Lans (男性)

2024/01/03 (Wed) 00:30:34

ご無沙汰しております。そして明けましておめでとうございます。Lansです。

さて、-1.0について年賀状には書ききれませんのでw

1)US Godzillaを許容したLansとしては今回、ゴジラが倒されることは許容します。なぜならゴジラを倒すことを否定することは、初代ゴジラの否定に他ならないからです。ゴジラは倒される、しかし単純に倒すだけではダメだ。核の脅威も自然の崩壊も止められないというメッセージがあるからこそ、一度は倒されなければいけないのです。

2)しかしながら経緯にはいろいろと文句もあります。まずは民間の過剰な持ち上げ。民間人が力を合わせ戦う。これはとても良いのです。文句などあろうはずもありません。しかし、その陰で根気よく海外と戦った政府が全く描かれないどころか、逆に非難の対象になっているのが歯がゆいのです。

戦闘力を保持する重巡高雄をなぜ持ってこれたのか?
駆逐艦を4隻、さらに大和型主砲専用の46㎝砲弾などというものをどうやって持ち出したのか?
どうやって、旧海軍の元駆逐艦乗員が集まれたのでしょうか?

民間人だけで出来る訳ないでしょうが!復員局がGHQと必死の交渉をしたからでしょうが?そういった影の努力を批判対象にするような描き方には納得いかんです。

現実に、外地(南方、台湾、大陸)から多くの日本人が無事帰国できたのは、陰で復員局ががんばっていたのです。

2)雪風と響に機銃くらい持たせてやれよ。
特設掃海艇でさえ、機雷処理に軽機を載せていたんです。GHQから12.7㎜重機の数丁ぐらい横流しできるでしょう(ダメなら旧軍の機銃でOK)。それでゴジラの牽制が少しでも出来るはずです。そしてなにより【機銃を撃ちまくりながら突進する駆逐艦はかっこ良い】のです。せかっくの見どころ、あとひと演出欲しかった…

3)昼間の銀座はない
今回のゴジラは恐怖を前面に押し出しています。ならばなぜ真昼間の銀座にゴジラを出す?人は夜の闇と炎に原初の恐怖を抱きます。夜の闇に、破壊される町の炎に照らしだされるゴジラ。期待したのに…細かくCGで素晴らしいVFXが見れる?そんなのは見た目のインパクトに過ぎません。凄いだけで、恐怖の心は動きません。

恐怖の心を動くからこそ、必ずそれを乗り越える。つまりゴジラを倒す意味も強化されるのです。そこを忘れたら、ゴジラも倒され損です。

とはいえ、シン・ゴジラ「に比べればとても良いゴジラでした。モノクロ版が公開されたら、また観にいきますかね。

Re: 年賀状に書ききれないので 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/03 (Wed) 19:27:30

 お久しぶりです、Lansさん。ご投稿に感謝です!
案外『-1.0』は受け入れられたんですね。

 ゴジラ映画という枠組みで、元祖ゴジラの存在や設定を無視してもいいのかどうかが評価の分かれ目かと思います。
私はゴジラという怪獣は唯一無二であるべきだと思っているので、(初代の次に二代目が出てきましたが、同種の別個体ということで)
ヒクイチの怪獣をゴジラとは思えないのです。
 その立場からはあの怪獣が殺されてもさほどの痛痒も感じないことになります。

 ゴジラとはどんな怪獣であるかと考えたとき、初代ゴジラが基本になりますし『ゴジラ』でのストーリーを引き受けた上で考えています。
そしてゴジラは水爆でも死なない生き物とされ、それを倒し得たのが芹沢+オキシジェンデストロイヤーだけであったことに映画『ゴジラ』のキモがあるのですから、
ゴジラが殺されるストーリーは『ゴジラ』一本で十分だと考えています。
 元祖シリーズでも、その後ゴジラを封じ込めるストーリーはあっても殺すものは一つも無かったことから、当時の製作陣もゴジラはもはや殺せない存在であると考えていたのではないでしょうか?
そしてもしゴジラ殺しをもう一度やるとしたら、『ゴジラ』(54)以上の深いメッセージを込めなければなりません。
『-1.0』はその域には達していないと見ています。(いやーそもそも本来のゴジラとは別種の怪獣を使ってるもんなぁ)

Re: 年賀状に書ききれないので - Lans (男性)

2024/01/03 (Wed) 19:52:24

確かに今回のゴジラ撃破はやりすぎました。
致命傷(と思われるほどの大怪我)をさせて退けるであれば一番良かったと思うのです。

なお、G細胞ですが、扱いによっては続編でうまく機能させる可能性があると感じています。

1)典子はG細胞とDNAレベルの融合に成功したため生き延びたどころか、あそこまで驚異的な回復をした。
つまりゴジラとDNAを共有する娘として(もしくは巫女的扱い)が可能。

2)それは復活そたゴジラが庇護すべき対象(同族の縄張り意識ではなく、娘への縄張り譲渡)

※なお、旦那は正面からゴジラに突っ込んでいたので、それなりに自分に伍する個体としてゴジラが認識してもおかしくない。つまり娘の旦那として「娘が欲しくば俺を倒していけ」をクリアwww

3)ということで第二の怪獣が出現したとき、娘の呼び声に答え戦うお父さんが可能www

4)さて、次はオホーツク海のソ連軍の核実験でアンギラス登場を希望

5)ソ連軍を蹴散らし、北海道を横断し、太平洋に出るアンギラス、娘の縄張りを荒らす脅威に対し、相模湾で再確認されたゴジラ。太平洋九十九里に近づくアンギラス。

6)新生自衛隊は、旧軍の本土決戦における関東防衛構想を軸に展開(相模湾と九十九里に米軍が上陸すると予想し決戦体制を構築していました。計画を準備した原四郎は戦後も陸自関係者として残存)

7)その背後に蠢く、元旧軍参謀 服部卓四郎率いる服部機関(典子のG細胞の秘密を狙う。活動資金は言わずと知れたM資金w)
※なお服部機関は実在し、GHQと結託し日本の再軍備に動いていました。最終的に危険すぐるのでGHQから再軍備計画から排除されていますが、一部人員は自衛隊に残存

そんな中、ゴジラは相模湾から、アンギラスは九十九里に上陸。幻の本土決戦は現実となる!

とかやって欲しいなぁ(妄想

Re: 年賀状に書ききれないので - Lans (男性)

2024/01/03 (Wed) 19:56:56

なお、当時の本土決戦陣地は今でも現存しております。
なかなか強個な陣地帯が九十九里の海岸段丘沿いに構築されていました。

何度か、陸自の方と現地を回ったりしてますw

Re: 年賀状に書ききれないので 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/01/04 (Thu) 18:55:46

 果たして続編が作られるのかどうか。
いまの流れを見ると作る可能性は高いですね。

 ストーリーがどうなるか予想するのは難しいですが、
『-1.0』では意図的に排除したと思われる天下国家の政治問題に向き合って欲しいですし、
ヤツがゴジラかどうかを抜きにしても怪獣描写にはもっと繊細に神経を配って欲しいものです。
(行動の動機づけや感情表現を充実させて欲しい)

マタンゴ60周年! - 海軍大臣 (男性)

2023/12/28 (Thu) 07:35:45

 今年は「マタンゴ」公開60周年に当たっていましたね。年の瀬も押し詰まったこんな時期に何ですが、本作に関してちょっと気になることが一つ。

 題名にもなっている第三の生物・マタンゴのネーミングは、実在のキノコであるツチグリの地方名ママダンゴに由来するとされてきました。
 ところがフランス文学者P.メリメ(有名なビゼーのオペラ「カルメン」の原作小説を書いた人)の歴史小説に「タマンゴ」なる作品があるそうです。たまたま良く似た音韻の題名なのかとも思ったのですが、内容を調べて驚きました。

