ギドラの巣「新」映像作品掲示板
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だから基本的にテレビドラマは見ないのだ - 殿様ギドラ (男性) URL
2021/11/17 (Wed) 18:29:31
つまらない作品について書くのはストレスになるので無視しようかと考えておりましたが、
あまりにも酷いので何も言わないのも罪だと思い直しました。
TBSのテレビドラマ「日本沈没-希望のひと-」です。
小松左京原作と表記していながら内容がまるで別物であることはひとまず置いておきます。
このドラマ、おそらく政財界を舞台にした駆け引きを主軸にして、政治・行政における倫理を描こうとしているのだと見受けられます。
となると対立する者たちそれぞれの行動原理を納得できる形で描き出す必要があるはずです。
ひとつ例を挙げます。
メインキャラの科学者が主張していた関東沈没の証拠となるデータが改ざんされていて、対立する学者との会議で関東沈没などないという結論を出されてしまったとき、
主人公(環境省の人間)は人脈(自動車会社の大社長)を通じて元データを持っている海上保安庁の幹部(海保庁長官か国交省次官)を紹介してもらいます。
そのとたん、どんな交渉があったのかを描くこともなく、改ざんされていない元データの入手に成功してしまいます。(ついでに誰が改ざんしたのかもわかっちゃう)
これではストーリーにリアリティを感じることが出来ません。
正式なルートを通じての依頼でもないのに、海保がメインコンピュータへのアクセスを外部の人間に許したことになっています。
いや、とにかく正しいデータを入手する過程を全く描かないので何が起こったのかわからないのです。
そして、データ改ざんは総理大臣の威光を借りた学者の指示で国交省の役人がやったとのこと。
国交省なりの立場で実行したと思われますが、なぜ環境省の若手職員の言うことを海保庁長官か国交省次官(どちらと会わせてもらったのかも描かない)がすぐに受け入れたのか?
その過程を描かなければ政治ドラマにはなりません。
設定面でも、関東沈没の引き金として地下資源の採掘(吸い上げ?)を挙げていますが、
この地下資源(セルスティックと呼ばれる謎物質)は二酸化炭素を排出しないエネルギー源であるという説明があるだけで、どんな物質なのか、どんなエネルギーを生み出せるのか不明なままです。
ストーリーを進めるための方便でしかありません。
そして、なぜ「日本沈没」なのか。
人気俳優たちが力みきった芝居を見せるだけなら、企業買収の話でも暴力団の縄張り争いでもなんでもいいでしょう。
「日本沈没」を持ち出してきて、テレビドラマにするということは、地殻変動で起こるスペクタクルを見せなければ何の意味もありません。
第五話に至るまで、小さな島が一つ沈むだけでスペクタクルシーンはありません。
まあそれは「タメ」なんだろうな、と思っていました。
第四話のラストで東京を大地震が襲います。
ストーリーがつまらなくても大地震による破壊スペクタクルが見られるならまあいいかと思ったのに・・・。
第五話の冒頭で激しく拍子抜け。
地割れの穴に主人公が落ちたところで画面はブラックアウト。
お話が再開してみると、すでに東京湾沿岸が沈下していてスカイツリーあたりまで水浸し。
レインボーブリッジらしき橋はめちゃめちゃに壊れて落ちています。
大地震と地盤沈降の過程で起こるはずの諸々を見せてくれません。
はあああああああ???
破壊スペクタクルも描く気が無いようです。
東日本大震災の記憶が薄れていない現在、大災害を映像化するのはためらわれるのでしょうか。
ならば、そもそも日本沈没を取り上げるべきではない!
こまごまとしたストーリー上の納得できない点はほかにもたくさんありますし、映像面でも「なぜそれを見せない!」という不備だらけ。
TBSの目玉ドラマなんですよね? 全体にひどく薄っぺらくつまらないです。
Re: だから基本的にテレビドラマは見ないのだ - エクセルシオール (男性)
2021/11/21 (Sun) 15:55:32
『日本沈没 希望のひと』。私はそこそこ楽しんで観ているのですが、疑問点も少なくない作品だと思いました。
このドラマのストーリーや設定に関しては原作や映画版、旧テレビドラマとは大きく異なります。私は翻案を全否定する立場ではないので、それだけで批判するつもりはありませんが、それにしてもキャラクターをほぼ総とっかえして、オリジナルの面影もないというのはやりすぎだと思います。
唯一残っているのは田所博士ですが、これがある意味一番いけない。香川照之はその演技力に定評のある役者ですが、「うさん臭さと不愉快さ」が強調されすぎていて、「こいつを信じていいのか?」と思ってしまいました。正直、映画版、旧テレビドラマにおける小林桂樹にはとても及びません。
一方、特撮に関してはスペクタクルシーンをまともに描く気がないというのはいただけません。ここに力を注がずして何が「日本沈没」か。スタッフは肝心要の部分が分かっていないようです。
こういう作品では外連味というものも大切です。災害のすさまじさをきちんと描くからこそ。それに立ち向かう人々の姿がかっこよく描けるはずです。
これから「日本沈没」編が始まることになります。果たしてどこまで挽回できるか注視していますが、このままでは苦しそうです。
Re: だから基本的にテレビドラマは見ないのだ - 殿様ギドラ (男性) URL
2021/11/23 (Tue) 18:41:17
どうもです。
第六話で感じられたのは、作り手は田所博士を使って視聴者を翻弄しようとしているのではないか、ということ。
原作およびかつての映画・テレビでの田所とはまるで違う性格付けをされていて、
今作での田所の振る舞いは利己的にも見えるし正義漢のようにも見えます。
第一話から名前だけ出ているのに関係者がまるで出てこないDプランズ社も同じような意図で曖昧にしているのではないかと感じられます。
けれど、そこに作り手の作為が強く感じられてしまって、作劇として不自然に思えるのは私だけなのでしょうか・・・。
(ああ、日本沈没のシミュレーションCGがただの地盤沈下にしか見えず、プレートの動きが反映されていないのはどうしたことか。中央構造線とフォッサマグナから裂けるんじゃないの?)