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ギドラの巣「新」映像作品掲示板

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新プロジェクトX - エクセルシオール (男性)

2025/01/31 (Fri) 22:30:19

 NHK総合で2月1日19時30分から放送される『新プロジェクトX』で『ゴジラ-1.0』がアカデミー賞視覚効果賞を獲得したことについて取り上げるそうです。サブタイトルは「ゴジラ、アカデミー賞を喰う」という仰々しいものです。正直、内容に期待できるものではありません。

 かつて旧『プロジェクトX』で『ゴジラ』(1954年)の制作過程を取り上げた「ゴジラ誕生」という回がありました。2001年の放送ですから四半世紀近く前のものですが、なかなか面白かった記憶があります。しかし、今回は仮に視聴しても寒々しい気持ちになるだけでしょう。

 そもそも『プロジェクトX』という番組は「感動の押し売り」「過剰演出」「恣意的な事実の切り取り」等々で非常に評判が悪い。旧作時代にはネタ切れもあって最後にはやらせまでやってしまい打ち切りになりました。新作についても既におかしな点が指摘されているそうです。そうなると数々の問題のあるドキュメンタリー番組が「ゴジラの名を騙ったトンデモ作品」の制作者を礼賛するわけですから、我慢して観たりしたら「身震いするほど腹が立つ」事態になってしまいそうです。

あんまり関係ない話ですが - なんじぇい (?)

2025/02/01 (Sat) 00:30:45

実は私はCG系の学部がある学校に数年通っていた経験があるのですが(自分は別の学部なのでCGは作れません)、『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』のVFXを担当している白組等の大手CG会社に入社できる人は学部でも上位10%位の優秀者だった記憶があります。
そういう人は大体血の滲むような努力をしているのを知っているので、話してくれたエピソード自体は聞いていて大変面白かった記憶があります。
変わったところでは、アクションのCGを作る為に、自ら実感できるようにと自分でバク中や側転をできるように鍛えたとか言ってる人もいました。なんだか中島春雄さんの熊の動きのエピソードを思い出します。

が、こういう番組では正直そういうエピソードより良く分からないベタ褒め中心になりそうでうーんな感じがします。

Re: 新プロジェクトX - エクセルシオール (男性)

2025/02/02 (Sun) 13:45:34

 頑張って視聴してみました。ハリウッドから20年遅れと言われていた日本のVFX(視覚効果)のレベルを艱難辛苦の末に進歩させ、ついにアカデミー賞を取るという美しいサクセスストーリーを半ばドラマ仕立てで見せる内容であり、おおむね想定通りでした。

 なるほど『ゴジラ-1.0』のVFXはハイレベルだったと言えます。しかし、映画の中身やゴジラの描き方に納得できない者としては「それがどうした」と言いたくなります。今回の『新プロジェクトX』はひたすら視覚効果技術の素晴らしさと、それに関するスタッフの奮闘にスポットライトを当てていたので、間違いとは言えませんが、「映像さえ綺麗ならストーリーはどうでもいいのか」と嘆きたくなりました(余談だが、最近はアニメ等でもストーリーを二の次にして些細な画の至らなさを「作画崩壊」として声高に喚く者が少なくない)。

 また、今回の放送を見て、東宝内部には昔ながらの着ぐるみとミニチュアセットを駆使した特撮にこだわる人が、ほとんど消えているのではないかとも思いました。『シン・ゴジラ』でCGのゴジラはやってしまったのだから、今度は着ぐるみに戻そうという意見があっても不思議ではないはずですが、そういうスタッフが抵抗したという話は全く出てきませんでした。「恣意的な事実の切り取り」でカットされてしまった可能性もありますが、着ぐるみとミニチュアの支持者が著しく弱体化していることは間違いないでしょう。
 一応、ここ最近毎年やっているゴジラフェスティバルで公開される短編映画が昔ながらの技法で作られ続けているので、全く技術の継承がなされていないわけではないようです。でも、VFX中心の映画で二回続けて興行的成功を収めてしまうと、着ぐるみに回帰するのは非常にハードルが高いのかもしれません。私としては着ぐるみとミニチュアにはCGとは異なる良さがあると思うのですが。

 なお、再放送は2月8日の朝8時15分からあります。

Re: 新プロジェクトX 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/02/02 (Sun) 16:09:07