 ここで言う「タマンゴ」とは作品の主人公であるセネガル人男性の名前です。
 時は奴隷貿易が横行していた時代、フランスの奴隷輸送船に拉致されて本国へと輸送される途中だったアフリカ人たちが叛乱を起こし船を奪取します。念願の自由を勝ち取った彼らでしたが、しかし白人船長以下を全滅させてしまった為に操船方法が判らず、船は漂流することに。やがて食料が欠乏して仲間たちの結束はズタズタになり、裏切りや争いが頻発。結局、自分の妻までを犠牲にして主人公一人だけが生き残り、他の帆船に救助されて——というのが主な粗筋です。

 小説「闇の声」(最近じゃ「夜の声」)が映画「マタンゴ」へと変遷していく際、このメリメの作品タイトルが影響を与えている可能性は大きいのじゃないかと勝手ながら推測しています。本来ならば関係者への聞き取り調査が望まれるのですが、いずれも鬼籍に入られてしまい、何とも消化不良な思いでなりません。

Re: マタンゴ60周年! 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/28 (Thu) 17:25:40

 なんとも興味深いお話です。
くだんの「タマンゴ」の内容に『マタンゴ』に通じるものがあるのが大いに引っかかります。

 メリメといえば私でも名前だけは知っていたほどの人なので、
『マタンゴ』製作陣(とくに福島正実さんあたり?)が「タマンゴ」を読んでいた可能性はあると思います。

 ちなみに大昔の「SFマガジン」の記事によると、
『マタンゴ』に関して星新一さんは何もしていないそーです。

Re: マタンゴ60周年! - 海軍大臣 (男性)

2023/12/28 (Thu) 21:49:49

 星先生はスタッフの中に名前こそ残されていますが、製作陣と意見が合わず、「もう二度と映画の仕事には関わらない!」とフンガイされていたとか…。飽くまで娯楽としてのSF映画を求める東宝サイドと、黎明期の日本SF文壇の地位の底上げを目論んでおられた作家の方とでは、どうしても同床異夢に終わってしまったのでしょうね。
 この日本SF文壇のコンプレックスを20年以上経たあとになってから、そのまま引き写したのが「さよならジュピター」だったのじゃないかと…

Re: マタンゴ60周年! 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/29 (Fri) 19:53:38

 星さんと『マタンゴ』は決裂状態だったんですね。
それなのに名前を使われてしまって一層ご立腹だったでしょう・・。

 そして、『さよならジュピター』!
なにがどうしてあんな仕上がりになったのか。
東宝サイドにもSF界側にも言い分はあるのでしょうけれど、
製作状況を固唾をのんで見守っていた一ファンの立場からは、期待が大きかっただけに落胆も多大でした・・。

電気を大切にね!(いや、ちがう) - 海軍大臣 (男性)

2023/12/18 (Mon) 00:45:38

 このところ家人の容体が落ち着いてきたので、先日ようやく「ヒクイチ」を観てきました。問題点は皆様が述べられた通りだと思いましたが、個人的に非常に気になる点が一つ。

 先に自分のXでも書いたことながら、映画冒頭、大戸島の日本兵が小ゴジラの襲撃を受けるシークエンスで、分遣隊の連中が夜間に警報が鳴っているのに誰一人宿舎(ピスト?)の電灯を消さないのはどうしたことなのでしょう? 
 後の台詞では「飛び石作戦の圏外」だったとの説明こそありますが、画面で見た限りでは滑走路一面に弾痕が穿かれていることから、それなりに米軍からの攻撃は続いている様に受け取れます。ですから、ああした体たらくでは小ゴジラの上陸が無くても、嫌がらせの神経爆撃に来た敵機から「恰好の標的」にされて全員が靖国行きになっても当然、といった悠長さに見えてしまうのです。
 生き残った橘なる人物から「アイツらだって生きて帰りたかった!」と力説されたところで、部下に灯火管制を徹底させるよう指導もできない先任下士官の勝手な泣き言にしか聞こえません。あの訴えは、橘が部下たちを無事に生き残らせることに十全を尽くしていなければ絶対に響かない言い分です。たしかに劇中での整備兵全滅は主人公の逡巡が招いた悲劇ではありますが、あの演出のミスによって、先任下士官が普段から職務を全うしていたとは決して思えない状況が垣間見られてしまうのです。重箱の隅を突くような指摘かもしれませんが、以後のストーリーの展開を考えると看過できない問題だと思います。

 また、サイレン吹鳴と同時に整備兵たちが電灯を消すなり黒いカバーで覆うなりの描写が為されていたなら、「軍隊生活」「戦時下」といった非日常性を観客により強く感じ取らせることも出来た訳なのですから、重ね重ね演出の不手際さが悔やまれます。やはり本多監督や喜八監督が撮っていた時代とは違ってしまったのですね。

 加えて全般を通じて感じたのが「台詞が整理し切れていない」といった印象でした。
 SNSなどでは「演出に自信が無い為か、やたらと台詞で説明している」との言葉が囁かれていましたが、更に言ってしまうと、作り手側はそうした台詞の持つ「言葉の力」自体さえ信じ切れていないの様に受け取れてしまいました。

 例えば前半での浜辺美波の台詞「私に亭主が居るように見えます?」などは「私が亭主持ちに見えます?」で通用する訳ですし、後半の戦場神経症(?)を再発した神木隆之介の「本当の自分はとっくにあの島で死んでいて、朽ち果てていて——」のくだりも「本当の自分はとっくに島で骨になっていて——」程度の表現でも十分観客は理解してくれる筈かと。それを噛んで含めるような表現の羅列によって必要以上に説明口調なものにしてしまっているのが、本作の欠点の一つだと受け取れました。まだまだブラッシュアップの余地はタップリ残っていると感じます。


 その他、軍事考証的な面での突っ込みどころも目には付きますが、上記の問題に比べてしまうと「些事」にしか思えないので割愛します。ただ、海神作戦成功後に登場人物たちが一斉に敬礼をする部分に関して、知人が「あの連中、戦時下ではみんな軍隊に居たのだから、やっぱりあの場面では万歳三唱だろ!」と云っていたのは実に的確な意見だったかと。

 などと書いていたところ、薩摩剣八郎さんの訃報が飛び込んできました。日本製のゴジラ作品が良くも悪くも話題を賑わせている折も折とあって、何とも複雑な思いに捉われてしまいました。謹んで御冥福をお祈りさせていただきます。

Re: 電気を大切にね!(いや、ちがう) 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/18 (Mon) 18:36:41

 とうとうご覧になってしまいましたね。
 これもロングランのお陰・・・。(喜ばしいのか??)

