-
1:エクセルシオール
:
2024/12/18 (Wed) 23:03:53
-
SFなのに特撮を使わない珍しい映画『ブルークリスマス』が、BS松竹東急で放送されるそうです。この映画についてはずいぶん前から知ってはいたのですが、まだ観たことがなかったので、これを機会に観てみようと思います。
確かUFOを見た人々の血が青く変わってしまい、そういう人がどんどん増えていく中、世界の権力者たちが彼らを冷酷に抹殺していく物語だったはずです。なかなか興味深い作品だと思います。なお、途中少しだけ登場する天本英世さんと岸田森さんが不気味で怖いといわれているそうです。
時間は12月23日の午後8時からです。
-
2:殿様ギドラ:
2024/12/19 (Thu) 17:44:37
-
むむ、これからご覧になる方に先入観を与えてはいけないと思いつつ・・。
岡本喜八監督は好きですが、『ブルークリスマス』はちょっと、という感じでした。
-
3:海軍大臣
:
2024/12/19 (Thu) 22:33:02
-
「ブルークリスマス」はちょうど40年前の年末にも深夜枠でTV放送があって、このときが初見だった友人は翌日に観た当時公開中の「ゴジラ(84)」の日本政府閣僚たちが凄く優しい人間に見えて仕方無かったそうです。
ちなみに作品中でUFOにスクランブルを掛けた空自のF-104が消滅するくだりは、何だか「2020年の挑戦」のオマージュに感じられてしまいました。
-
4:エクセルシオール
:
2024/12/21 (Sat) 11:05:57
-
『ブルークリスマス』。確かに興行成績はあまりよくなかったみたいですし、評価もいまいちだったようです(有名な作家の中には支持する意見もあったようですが)。実際、私がこの作品を知った文献では「トンデモ映画」の部類にされていました。ただ、一方で近時は好意的再評価もなされているみたいです。
いずれにせよ観てみないとわかりませんが、あまり過度な期待は禁物で、ある程度肩の力を抜いて視聴した方がよいみたいですね。
>「ゴジラ(84)」の日本政府閣僚たちが凄く優しい人間に見えて仕方無かった
『ゴジラ』(1984年)の三田村首相は怪獣映画に登場した政治家の中ではトップクラスに立派なキャラだと評されているので、そう感じるのも当然だと思います。閣僚を演じていた方々は時代劇で曲者や悪者を演じている方が少なくなかったのですが、三田村首相を演じた小林桂樹さんの誠実な雰囲気がメンバーの「悪者臭さ」を凌駕していました。
-
5:海軍大臣
:
2024/12/21 (Sat) 17:45:08
-
>閣僚を演じていた方々は時代劇で曲者や悪者を演じている方
たしかに三田村内閣の閣僚を演じられた金子信雄、加藤武、折本順吉、鈴木瑞穂って、本作の10年ほど前の東映実録路線では広島を舞台にして激しい抗争を繰り広げていた面々(鈴木瑞穂はマスコミ関係の役でしたが)だったのですよね。
-
6:殿様ギドラ:
2024/12/22 (Sun) 16:07:59
-
>あまり過度な期待は禁物で、ある程度肩の力を抜いて視聴した方がよいみたい
そうそう、それです。
私が初めて見た時には期待感が高すぎたかもしれません。
-
7:エクセルシオール
:
2024/12/28 (Sat) 23:03:51
-
12月23日に放送された『ブルークリスマス』を視聴しました。「異物」を抹殺しようとする権力の恐ろしさ、現実社会ではそんなことを許してはならないというテーマを持った作品だとは思うのですが、いささか疑問も抱いてしまう内容であったことは否定できません。