 殿様ギドラは録画予約をしていた。

 見た。

 VFXで身を立てようとする者たちに、頑張れよと思った。
しかしCGによる破壊シーンは、やはりアニメだった。

 スタッフが抱える人生の悲哀には同情した。
それが作品の質に関係したのかは疑問だった。

 円谷英二と本多猪四郎が作り出したゴジラへのリスペクトを感じなかった。
そこにはハリウッドへの憧れしかなかった。

 憧れていたのでは勝てないと思った。
オオタニさんの気持ちだった。

 米アカデミー賞を有り難がる番組の姿勢は無様だった。

 最後に1983年の実相寺昭雄氏による嘆息を思い出した。
「コンピューターのプログラマーが映画界を我物顔にのさばる日が来るのなら、私は落ちてゆく先を探さなきゃならない。」
(「円谷英二の映像世界」実業之日本社)

Re: 新プロジェクトX - なんじぇい (?)

2025/02/02 (Sun) 17:44:28

>「コンピューターのプログラマーが映画界を我物顔にのさばる日が来るのなら、私は落ちてゆく先を探さなきゃならない。」
(「円谷英二の映像世界」実業之日本社)

これ、元は実相寺昭雄さんはどういう意味合いで言ってるのか気になってしまいました。
一応ですが、マイナスワンのCGを否定するのかと怒っているとかそういう訳ではないです(私は確かにいいとは思うけどアカデミー賞レベルなのか?というくらい)。

昔、レイ・ハリーハウゼンの自伝を読んでいる時、『ジュラシック・パーク』には自分のストップモーションと違い生物感が失われているみたいな具体性のない批判を言ってるのを見て、「年代の差があるから仕方ないが、流石に横に並べたら『恐竜グワンジ』『恐竜100万年』と『ジュラシック・パーク』なら、100人中100人がジュラシック・パークの方をリアルだと思うだろうな」と虚しい気分になったのは覚えていますので……(実際老害の戯言みたいな言い方をしてる人もいた)

追記です - なんじぇい (?)

2025/02/03 (Mon) 23:18:01

実相寺監督の発言は1983年のもので、その時代で本格的にCGを使った映画は1982年の『トロン』(もしかしたら同年の『ゴルゴ13』も入ってるかも、いずれにせよ時代の関係でクオリティは非常に低い)位しかなく、CGがどうなるか分かるわけがない時代の発言を出すのは……と思ってしまったのです。
また実相寺監督も結局『ウルトラマンマックス』で怪獣にCGを使っています。

言いたいこととしては、私は決して『ゴジラ-1.0』を擁護しているわけではありません。
思ったのはもっと大きな括りの話で、殿様ギドラさんの引用は、CGクリエイターやCGそのものが、特撮に携わる人より劣っているみたいな言い方をしているように見えて、不愉快に思ってしまったということが主題です(例えば話はともかく『アバター』の映像を特撮で再現することは不可能でしょう)。
ちなみに自分は、今の時代ならクリストファー・ノーラン等がよくやっている本物をそのまま作るという例外を除けば、比率は場合にもよりますが、CGと特撮の使い分けは7:3位が理想になるのではとは思っています。大火災や洪水等の大掛かりな水や火絡みでは、特にCGに強さを覚えます。
まあ、実物でもいまいち迫力がでないこともあるのですが……

尤も、これは私がCGクリエイターが身近にいる環境の学校で育っているからこその発言かもしれません。もしご不快に思われたら申し訳ありません。

Re: 新プロジェクトX 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/02/04 (Tue) 19:09:17

 実相寺さんの発言が1983年のものであることを明示したのは、CGが未発達な時点での発言であることを示すためです。
そして、CGだけを指しているのではなく、モーションコントロールカメラも含んだコンピューターのプログラマーが映画作りの主役になることを危惧している発言なのです。
「円谷英二の映像世界」は2001年に増補版も出版されていますから、入手や閲覧は容易と思います。
是非原文に当たって欲しいと思います。
40年前の発言で、現在とは状況が違うとしても将来を見据えた発言と思います。
まあ、私が全面的に実相寺さんの意見に賛成というわけではありません。

「新・プロジェクトX」ではコンピュータを使った映画作りの紹介しかしなかったので実相寺さんの言葉を思い出したということです。

 これまでCGの利点と欠点の話はいくつも書いてきましたので繰り返しになるかもしれませんけれど、
CGはどこまで行ってもデータを元にしたシミュレーションであり、描画でしかないのです。
そして現在のCGはまだまだ物足りない。
将来は完璧なシミュレーションができる日も来るかもしれません。
それでも、そこには実体がありません。
 実体(物体)にカメラを向けて撮影する作り方とは画作りが違ってくることでしょう。
また、コンピュータによるシミュレーションは物体を撮影するより容易にリテイクが出来ます。
それは1カットに賭ける緊張感の違いに影響します。