 監督さんは『~のO』だの『アルキメデスの~』だの海軍がらみの映画を担当してきて、
その道の専門家みたいな扱いをしている記事も目にしました。
 しかし私が『-1.0』(ヒクイチ)から受けた印象は、『ハワイ・マレー沖海戦』・・と比べるのは酷としても『太平洋の鷲』や『太平洋の嵐』といった戦後戦争映画から感じられるものとは全く違って、
なにか非常に表面的なものと感じられました。

 もちろん戦後世代が作るのですから、どうしてもウソっぽくなるのは仕方の無いことというのはわかります。
けれども戦場で兵士がどう振る舞うのかとか、戦中(そして戦後)の日本人がどんなメンタリティだったのかということは資料に当たることでもっと精度を上げられたと思うのです。
それこそ戦中や戦後すぐの戦争映画を渉猟することでも勘が掴めるでしょう。
兵器マニアっぷりを示されても、それがリアリティに繋がるわけではありません。

 台詞が煮詰め切れていないのも、人物造型の浅さに繋がる問題に思えます。
(俳優さんたちは誠実に演じていたとは思いますが)

 ラストの敬礼、11月13日のなんじぇいさんからの情報によると、
なんと怪獣に対してのものだったとのことで、
倒して万歳ではなく、殺してごめんの意とでも言うべきものらしいです。
 そんな感情をあの映画からどうやって読み取れば良いのでしょうか。

Re: 電気を大切にね!(いや、ちがう) - 海軍大臣 (男性)

2023/12/18 (Mon) 22:06:48

 台詞のことで思い出したのですけど、作品前半で敷島の両親のことを訊ねられた隣りのオバチャンが「うちの子どもたちと同じ運命さ」などと云いますよね。何か三丁目の茶川さんが書いた売れない小説みたいな文学的表現だなぁとか思っていましたが、もしかしてあれって第一作ゴジラの台詞のパロディだったのですかね? もし、そうならば如何いった魂胆なのか理解できませんし、偶然なのだとしたらワードセンスを疑ってしまいます。

Re: 電気を大切にね!(いや、ちがう) 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/19 (Tue) 18:32:38

 んー、まさか一作目『ゴジラ』のパロディ台詞ではないでしょう・・。
シチュエーションが違いすぎますよね。
 ヒクイチだけの話ではなく、最近の映画にはちらほらと変な台詞が出てきます。
登場人物が発する自然な言葉には聞こえない、妙に修辞的で小洒落た言い回しや、
書き言葉のように整った言い回しの台詞をしゃべるものがあるようです。
 そんな芝居を見ると登場人物が作り物に見えてきます。
劇中の人間にはそれぞれ意思・個性があるはずで、作り手の操り人形じゃダメですよ。
それと、良い台詞というのはカッコいい言い回しのことではありません!

Re: 電気を大切にね!(いや、ちがう) - 海軍大臣 (男性)

2023/12/20 (Wed) 06:59:52

 全然別の案件なんですが、「ヒクイチ」での都心大破壊の場面で気付いたこと。

 ゴジラの熱線で大爆発が起こり、美波ちゃんが吹き飛ばされた直後、爆風の「吹き戻り」がキチンと映像化されていましたね。
 核爆発などの強大な爆発が起きると、爆心附近の気圧が一気に低下するので、外方向へ向かっていた爆風が今度は爆心地に向けて逆流するとされるもの。おそらく核実験の記録フィルム(「太陽を盗んでいた男」でも使われていました)を参考にしたのでしょうね。

 ですから爆発が治まった直後に神木君が美波ちゃんを探そうとしていましたけど、実は逆方向の爆心側へ吸い戻されてうたのじゃないかと。
 いやまあ、どうでもイイことかもしれませんが。

Re: 電気を大切にね!(いや、ちがう) 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/20 (Wed) 18:42:55

 そうそう、吹き戻し、やってましたね。
風向きが変わる瞬間をちゃんと見せていればもっと伝わりやすかったのに、と思いました。

薩摩剣八郎さん - なんじぇい (?)

2023/12/16 (Sat) 20:14:38

今朝亡くなられたそうです。
VSゴジラの演技を担当されていましたが、初期から末期までどんどん上手くなっていったと思っています。
慎んでご冥福をお祈りします。

https://twitter.com/Televi_Kun/status/1735957639065137578?s=19

Re: 薩摩剣八郎さん 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/17 (Sun) 15:12:41

 薩摩剣八郎さんのゴジラは武闘派のイメージで人気を高めたものと思います。
 川北監督、大森監督も逝去され、平成VSシリーズすら忘れ去られてしまうのか、と寂しくて仕方ありません。
 76歳とは早すぎますよ。

 VSシリーズには批判的なことを書くことが多い私ですが、
薩摩ゴジラの佇まいが嫌いなわけではありません。
 ゴジラの個体差として受け入れられます。

 ガイガンもよかった!

 どうもありがとうございました。

 ご冥福をお祈りいたします。

Re: 薩摩剣八郎さん - K4 (?)

2023/12/17 (Sun) 15:54:03

ゴジラが時代を超えて、長く愛されるバトンを繋いだ功績は多大なものであったと思います。
ありがとうございました。
謹んでご冥福をお祈りします。

Re: 薩摩剣八郎さん - エクセルシオール (男性)

2023/12/17 (Sun) 17:38:13

 ゴジラのスーツアクターとしては中島春雄さんに次ぐ功績があった方でした。最初はヘドラから始まりガイガンを経て、その後はゴジラを長く演じられておられました。強く迫力のあるゴジラが印象に残っています。プルガサリもよかったです。

 ゴジラが着ぐるみを捨てCGのみに頼ろうとする傾向が強まる中、薩摩さんの死は一時代の終わりを感じさせます。

 謹んでご冥福をお祈りいたします。

Aサイクル光線 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/10 (Sun) 17:22:22

 ゴジラ映画4Kソフトを順番に見て行っております。
特典映像は既出のものもこの機会に丁寧に見ています。
(いくつか発見あり)

 今回は特典映像ではなく、本編に映っているもののお話です。
すでに気がついていた方もいらっしゃるかもしれません。

『怪獣大戦争』は細かいところにも科学考証が行き届いているSF映画の名作と評価しています。
その説明にはあまり手間をかけていないので、見方によっては設定のいい加減な緩いSFに見えてしまう恨みもあります。
例えば、X星探査をする富士とグレンが紐靴を履いていることをリアルじゃないと見る向きもあるでしょう。
けれど、X星には大気があり、それはリモートセンシング探査(地球からの観測)で判明することです。
呼吸のための酸素濃度はヘルメットで保証されるはずで、完全な気密宇宙服の必要が無ければそこまでの装備を持って行かないのも当然と思われます。

 それでも以前から設定に無理があるんじゃないかと思っていたのが、Aサイクル光線です。

 電磁波を遮る能力を持った光線ですが、電磁波を光線(電磁波)で遮断することが出来るとは思えませんでした。
 電磁波同士は干渉しないので、電磁波に対して直交する方向で光線(別の電磁波)を当ててもどうにもならないだろうと思っていました。

 ところが、今回4Kソフトを見ていて、Aサイクル光線開発のアイディアを思いつくシーンに出てくる研究資料ファイルの表紙に書かれていた文言が気になりました。
 そこで見終わってからそのカット(ファイルが一瞬画面いっぱいにアップになります)を静止画でじっくり見直すと・・・。

 そこには
「A空間電磁界の実験報告  電磁波に対するAサイクルの影響 科学技術庁宇宙局電磁波研究室」
とあります。

 A空間てなんだっ!
 どうも我々が感知する3次元空間の話ではなさそうです。

 テレビの科学番組で見た話で、重力波は3次元空間だけでなく、より高次の空間次元にも広がっているとか。
電磁波にも同じような性質が考えられなくもないのでは?
そしてAサイクル光線がA空間において電磁波に影響を及ぼすことが出来るという発想か??

 なんて想像してしまいました。
 本多猪四郎監督は科学雑誌を愛読していたとのことなので、仮説であれ当時最新の科学知識を援用していた可能性はあると思われます。

Re: Aサイクル光線 - なんじぇい (?)