その一番の理由は「主人公が途中で変わってしまうこと」です。映画が始まって中盤までは間違いなく、真実を追い求めるテレビ局員である南が主人公として物語が展開されていたのですが、彼は権力に阻まれて挫折し、その後はほとんど出てきません。後半になると青い血を持つようになった人を抹殺する特殊部隊の隊員、沖が主人公になって、結局最後まで行ってしまいます。2時間ちょっとの映画なのに前半と後半で主人公が交代し、しかも真逆の立場のキャラなのです。両者が対決する展開にもなりません。これでは物語が分裂しているようにしか思えませんでした。正直、主人公はどちらかに固定しておくべきだったと考えます。
また、UFOを見た人は血が青くなって心が穏やかになるのですが、それを危険視した世界中の権力者はひそかに一致団結して抹殺に乗り出します。なんとも恐ろしい展開ですが、よく考えてみると変な感じもします。為政者たちは宇宙人との全面戦争も構わないという姿勢を貫いているのですが、「それはまずい。勝ち目があるのか」と考える者だっていそうなものです。その辺練りこみが足らない感じがします。
もし仮にこの事件が「宇宙人が地球人類を宇宙の脅威として滅ぼすべきか否か」を決めるテストだったら、人類はおしまいでしょうね。
物語はバッドエンドで終わります。後味は非常に悪いです。バッドエンドを全否定はしませんが、そのためにはハッピーエンドよりも緻密にストーリーを構成する必要があるでしょう。本作品はそれができていたようには思えず、まじめなテーマも活かしきれなかった感じがしました。
-
8:海軍大臣
:
2024/12/29 (Sun) 11:52:15
-
エクセルシオールさんの仰られる作品の欠点、たしかに以前から指摘する声が大きかったですね。地球規模の謀略を「複数の視点」から描いていく、との作者側の意図は汲めますが、必ずしも上手く作用していなかった感じです。
映画化の1年以上前に映画誌に発表された初期シナリオでは、海外の著名な学者が「人類の定義」としての血液の色に触れた論文が発表されるくだりや、青い血の人類を抹殺する決断に苦悩する米大統領の描写(予告編で使われている「ヒトラー云々」のセリフはその残滓)が出て来たりで、ただ血の色が異なるという一点だけを理由にして「人類がまったく別の存在に変質してしまうのじゃないか」とする得体の知れない不安や差別意識が蔓延していく様子が丹念に描かれていました。
この初期シナリオで特に驚いた差異は、主人公の自衛官・沖の恋人(竹下景子)を射殺するのは別の工作員であり、沖は恋人がターゲットになっていることを知りながらも、自身は他の「青い血」の人間たちを射殺しまくる形のまま(つまりは明瞭に粛清する側に取り込まれた形で)物語がエンディングを迎えることです。
こうした展開が実際の完成作品へと改稿されていった細かな経緯は不明ですが、脚本担当の倉本聰氏は「本作はSFとして書いていない」と発言される一方、岡本監督夫人は後になって「これを喜八監督はラブストーリーとして撮っている」といった主旨の発言をされていた筈で、その辺りの行き違いも非常に興味深く感じました。
あと最近一部で話題になった逸話ですが、本作のポスター等の宣材で使用されている「男女のシルエットのイラスト」が描かれる際に、逃げる女性の背後に銃を提げて立っている男性のモデルを演じたのが、なんと「マツケンサンバⅡ」でお馴染みのマーシーこと真島茂樹氏(当時は日劇ダンシングチームに所属)だったそうで、なんとも意外な感じです。
-
9:殿様ギドラ:
2024/12/29 (Sun) 18:35:08
-
最後に見てから結構時間がたつので記憶が曖昧な点もありますが、
私が感じた物足りなさは、差別問題を扱っているのに、差別意識が発生する過程を描いていない点でした。
ちょっとした差異でも差別の対象になり得るというのは事実でしょうけれど、人間が持つどんな性質が差別を呼ぶのかまで描いてくれないと表現として弱いです。
もうひとつは、UFOがただ目撃者の血液を青くするという役割しか負っていないこと。
UFO(宇宙人)がストーリーを引っ張る必要はありませんが、もう少し「何か」やって欲しかったです。自衛隊機との小競り合いだけでは・・・。