 ぱっと見が本物っぽく見えるのでCGはありがたいのでしょう。
しかし実体にカメラを向けること、コンピュータ制御(3DCG空間で視点を動かすのも含まれるだろう)ではないカメラワークで被写体を捉えることの「現実感」を大事にするという考え方から、
私もコンピュータプログラマーが映画界を我が物顔に~はいやです。
(なんじぇいさんがおっしゃるように流体の描写に関してはミニチュアよりCGのほうが有利かもしれません。流体はサイズが変わると振る舞いが変わってきますので)

 ハリーハウゼンの自伝は読んでいませんが、彼が『ジュラシック・パーク』のCG恐竜に生物感がないと思ったことをそんなバカなと切り捨てるのではなく、
何がそう感じさせるのだろうと深掘りする必要があると思いました。

(私は特撮とCGを対立するものとは思っていません。CGは特撮の一部門という考えです。もっと言うと、特撮という括り方はあまりしたくなくて、特殊技術=特技と言いたいところではあります)

1月25日 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/25 (Sat) 16:29:52

 昨年に引き続きこの一年の間に見つけた円谷英二監督の関与が疑われる作品をご紹介します。
竹内博さんのリストにあるものとすでに紹介したものは除いています。

『ぜったい愛して』(1948大映・加戸敏)
特殊撮影として本多省三の名前はありますが、スクリーンプロセスを使っており、大映が独自のスクリーンプロセス機材を導入するのが1950年代である疑いがあるので。
特殊撮影は微速度撮影も行われています。

『春の饗宴』(1947東宝・山本嘉次郎)
演出補佐本多猪四郎で特殊技術部のクレジット有りです。
ミニチュア、作画合成など。

『喧嘩鳶』(1939東宝・石田民三・戦後再映短縮版)
スモーク効果、スクリーンプロセスも?
火災シーンは実寸セットを燃やしていますが、このカットを以前紹介した『燃ゆる牢獄』へ流用しているような。

『噂の男』(1948松竹・佐々木康)
松竹映画ですが、太泉スタジオで撮影。
ワイプを多用しているあたりが怪しい。

『サラリーマン目白三平亭主のためいきの巻』(1960東宝・鈴木英夫)
東宝技術部のクレジット有り。スクリーンプロセス。

『姉妹』(1953松竹・岩間鶴夫)
スクリーンプロセス。

『女体は哀しく』(1957宝塚・稲垣浩)
作画合成。

『月の船出』(1950大映・森一生)
作画合成、オーバーラップ多用、エンドタイトルがアニメになっている。

『処(ショは旧字体)女峰』(1950大映・森一生)
スクリーンプロセス。

『死美人事件』(1948大映・小石栄一)
ミニチュア・合成・スクリーンプロセス。

『激流』(1952東宝・谷口千吉)
東宝技術部のクレジット有り。スクリーンプロセスとおそらくミニチュアによる爆破。

 東宝特殊技術部のクレジットがあるものはほぼ確定ですが、それ以外は製作年と映像の仕上がりから可能性有りと判断しました。

 今月、2週間のうちに『妖星ゴラス』と『海底軍艦』を久々に映画館で見ることが出来て、やっぱり円谷特撮映像は(月並みな言い方ですいません)凄いと感じました。
ゴジラ・ウルトラマンだけで評価できる人ではないのだけれど、なかなか世間のイメージは刷新されませんね。
 55周忌に思うのであります。

Re: 1月25日 - ルー等級つつ大臣 (男性)

2025/01/27 (Mon) 14:38:29

もう時期になってしまったざますねぇ。
ホント時の過ぎるのは早いものだと痛感致します。
(円谷監督が亡くなられた翌年にミーが生まれたざます。)
それにしてもギドラ氏の尽力で調べた作品群ってまだこんなにあるざます。
凄い量ざます。
(そろそろミーも頑張らねばと思うざます。)
竹内氏亡き今これだけの量を調べるのは実にありがたいし貴重な資料になっているざます。
ところでギドラ氏、今年になってゴラスと海底軍艦の4K版を劇場で見に行ったんですね。
実に羨ましいざます。
(やはり東京の人はいいなと思うざますよ。ミーのところではやらないものだからソフト購入になってしまうざます。)
ミーは昨日たまたま久しぶりに海底軍艦をBlu-rayで見ていたけれどもやはり円谷特撮は凄いと思ったざますよ。
恐らくは円谷監督はスクリーンでの上映を意識した画面作りをしていたと思うざます。
それだけに円谷特撮といえば未だにゴジラとウルトラマンのイメージしか評価されてないというのは少し歯痒いざますよ。
(そろそろちゃんと再評価すべき作品群だと思うざます。)