2023/12/10 (Sun) 18:23:39

よく東宝特撮で変だと言われていた、『宇宙大戦争』の「超低温にしたら浮く」を思い出しました。
当時はあれが有力な説だったのかどうかは分からないですが……

Re: Aサイクル光線 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/11 (Mon) 18:44:04

 いい話に繋がりました。

『宇宙大戦争』で「引力の起源は核振動であります」と言われたときにはびっくりしたものです。
 そんな説は聞いたことがないぞ、と。相対性理論以前の仮説か?なんて。

それが・・・。
書籍「東宝SF特撮映画シリーズVOL.5キングコング対ゴジラ/地球防衛軍」に収録されている丘美丈二郎インタビューによると、
朝日新聞の科学欄に、ものを冷やしていくと、絶対零度近くなって急に質量がなくなる、という記事が載っていたので、『宇宙大戦争』でそれを利用してみたとのことです。
 丘美丈二郎さんは東京大学工学部航空学科卒のばりばり理工系で、『宇宙大戦争』の原案に関わっていらっしゃいます。

 いまネットサーチしてみたら、ルビジウム原子を極低温状態で「ラマンレーザーによりスピン軌道相互作用を引き起こすこと」(なんのことやらわかりません)で、「負の有効質量」を持つ流体の生成に成功した、
という記事を見つけました。
 極低温で質量に何かが起こることもあるんですね。
https://wired.jp/2017/06/26/negative_mass/
 かなり難しい話で、物理の専門家でないと理解できない感じです。
質量に有効質量と慣性質量という区別があることも知りませんでした。

ゴジラ×コング予告編 - なんじぇい (?)

2023/12/04 (Mon) 14:58:02

とりあえず、ゴジラがすごい走り方をしています。
背鰭はミレゴジみたいになってます。
敵も味方も巨大な猿なのはどう演出するのか気になります。

https://youtu.be/lV1OOlGwExM?si=ZZP2UHim2AROQ-Y8

Re: ゴジラ×コング予告編 - K4 (?)

2023/12/04 (Mon) 18:37:47

なんとなく、ですけどハリウッドのスタッフの方が昭和ゴジラが好きなんじゃないかなって思いました。
幼少期にケーブルテレビでゴジラを観た人は多いとかインタビューでよく見るし。
今回はもともとはSon of Kongという企画だったと記憶してますが、南海ならぬ地下空洞でのコングの息子といったところ?
ゴジラとコングもすっかり相棒っぽくなってきてるし。
おいゴジラ、偵察に行ってこい、とはならないでしょうが、怪獣同士が敵対した後、共通の目的から仲間になってもいいじゃないか。
おそらく、2作、3作、4作と世界観を続けているからこそ出来る事だと思います。
今の日本のゴジラは各監督がバトンを渡す気が無さ過ぎる。

Re: ゴジラ×コング予告編 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/04 (Mon) 19:01:00

 どうもどうも。

 いよいよ来年ですね。
前作も予告編の段階ではかなり不安感が勝っていましたが、作品を見るとかなり面白いものになっていたので期待して待ちましょう。

 今度の敵はコングベリアル?なんて思ってしまいました。
それから「赤く」なったことに理由はあるのか?
なんて。

 一点気になったのは、走るカットもそうですが、コングが落下するカットなど、
サイズに対して重力加速度が大きすぎないか?と。
 怪獣が小さく見えませんか?

『キング・コング』も続編『コングの復讐』には子供コングが出てきたのでそのオマージュもやる感じですね。

 そして改めて思うのは、やっぱりマイナゴジラはレジェンダリーゴジラから強く影響されてますね。
 腕の構え方とか・・。

Re: ゴジラ×コング予告編 - 海軍大臣 (男性)

2023/12/05 (Tue) 07:19:33

>そして改めて思うのは、やっぱりマイナゴジラはレジェンダリーゴジラから強く影響されてますね。

 仰られる通り、咆哮する際に相手を威嚇するようにグッと首を突き出す動きが加わっている辺りは、レジェ・ゴジを意識していますね。個人的には恐竜っぽい感じが強くて、イマイチ好きになれませんけど。

 あと下馬評として、対戦相手が「色違いの巨猿」というのはインパクトが薄く、また前作でのメカゴジラ登場の件りと併せて考えても、もっとトンデモナイ隠し玉がラスボスとして登場するのじゃないか、などと囁かれているみたいです。

Re: ゴジラ×コング予告編 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/05 (Tue) 18:22:08

 マイナゴジラ、アメリカでもヒットというのは、
レジェ・ゴジと比べたときにそんなに違和感がないというのが奏効しているのかも。

>もっとトンデモナイ隠し玉がラスボスとして登場するのじゃないか

 あり得ますね。
 トンデモナイというほどでもないかもしれませんが、
アメリカギドラのその後が気になります。
多くの人が前作に登場したギドラ頭蓋骨を『KOM』のラストに出てきたものと考えているみたいです。
けれど、あれはメキシコ湾(だったっけ)に沈んでいたものをテロリストが買い上げたわけで、『ゴジラvsコング』に登場したのは、ほかの頭じゃないかと思っています。
 怪獣テロリストが買ったギドラヘッドは手つかずではないのか??
 再生能力のあるアメリカギドラですから、頭一つから全身が復活するかも。
 まあ、アメリカギドラが再登場してもなぁ、と思いますが、
ウィンガード氏ならカッコいいギドラとして描き直してくれるかも、なんて期待します。

大ヒットらしい - なんじぇい (?)

2023/11/06 (Mon) 22:18:48

映画『ゴジラ-1.0』、公開3日間で興行収入10億円突破 『シン・ゴジラ』超えの大ヒットスタート
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3755f47ef97ac414cc446157a6b00670d7d2e53

祝日スタートなのもあるでしょうが、50億は確実に超える勢いだそうです(シン・ゴジラは初動は大したことなかったがその後息が長く累計で伸び続けた)。

なんにせよレジェンダリーゴジラの倍以上売れることは間違いなく(ゴジラvsコングが19億)、これでゴジラの上書きがまた起きてしまいそうです。
人造生物ではなく核由来なのでシン・ゴジラよりは元祖ゴジラにはたぶん近い為、空しいですが喜ぶべきなんでしょうか。

ちなみに自分としては、シン・ゴジラより更に評価は低いです。

Re: 大ヒットらしい 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/11/07 (Tue) 18:16:31

『-1.0』はわかりやすい「感動物語」ですしね。
 怪獣に「夢」を賭けている人は少数派でしょうから、怪獣が脇に押しやられていることは問題にならないのかもしれません。
主役が苦悩しつつも、仲間や〝家族〟の見守りで怨讐も乗り越えて立ち直る、という形式があれば感動する人は感動するんでしょう。
(『大怪獣のあとしまつ』が『-1.0』のような内容だったらまだ許せた)

 それでも監督が『シン~』のような信者のいる人ではないので、最終的な興行成績では勝てないかもしれませんよ。

 怪獣そのものの設定や描き方はちんごじらよりは良かったと思います。
けれど、ゴジラ映画として考えるときに『シン~』との比較は避けるつもりなので、マイナゴジラ、ぜんぜん誉められません。

Re: 大ヒットらしい - なんじぇい (?)

