ギドラの巣「新」映像作品掲示板
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実写銀魂! - 殿様ギドラ (男性)
2017/07/17 (Mon) 16:17:19
「銀魂」ファンではあったけれど、実写映画にするなんて危険度MAX、さらに昨今の邦画には信頼感もあまりなかったので、
映画館までは行かないで済ますかなーと思っていたら、美術監督池谷仙克さんの遺作であるという情報が入ってきて、
そうなると、追悼の意味でも見に行かなきゃならねーなと(くどいね)、実写『銀魂』見て参りました。
安心して下さい。
おもしろいです!
いままで「銀魂」を全く知らなかった人への配慮もしっかりしてます。
ただし、ギャグ・コメディの類いに感度のない人にはお勧めしません。下ネタ込みの大おふざけ映画ですから。
内容には触れずに評価した点をなんとかひねり出してみます。
もともとの「銀魂」が持っていた楽屋落ちやナンセンスギャグをまったく損なうことなく取り入れていて、
今回の実写映画独自のギャグシーンも原作でやっていてもおかしくないセンスで作られていて、しっかりと親和しています。
そして、原作ファンも納得の変なアレンジのない、登場人物やストーリー!
(すべて完璧とは言いません。何人か、見た目の問題か芝居の問題か、ちょっと違うんじゃね?と思う人はいたけれど)
小説でもマンガでも映画化となると、映画は別物とばかりに原作無視で勝手なことをするものもある中、
この『銀魂』は素晴らしい!!
ただ、あれ?と思ったのは、原作マンガからストレートに実写映画に変換したのではなく、どちらかというとアニメ「銀魂」を
原作として実写映画にした観があること。
それも決して疵ではないのですが、アニメ版のみのファンにも配慮したということなんでしょうか。
今回映画化されたのは「紅桜篇」といわれるパートで、もちろんTVアニメになっています。
さらにアニメ版の映画化第一弾として選ばれたのも「紅桜篇」。
アニメ映画「紅桜篇」は“新訳”と銘打って原作やTVアニメ版とは違う展開をいくつか持ち込んでいたのですが、今回の実写映画は
そのアニメ映画版と同じアレンジを施していました。
(原作と同じだと人気キャラクターを一通り出せない)
それから、TVアニメ版が得意とする楽屋落ちを積極的に取り入れているのもアニメ版の空気を再現する意図があると見ました。
もうひとつ。
アニメ「銀魂」は原作を大事にして、マンガ「銀魂」に動きと色と音が付けばこうなるのだ、という名作だったので、
今回の実写化にはどんな意味があるのか?と疑問視していたのですが、実際に見てみると、
ああそうか、「銀魂」にはアクションドラマという側面もあったんだっけと思い知らされ、
バトルアクションに関してはアニメ表現では描けない「物体・肉体の質感のリアリティ」が重要になってきて、
そこは実写映画のほうが迫力を生んでいたようです。
(ただし、動きそのものの「美」はアニメのほうがやりやすいようでもあった)
それから生身の俳優が演じることでの肉感性も実写ならでは。
(中村勘九郎全裸!)
と、褒めておいて、足りないなぁと思ったところも。
作品内容に対して予算が潤沢ではなかったのでしょう。セットなど(CGもかなり使っている)がちと貧弱。
クライマックスは空中に浮かぶ船の甲板上となるのですが、屋外の感じが全く出せておらずスタジオ撮影丸出し。
背景(CGで描かれた空と思われる)にマッチした照明を作れていないようで、さらに風の演出もなかったために屋内で芝居をしているようにしか見えませんでした。
「銀魂」という作品は明治維新がなかった世界を舞台に、宇宙人が地球(日本)に進出、徳川幕府は宇宙人の傀儡政権になっているという設定で、
市中に宇宙人(劇中では天人“あまんと”と呼ばれている)がうようよいる世界です。
今回の実写「銀魂」にも宇宙人が出てくるのですが、どうも原作にはいなかった姿の宇宙人が顔を出している模様。
池谷仙克さん最後の作品であり、ひょっとすると最後の池谷デザイン宇宙人がいるのかも、と想像するのも特撮ファンの楽しみでした。