Re: 1月25日 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/27 (Mon) 18:47:46

 恐縮です。
 私の場合総当たり戦みたいなもので、1950年代以前の邦画を可能な限り見るようにしているだけなんです。
そこで見つけた円谷英二参加疑いのある作品をBBSに載せておけば、
ちゃんとした研究者の方が調査するヒントになるんじゃないかと思っています。

 ルー等級つつ大臣さんもまた円谷特撮に魅了されていることは大変心強いです。
円谷さんの現役時代を知っているかどうかは問題じゃないのですよね。

Re: Re: 1月25日 - ルー等級つつ大臣 (男性)

2025/01/29 (Wed) 14:03:47

そうなんざますのよ。
何もリアルタイムにこだわりなくともテレビ放映やリバイバル上映、さらには今だとレンタルビデオやでーぶいでーという手段もあるから再評価出来ると思うざます。
(ミーの場合だと最初に見たのが美女と液体人間などの変身人間シリーズだったし最初に聞いた音楽は東宝レコードのゴジラに収録されてた怪獣大戦争マーチだったから自然と円谷特撮や伊福部サウンドが好きになったざます。)
確かにリアルタイム世代の証言は貴重ざますけれどもそれだけだと片手落ちになってしまうざます。
(レンタルビデオで作品に接した人も多いのでは?)
そうでなくても円谷特撮や伊福部サウンドって普遍的な魅力に溢れているので再放送などで見た世代の証言も大事ざますよ。
(レンタルビデオ世代をなめるな!)
やはり絶えず作品に接したということでギドラ氏の掲示板での作品紹介は凄いと思ったざますよ。
(今はサイト消滅したざますけれどもミーが以前詩や自作小説を更新してたと同時に円谷特撮やジェリー・アンダーソン作品を紹介してたのには実はマニア対象ではなく初心者にも分かりやすいように解説したざます。)

Re: 1月25日 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/29 (Wed) 18:07:23

 私はぎりぎり円谷監督の現役時代に間に合った世代になりますが、
『ゴジラ』(54)を初めて見たのはテレビでのことですし、結局ほとんどの円谷特撮作品はリバイバルやテレビ放送など、後追いで見ています。
それでも新世代の作品より魅力的でした。
 この普遍性をなんとかして伝えていきたいと思っています。

Re: Re: 1月25日 - ルー等級つつ大臣 (男性)

2025/01/30 (Thu) 16:13:15

そうなんざますよね。
ギドラ氏はぎりぎり円谷作品をリアルタイムで見た世代なんざますね。
それでも最初のゴジラを見たのがテレビ放映だったんですね。
(ミーの場合ですと初代ゴジラは1983年のリバイバル上映が最初に見た世代ざます。実際見て当時の新年が色褪せたほどのインパクトで見たと思うざます。)
やはりこれは大画面で尚且つモノクロだったから余計に印象に残ったざます。
以降、ミーがゴジラファンになるきっかけざました。
やはり円谷特撮は凄いと思いました。
(そのインパクトたるや同時期の黒澤作品と匹敵ざます。)

『空の大怪獣ラドン』について - なんじぇい (?)

2025/01/22 (Wed) 04:42:27

今回この映画を見直していたのですが、「ラドンは最初からゴジラ程の格を持たされていなかったのではないか」と思ってしまいました。

Fセイバー戦ではロケットにより一時海に落ち(墜落したと解釈している人もある程度いた、これは脚本でどう書かれてるのか気になりますが)、復帰した際も「命中弾により速力半減」という台詞があって、ゴジラとは違い通常兵器が結構効いている描写があります。
また多頭であり、明確に人を食べる示唆もあり、更にゴジラと違い人間に弱点を発見され殺されます。

無論SPの体たらくよりはずっといいのですが、作劇上終始「人間が頑張れば倒せる」程度の強さにしているように見受けられました。
バランあたりも明確に弱点を発見されて倒されていますが、そのあたりもあってラドンやバランは人類をものともしなかったモスラと違い、ピンでゴジラと戦う映画も作られなかったのかなあ、とは考えてしまいました。

追記 - なんじぇい (?)