2023/12/03 (Sun) 05:23:20

https://twitter.com/eigarankingnews/status/1730998952009572780?s=19

マイナスワン、アメリカでもヒットが確実になりました。
『シン・ゴジラ』みたいな日本だけのヒットにはならなさそうです。

Re: 大ヒットらしい 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/03 (Sun) 15:12:24

 いやはや、です。
 儲ければ正義になってしまうんでしょうか。

『マタンゴ』60周年 - エクセルシオール (男性)

2023/12/01 (Fri) 22:05:32

 あまり話題になっていませんが、今年は東宝特撮映画史上トラウマ映画ナンバー1とも言われているSFホラー映画『マタンゴ』公開から60周年(暦年)となります。単なる怪物がもたらす恐怖のみならず、登場人物たちの行動を通じて人間の醜悪さをクローズアップしたストーリーは秀逸であり、非常によくできた作品だったと思います(後味は悪いけど)。

 都会ではまあ「セレブ」「名士」といってよい若者たちが、嵐に巻き込まれ鳥すら避けて通る孤島で想像を絶する恐怖に見舞われる。迫りくるキノコの怪物、キノコを食べてしまえば人間もマタンゴになってしまう展開、危機的状況でも醜く争いあう人々等々、極限状態で展開されるまことに恐ろしい物語でした。
 多分『マタンゴ』に比肩しうる作品があるとすれば松竹の『吸血鬼ゴケミドロ』だけだと思います。

 唯一脱出に成功した主人公・村井ですが、文明社会に戻ってみれば狂人扱いされ精神病院に閉じ込められてしまいます。彼の「あの島でキノコになって生きた方が幸せだった」という言葉が胸に刺さります。なお、一切れもキノコを食わなかったはずの村井ですが、彼もまたマタンゴになりかけている事が最後に分かります。村井は「食べてない」と言い張っていたが本当は口にしていたのか、それとも食べなくても胞子等でマタンゴは増殖するものだったのか、何とも意味深なラストでした。

 なお、比較的最近『マタンゴ』は東宝公認で続編となる小説が書かれています。『マタンゴ 最後の逆襲』という作品なのですが、私の記憶によればマタンゴをめぐる国家的陰謀を主軸にした話であり、何だかピントのずれた小説でした。

 余談ですが、昨今は「○○周年」という時に暦年と数え年が混在して何とも分かりにくいことになっています。『ゴジラ対メガロ』50周年とか『マタンゴ』60周年は暦年ですが、『ゴジラ-1.0』が「ゴジラ映画70周年記念作品」と評される時は数え年です(暦年なら70周年は2024年になるはず)。何とかならないものかと思います。

Re: 『マタンゴ』60周年 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/02 (Sat) 17:47:18

 おお、そうでした。
マタンゴ還暦おめでとう!!

 あのラスト、わかりやすい解釈は、彼もまた実はマタンゴを食べていたのだ、と考えて、高潔な人間なんかいないというメッセージと受け取ると筋が通ります。
しかし、どうも私には彼がマタンゴを食べたとは思えません。
 人間に対する希望を捨てたくないというか、自分がぜんぜん高潔ではないので、せめてフィクションの中では立派な人を見せて欲しいと願う気持ちがあります。
聞けば、本多猪四郎監督は本当にまっすぐで正直な立派な人だったということです。
 それを考えると、欲にまみれた現実社会で本多監督は居心地の悪さを感じていたのではないかと想像できます。
欲望や利己心の結果マタンゴになってしまった人々に囲まれながら、ただ一人人間であり続けた村井は本多猪四郎監督の分身だったのではないかと思うところがあります。

 そんな村井が日本に帰ってきて、人間が暮らす社会もマタンゴの島と同じような場所(欲に支配された世界)だと悟った結果、見た目は人間でも精神がマタンゴ怪人と同じ人々(『マタンゴ』に出てくる医者たちのなんとも言えない胡散臭さ!)の中で、
村井は人間の姿でいられず、マタンゴ化せざるを得なかった(そこに合理的な説明はない)のではないか、との解釈もありうるだろうと思っています。
これもまた大変な悲劇ではあります。

 ノベライズ版では、村井はマタンゴを最後まで食べなかったけれど、島から逃げ出すとき、マタンゴのかけらや汁が口に入り込んでしまったことになっていたように覚えています。

『マタンゴ』のラストもまた複数の解釈を受け入れる懐の深さがありますね。

 マタンゴ還暦ということは、轟天号もマンダも還暦だ!
メガロやジェットジャガーの50周年で沸いているばやいじゃないや。

Re: 『マタンゴ』60周年 - 海軍大臣 (男性)

2023/12/02 (Sat) 21:40:22

『マタンゴ』の登場人物の何人かには実はモデルになった人物がいるとの話が伝わっていて、あんなクセのある連中の元となった人間が実在していたのか!とビックリさせられたことがありました。
 たしかに黄金期の東宝特撮路線では異色中の異色のストーリー(未見ながら初稿はラストが違うそうで)だったかと思います。
 以前に書いたかもしれませんが、精神病院の患者が体験を語るがラストでどんでん返しがある、と云った展開は、夢野久作の短編小説(たしか「キチガヒ地獄」だったか)を思わせる部分があります。実のところ他にも「斜坑」という短編では炭坑内の事故で記憶を失った工夫が或る切っ掛けで全てを思い出して——といった「ラドン」に類似した筋立てがあって、あの時期の脚本家が夢野作品から被った影響というのも、改めて考察してみるのも大事じゃないかと考えます。

 余談ですが学生時代によくツルんでいた特撮仲間の先輩がマタンゴ中毒で、その人物は三つか四つの頃、近所のお兄さんに連れられて場末のコヤで「マタンゴ」を観てしまい、しかも折悪しく同時上映のポルノまがいの作品の記憶と混淆した妖しいイメージがトラウマみたいに纏わりついたまま成人を迎えてしまったという、稀有な幼児体験を持っておられました。84年の夏だったか、初めて本作がソフト化された時などは、うっかり遊びに行ったら一晩中ヘビロテで「マタンゴ」を見せられてしまい、こっちまでキノコになりかけた気分を味わった次第でした。

大物クリエーターでゴジラを任せられる人物は? - なんじぇい (?)

2023/11/30 (Thu) 13:19:26

昔に似たような質問をしたこともありましたが、あの頃から大森一樹さんが亡くなったり、東宝が思ったよりずっと有名クリエーターに固執している(恐らくこの方針は変わらないでしょう)など環境も変化しているので、改めて提起させていただきました。

有名クリエーターなら誰がいいか皆さんの意見をお聞きしたいです。
身も蓋もないことを言えば、「アダム・ウィンガード氏」になりそうな気配もしますが……
ただ、今の『ウルトラマンブレーザー』が今までと比べたら結構面白いので、田口清隆監督ならある程度の作品を作りそうな気配はしています。

余談ですが、山崎監督は『ゴジラ-1.0』の続きを作りたいみたいです。アンギラスでも出すのかもしれませんが、もしかしたらマイナスワンシリーズになるかもしれません。

Re: 君たちはどうゴジラを撮るのか - K4 (?)

2023/11/30 (Thu) 23:26:18

宮崎駿 氏
富野由悠季 氏
冗談に聞こえるかもしれませんが、くしくも1941年生まれの両名はリアルタイムでゴジラを観ていて、そして今も現役で仕事をされてます。
近年、説教臭いと言う評価も多いですが、公開、放送時から時間が経つにつれ再評価される事も多い、実は常に時代を先取りしている2人が今この時代にゴジラを描くならどう描くかは気になります。
やはり、1954年の時代を描くのか、あえて202x年の今を描くのか?
とはいえ、年齢的にも現実には新作を作るのは難しいと思います。
ただシンゴジラ、ー1.0はどう感じたかは聞いてみたい気はします。
何かヒントがありそうな気がするのです。


Re: 君たちはどうゴジラを撮るのか - なんじぇい (?)

2023/12/01 (Fri) 14:14:25

富野監督がシン・ゴジラに言及した箇所はあります。
100点中60点だそうです。
https://type-r.hatenablog.com/entry/20171122

Re: 大物クリエーターでゴジラを任せられる人物は? - 海軍大臣 (男性)

2023/12/01 (Fri) 16:47:16

 以前にも書き込んだことがあったかと思いますが、個人的には原恵一監督のゴジラが見てみたいと思っています。これまでの監督作品を観る限りでは、キチンと人間ドラマを描ける力量もあるし、加えて御自身のゴジラ愛もハンパ無いほどお強い様子が伺えて、実に適材じゃないかと思っています。 
 また、これも私の勝手な妄想ですが、今回のマイナゴジラ(一部のファンは「ヒクイチ」とも呼んでいますね)が戦後間もない頃を舞台にしていたように、必ずしも現代でなくても良いのなら、「メカゴジラの逆襲」の一年後ぐらいの時期を舞台にした昭和ゴジラの続き(何も「メカ逆」のガチガチの続編じゃなくてよいので、それまでみたいなシリーズとしての緩い繋がりといった感じで)をやって欲しい気がします。

Re: 大物クリエーターでゴジラを任せられる人物は? 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/12/01 (Fri) 18:39:46

 うーーーん。
以前、類似のご質問があったときには、人間心理を大事にする監督ということで沖田修一氏の名前を挙げたのですが・・・。

 有名・大物クリエーターとなると、さてどなたが適任なのか。
有名クリエーター枠で幾人か考えてみましたが、どうも不安な人ばかり・・・。
(ここで名前を挙げると否定論を書く羽目になるのでそこは伏せます)
 上手いなと思う若手監督もいますが、怪獣スペクタクルのセンスがあるのかどうかは未知数だし、有名クリエーターとは言えませんね。

 たしか松竹がギララを復活させようと画策したとき、(別企画でふがいない復活はしました)井筒和幸監督が関わっていたとか。
尖った作風の井筒監督がゴジラを撮るとどうなるのかには興味があります。

 井筒さんがどうなのかはわかりませんが、ゴジラを改変せず原典を大事にする姿勢を持つ人でないと結局は俺様ゴジラを作るだけだろうなとも思います。
(有名クリエーターはえてして我が強い。原恵一さんははたして・・・)

 私としては、有名であるとかヒット作があるとかの理由で人選するのはやめて欲しいです。
 ゴジラに対する理解の深さを問題にして欲しいですし、それはゴジラ戦略会議の姿勢にも関わります。
ゴジラは先人が作り上げたものですから、それを受け継ぐとはどういうことなのかを掘り下げて考えて欲しいものです。
 商売の観点からは正解でも「表現」として間違っていないかと考えてもらいたい。
 クリエーターであるなら、創造のためのアイディアがどれほど大事かがわかるはず。
先達が確立した創造物を改変することは、その先達のアイディアを反故にすることであると知ってほしい。
さらに付け加えると、昔からいる有名キャラクターがもう時代に合わないと考えるなら、名前だけ使って改変するのではなく、時代に合った新キャラを生み出すべきなのですよ。
そして、ゴジラが時代遅れとは思いません。(科学が幅をきかせる現代にこそ有効なキャラクターである)

 しまった、お題から離れてしまいました。

私はゴジラを見たい 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/11/25 (Sat) 16:59:57

 しばらく『-1.0』の内容面について書いてきたので、ここで再びゴジラに立ち帰ります。
このBBSを昔からお読みくださっている方には耳にタコの話になりますが、大事な話は繰り返します。

 私が抱える長年の疑問は、どうしてゴジラの名前で別の怪獣を作るのかということです。
ゴジラという名前は特定の怪獣に付けられたものであるはず。
 初登場でゴジラと共演しているアンギラスはともかく、ラドンに対して空飛ぶゴジラとは呼ばなかったわけです。
(ものすごく当たり前の話を書いてます)

 1984年に基本設定を改変したことが遠因かと思いますが、『ゴジラモスラキングギドラ大怪獣総攻撃』が生き物ですらないゴジラを登場させたことでなんでもありになってしまったようです。
機龍二部作やファイナルウォーズにはまだ影響が出ていませんが、「シン」以降の「ゴジラ」たちはそれぞれが作りたいストーリーに合わせて勝手に創造した怪獣にゴジラと名付けています。
『大怪獣総攻撃』と同じ手法です。

 なぜこんなことになるのか。
ひとつには東宝のゴジラ戦略が、ゴジラのみをスター扱いにしていることで主役怪獣がゴジラでなければならないとでも言うような無自覚の縛りを作っているためではないでしょうか。
 元祖ゴジラシリーズにおいては複数の怪獣それぞれがスターであり、そのトップがゴジラであるという扱いでした。
もともとゴジラシリーズなどという映画群はなかったのであり、別個に作られた特撮映画の怪獣たちを統合していったのですから。
ところがいつからかゴジラのみをスター扱いする動きが始まります。モスラは例外としてもそれ以外の怪獣はゴジラの噛ませ犬扱い。(『vsメカゴジラ』でのラドンは少し違う扱いでしたが、改変が酷い)

 もうひとつはゴジラファンの少なからずが、ゴジラと名付けられているだけでゴジラだと思ってしまうこともありそうです。
東宝がゴジラと言えばゴジラなんだという意見を耳にしたこともあります。
ゴジラという名前が好きなのでしょうか? 怪獣ゴジラの個性が変更されても構わないというのでは、ゴジラが好きな理由がわかりません。

 ゴジラには強烈な個性がありました。
姿形はもちろん、は虫類と哺乳類の中間であるとか水爆でも死なないとか。
とくに水爆でも死なないというのは重要です。
一作目『ゴジラ』においては、水爆でも殺せないことが人類には殺せないことを意味し、水爆を超える破壊兵器(技術)としてオキシジェンデストロイヤーが登場することで映画全体のテーマを表現します。
オキシジェンデストロイヤーが体現するのは科学技術がいつか到達するかもしれない極致です。
オキシジェンデストロイヤーは理論の積み重ねから生み出されたものではなく、酸素をあらゆる角度から研究していた芹沢が「偶然」発見したものです。
発見された方法を使えば誰でも何度でも作用させることが出来るので、魔法ではなく科学技術であると言えます。(修行の必要は無い)
劇中世界においてオキシジェンデストロイヤーの作動原理はいつか解明されることがあるかもしれませんが、「偶然」見つけたことに注目すれば、作り手の意図は、人類にはまだ手の届かない、理論的にも全く未知の技術として提示したと考えられます。
 水爆にすら耐える大自然の驚異的な生命をも、いつか科学は殺してしまうだろうというメッセージも『ゴジラ』から読み取れます。

 元祖ゴジラシリーズはこの第一作での設定を誠実に守ります。
ゴジラは殺せないのです。
 ですから電撃などで一時的なダメージを与える描写はあっても、人類がゴジラを殺す作品はその後一つもありません。
それどころか、誘導目的の火器攻撃はあっても、大砲やミサイルの類いでのゴジラ抹殺作戦はありません。
(海外版『モスラ対ゴジラ』で使われたフロンテアミサイルはそれで殺せると思ったのか? 『キングコング対ゴジラ』の毒ガスで殺そうというのは一縷の望みを託した作戦か)
 元祖シリーズでは、殺せない怪獣ゴジラを使ってどんな物語を作れるかに挑戦していったと見ています。
その同じ土俵で勝負して初めて原点回帰と言えます。
 もちろん姿形や気質も守らなければなりません。

「ウルトラQ」の時代のことではありますが、円谷英二監督は「怪獣は怖いだけではいけない。ユーモラスな面も必要だ」とおっしゃっています。
 この考えはすでに初代ゴジラにも表れています。
ゴジラが初めて我々の眼前に姿を現したとき、どんな様子だったでしょう?
大戸島の八幡山から顔を出し、のぞき込むように人間たちを眺めます。観客にとって怖いですか?
そのシーンで使われたギニョールがあまり出来の良いものではなかったことも影響はしていると思いますが、ユーモラスに見えませんか?
 ここでは牛を咥えて顔を出すという案もありました。
しかし、それは却下されました。
 初代ゴジラの描写を丹念に見ていくと、怖いだけではないことがわかるはずです。

 怖さと愛嬌、そして無垢な心(ゴジラは決して人間を恨んで出てきたわけではない)の同居がゴジラの個性ではありませんか。
これも『怪獣総進撃』(『オール怪獣大進撃』まで含めてよい)までは誠実に守っています。
『三大怪獣地球最大の決戦』から人間の味方になったという解説を目にすることも多いですが、各作品を正しく受け止めれば、少なくとも『ゴジラ対ガイガン』までは人間の味方にはなっていません。
(ただし、『ゴジラ対へドラ』以降、地球の守り神的な立ち位置になっていて、何かのために戦うという姿勢は本来のゴジラとは違う気質でしょう。ゴジラは目の前の敵に向かっていくだけです)

 そんなゴジラが魅力的だったのです。
人間社会に迷惑をかけることはあるでしょう。しかし、ゴジラが存在しない世界からスクリーンを通じてゴジラがいる世界を眺める観客にとっては、ゴジラに感情移入する余地もあるのです。
巨大で不死身。人間が持ちうる最大の暴力である軍隊にも負けないゴジラ。それがカッコいいのですよ。

 ゴジラの個性を守らずしてなにがゴジラか。

 1984年の『ゴジラ』以降、設定の変更だけでなく性格の変更も行われ続けました。
しかしそれは、元祖ゴジラを元にしたアレンジ、別種の怪獣です。
そんな二次創作を受け入れてしまって、「ゴジラはさまざまに変えてもいい。なんでもありがゴジラだ」と考えることの浅はかさに気がついて欲しい。

 ゴジラが国際的な人気怪獣になったのは、その秀逸なデザインと生物設定の妙、そして野生動物でありながら人間にも判る感情を率直に表明する明朗さ故だろうと思うのです。

 ゴジラ映画はこれからも作り続けられるでしょう。
ならば、本物のゴジラを見せてください。平成vsのゴジラもその厳めしさと武闘派イメージで人気がありましたが、元祖ゴジラとは別種です。
私は本物を見たい。

Re: 私はゴジラを見たい - なんじぇい (?)

2023/11/25 (Sat) 18:27:45

恐らくですが、昭和シリーズは尻すぼみになり終了したこと以上に・ミレニアムシリーズはGMK以外はある程度ゴジラの設定を踏襲しても最終的に失敗したことがトドメとなり、ゴジラブランドを東宝が信用しなくなったのが今のゴジラではないかと思っています。

ゴジラだけじゃ心もとないから有名クリエーターの作家性を重視しある程度好き勝手させてクリエーターのファンに来てもらおう、みたいな企画になってるのではないでしょうか。
また、どうせ映像・スペクタクル・怪獣バトルでは百億以上の予算を出せるハリウッドに勝てないからみたいなのもありそうです(マイナスワンの映像は悪くないとは思いましたが)。


ただ、殿様ギドラさんは否定的になるのでしょうが、VSシリーズも大体同じスタッフ(大森一樹さん・大河原孝夫さん等)がシリーズの脚本や監督をやっているので、作品ごとにバラバラのクリエイターがやりはじめたのがゴジラがバラバラになった一番の原因なのではないかな、と思っています。

余談ですが、マイナスワンは例外的に10億円以上予算をつぎ込まれていると山崎監督が言っていました。怪獣の登場時間も映像クオリティを維持しながらならあれが限界だったそうです。

Re: 私はゴジラを見たい - エクセルシオール (男性)

2023/11/25 (Sat) 20:10:34

 今のゴジラが「ゴジラ」と名付けさえすれば何でもありという、凄まじい大迷走状態である事は間違いありません。ここまでおかしくなっては一度スタートラインに戻って考え直すべきだと思います。その時はやはり初代ゴジラの設定をベースに考えるべきでしょう。
 長いシリーズで一定程度新しい要素を入れていく事も必要であるとは思います。しかし、今ゴジラで起きている事はそのレベルではありません。スタッフがゴジラの名前を使って好き勝手に訳の分からない怪獣を作っているだけです。そして、それらがしばしば「原点回帰」とか「初代の魂を受け継いでいる」とか評されています。これは倒錯の産物としか言えません。

 私はゴジラが限度を超えておかしくなりだしたのはミレニアムシリーズくらいからであると思っています(特に『GMK』である)。VSシリーズの頃はゴジラはまだ「強くてかっこよかった」のですが(ただ、ゴジラ以外の怪獣が多くはレベルダウンされた観は否定できない)、ミレニアムシリーズになるとゴジラ自体が弱体化してしまった印象が強かったからです。この時点で「人類に負ける存在」に転落する萌芽が見られました(お祭り映画だった『ファイナルウォーズ』は除く)。

 ただ、そのころはまだ初代ゴジラの存在がギリギリのラインで暴走を抑えていましたが(あの『GMK』ですら初代の存在だけは否定できなかった)、『シン・ゴジラ』で初代の存在自体が抹消された事で完全にタガが外れてしまいました。後はアニメ映画三部作、『ゴジラSP』、そして『ゴジラ-1.0』とゴジラの設定は限界を超えて変えられ、もはや修復不能になっている観すらあります。

 結論から言えば、私もゴジラは真の意味で原点回帰を行うべきと思います。このまま迷走し続け、しまいには迷っている事すら理解できなくなってしまえば、取り返しのつかない事になります。
 ゴジラとは何かについて足元を見つめなおさねばなりません。失望しっぱなしの状況にそろそろ終止符が打たれる事を願います。
 

Re: 私はゴジラを見たい - K4 (男性)

2023/11/26 (Sun) 09:19:22

皆さんと比べて、私には確固たるゴジラ像がない事を痛切に感じてます。
私は仮面ライダーV3や新マンが入口でゴジラはメカゴジラや流星人間ゾーンからになりますが、オイルショックと共にこれらの作品のその後は恵まれなくなり、1974年頃からのロボットアニメ、ヤマト等に興味が移っていく幼少期を過ごしました。
そんな中、1980年のドラえもんとの併映となるモスラ対ゴジラ(短縮版)に衝撃を受ける事になります。
ちょうどスターウォーズ帝国の逆襲が公開された年です。
私が当時ハマっていたのはルパン三世、エースをねらえ!、あしたのジョー(再放送、劇場版含む)になります。
中学生になる頃には富野作品群(ガンダム劇場版、イデオン他)やマクロスを観てましたが、この頃、スターウォーズもジェダイの復讐(当時)でひとまずの完結、そしてゴジラ復活フェスティバルを迎える訳です。
復活フェスティバルには行けなかったものの、映画館近くの熱狂はすさまじく、ゴジラ復活への期待が膨らみました。
1984年はうる星2ビューティフルドリーマー、ナウシカ、マクロス劇場版、瀬戸内少年野球団、海燕ジョーの奇跡、ストリートオブファイヤー、ゴーストバスターズと多彩な映画を観た最後の締めがゴジラ。
でしたが、なんか求めていたものと違う、、
石坂浩二が腰を抜かした原子炉を抱えたゴジラ、新宿高層ビル街でわざわざゴジラを見にいく野次馬、武田鉄矢が田舎モンがと罵倒したゴジラに高まっていた期待に冷や水を浴びさせられ一気に熱が冷めた事を思い出します。中二病が1番の時期だった事もあったとは思います。
しばらく経ち、ターミネーターやバックトゥーザフュチャーに興奮し、ハリウッド作品を観るのが当たり前になっていた時期、1989年に現れたvsビオランテ。
個人的にはゴジラはこの作品とvsキングギドラからゴジラの魅力にハマったと思います。
ハリウッドに押されていた日本の大作映画の可能性を感じたわけです。
両作品とも粗はあるし、キングギドラに至ってはドラッド?宇宙怪獣じゃないの?(後に小説かなんかで補足されてるようですが)等、なんか違う感はあるにはあったのですが、引き込まれた部分の方が大きかったのです。
今でも自分にとって1番好きなゴジラは(短縮版ではない)モスラ対ゴジラですが、次はvsビオランテになります。
全然、違うゴジラじゃないか、ゴジラと名前がつく怪獣が暴れりゃなんでもいいのかと言われてしまうのもごもっともです。
怪獣が現れ、街を壊しつくすカタルシスがゴジラの魅力と刷り込まれている事は否定できないです。じゃあゴジラでなくてもいいじゃないか、と言われればあの造型を含めた怪獣の魅力は超えるのが難しい。
本多猪四郎、円谷英二両氏をはじめとしたスタッフ達が作りあげたゴジラの本質を理解出来てない、と言われるでしょうが自分の通ってきた現実、多種多様な映画やテレビ作品、ハリウッド作品の洗礼を浴びてきた自分にとってはどれもその時代のゴジラなのです。
すべての作品を受け入れてしまう自分には、確固たるゴジラ像がないと感じた理由(言い訳)を書いてきた訳ですが、平成以降の作品に先人に対するリスペクトが欠けてないか?という思いがあり、引っかかってきたのも確かです。
前にも書きましたが、70年も過ぎそろそろこれが我々が考えたゴジラなのだ、と10年5作品くらいのシリーズを東宝には覚悟を持って出して欲しいと思ってます。
いつもながら長文駄文失礼しました。

Re: 私はゴジラを見たい 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/11/27 (Mon) 19:22:05

 現在東宝でゴジラをコントロールしているチームがどんな人々なのか想像も出来ませんが、
70年代のことを肌感覚で知っている人は少数派だろうとは想像できます。

 昭和ゴジラシリーズが終焉に至った原因は単純な話ではないと思っています。
 大前提として特撮映画は一般映画より製作費がかかるということがあります。
そこに映画観客人口の減少。(テレビの普及が影響したでしょう)
円谷英二の逝去。(内容面に変化が起こる)
さらにオイルショック(1973)が襲いかかって物価が高騰、映画製作費も高騰します。

 ゴジラ人気が低迷して打ち切られたと考えるのが一般的なのでしょうし、それは半分は当たっています。
円谷英二の不在と製作予算削減の結果(本多猪四郎監督が最終作以外担当していないのも関係するか)、作品のクオリティが下がったために人気が落ちた、とは言えます。
ただし、これは新作に限る話です。
70年代半ばまでは東宝チャンピオンまつりの枠で、年に3回ゴジラ映画が上映されていたのです。
新作がないときは旧作の短縮版が上映されました。
(ゴジラのいないラインナップもありましたが)
当時のファン意識としては、新作より旧作リバイバルの方が楽しみだったりしたのです。
 ゴジラ人気が下がったという実感はありません。
新作にあまり期待されなくなったというのが実情ではないでしょうか。
 私の話を書くと、『ゴジラ対メガロ』で新作ゴジラに見切りを付けたのは覚えていますが、その後旧作リバイバルのチャンピオンまつりには行きました。
(このあたりは昔の映画館の複雑な事情があって、我が町のゴジラ上映館は東宝専門の映画館では無かったためにチャンピオンまつりの上映は、公式記録に残っている上映時期・ラインナップとは違っていたりもした)
さすがに旧作のリバイバルも何年もやっていれば作品がつきますから終了するのも仕方なかったのでしょう。
 そして、新作映画が無いにもかかわらず80年代に至るまで、ゴジラグッズは販売されていました。
ソフビ人形や液晶携帯ゲームなど・・。
 ゴジラは忘れられてはいませんでした。だからこそ、復活を望む声も湧き上がって84に繋がります。

 そんなことは東宝社内の資料には残っているのでしょうけれど、はて、ゴジラ戦略会議のみなさんはどのように考えていますやら。

 私が平成vsシリーズに批判的なのは、怪獣の設定変更により、怪獣のアイデンティティが失われたことがひとつと、
ゴジラが原子力怪獣になってしまったために、放射性物質を求めるという属性が付与され、それがストーリーに枷をはめたこと、放射線による変異生物とされたことで、水爆にも耐えるという属性を失わせたことによります。
vsゴジラの基本設定が元祖ゴジラと同じで、ただ、性格の違う別個体であるというのなら、全然問題は無いのです。(まあ、性格の好き嫌いはあるので、私はお茶目な二代目ゴジラのほうが好きです)
 そして、基本線として大森一樹・大河原孝夫・川北紘一体制を維持したことは正しいです。
シリーズに継続性が生まれ、それが人気を維持することに繋がったと思います。
ただし、ストーリーにまで継続性を作ってしまったことが、シリーズの終焉を招いたのではないかと疑っています。

 ミレニアムシリーズには一貫性がなかったためにVSシリーズのような人気を得られなかったのだ、とはいろんな人が言ってますね。
そして現行のゴジラ作品も一貫性がなく、単発のヒットになることはあっても、シリーズ映画としてのブランド力は生み出せないでしょう。

 70年代に行ったゴジラの外見・性格変更も一貫性を失わせたとは言えます。
メガロゴジには本当にがっかりしたものです。
ゴジラという傑作創造物をいじっちゃダメダメ。

(K4さんの立ち位置からだと私の主張に、まるで責められているような気になるのも無理はないのですよね・・・。平成vsやミレニアム、『シン』でもそこに魅力を感じたという人を責めることは出来ないのであって、私が主にぶつけたい相手はゴジラを握っている人々です。
ただ、古株ファンにも何でも受け入れ体質の人はいて、そんな人に対しては「なんでそーなるの?」という思いはあります)

Re: Re: 私はゴジラを見たい - K4 (?)

2023/11/28 (Tue) 17:44:39

責められてるなんて思ってませんよ。
自身の確固たるゴジラ像がなかったから、自分自身もブレブレになると思ったという事です。
ではvsビオランテやvsキングギドラの時のゴジラがいいのか?と言われると造型的には好きなのですが、ゴジラというキャラクターで考えるとまた違ってきます。
vsモスラからの平成ゴジラは光線だらけであまり好きでなかったりします。
あくまで個人的な好みで言うと、キングコング対ゴジラ、モスラ対ゴジラ、3大怪獣、そして手塚×メガギラスのゴジラのキャラクターが好みです。
GMK、シンゴジラ、マイナスゴジラの ゴジラ に対しては感情がわきようもなく、このあたりのゴジラの描き方、ポジションが近年のゴジラの課題なのかもしれませんね。

Re: 私はゴジラを見たい 殿様ギドラ (男性)  URL

2023/11/28 (Tue) 18:30:36

>K4さん
 失礼いたしました。気を回しすぎたようで・・。

 そうなんです。
 映画全体の出来云々も大事なことなんですが、やはりゴジラファンが意見を出すなら、
ゴジラそのものをどう描き、扱っているかを問題にしないといけませんね。


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