2025/01/22 (Wed) 06:57:40

あと、口から煙みたいなものを吐いて建物を吹き飛ばしているシーンがあり、初代ラドンも飛び道具を持ってたんだな、と……

Re: 『空の大怪獣ラドン』について 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/22 (Wed) 19:08:18

 初代ラドンの扱いはなんじぇいさんのおっしゃるとおりと思います。
東宝怪獣のごく初期のキャラクターであり、原作(原案)もゴジラとは違って黒沼健さんなので発想の違いがあったのだろうと思っています。
それでも阿蘇の噴火を利用してどうにか倒すあたりは、人間の力だけでは倒せないという表現であったと思います。

 東宝怪獣映画の革命は『モスラ』が発端であったというのが私の見立てです。
『モスラ』ではネルソンという明確な悪役を登場させることで、ストーリーの主軸を怪獣退治からずらすことに成功しています。
ここで、殺されない怪獣を登場させること、怪獣を殺さないストーリーを作ることも出来るとわかったはずです。
 さらなる展開が怪獣闘争ものとして花開いたとみています。

 ラドンについては『三大怪獣地球最大の決戦』時にゴジラと同格に格上げされたようです。
金星人の予言は「阿蘇からラドンが復活する」と言っていて、これ、ストレートに受け取ればあのラドンが生き返ったことになります。
もう一匹はどうした?という疑問は残りますけれど、ラドンにも不死性を与えたかったんじゃないかと推察します。(どうなんだろうなぁ)
さらにゴジラとの闘いは互角であると描かれています。
そしてその後の作品でも複数のラドンを登場させることはなく、どうやらスター扱いになります。
あ、でも最初のラドンが使っていた口から吹く暴風をやめてしまったのはちょっと惜しい。

Re: 『空の大怪獣ラドン』について - 海軍大臣 (男性)

2025/01/22 (Wed) 21:53:11

ラドンは1950年代のハリウッド製モンスターのイメージをかなり引きづっている感じが強いですね。取り分け巣の入り口近辺に散乱する人骨の場面は「放射能X」からに影響(炭鉱内に出没するメガヌロンもそうかも知れません)が伺える気がします。通常兵器で撃退されてしまう(火山噴火を利用するとは云え)展開も、ゴジラの強大さとはまた一線を画していて、これも洋画クリーチャーに近い属性にも感じ取れます。
 ギドラさんが仰るように「モスラ」は正に東宝怪獣映画の革命で、その内容のみならず本邦怪獣映画として初めて夏休み時期に公開された――即ち、従来以上に児童の集客を強く意識した作品だったとの見方もされていますね。
 あと余談ながら黒沼健さんによるノベライス「ラドンの誕生」では、ラドンは冷凍爆弾なる新兵器によって斃されますが、当初のシナリオのラストではラドンは阿蘇火口に落ちることなく、噴煙の周囲を飛び回るままエンドマークが出される展開だったと伝えられています。

Su Se mu So ta Manda! 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/20 (Mon) 18:55:57

『海底軍艦』4Kを見てきました。

 映像が鮮明になってディティールがよく見えるのは当然として・・・。
『海底軍艦』にはいろいろと思い出があり、何十年ぶりかに大スクリーンで見ることが出来て感激でした。
タイトルが画面一杯に映し出され、メインタイトル曲が鳴り響いた時には本当に目頭が熱くなりました。

 今回は4Kレストア版のクオリティ云々は抜きにして、いま、『海底軍艦』を見て思うことをいくつか書いてみます。

 以前もシナリオのうまさについては書きました。それを改めて強く感じます。
冒頭で誘拐される進藤技師がちゃんと後半で活きてくることに代表されるような周到さが物語を躍動させています。
 天野兵曹が真琴につきまとっていることは最初から映像で見せてはいるものの、進が真琴をモデルにしようと後を付けていることに注目させることで、
楠見に真琴が「変な男につきまとわれている」と話したとき、観客には進のことかと思わせるようなミスリードを確信犯的に行っているのもお見事です。
のちに天野が捕まったとき、そういうことか、とわかる仕組みです。
(シナリオ決定稿ではそこまで凝っていないです。これは本多監督による修正の結果かも)

 また、ムーの手先として23号を前面に出しておいて、海野魚人もまた・・・という二重の仕掛けがいい。

 演出面では視線の芝居が巧みです。
 楠見の秘書として海野にお茶を出す真琴が神宮司の話題が出たことに動揺する様、そして20年ぶり(映画公開年で考えれば18年ぶりか?)に再会した神宮司と真琴の視線の絡み合いは無言演技の名場面です。

 それから、轟天建武隊の面々が見せる見事な軍人っぷり。
立ち居振る舞いが、厳しい規律の中で培われたものであることがよくわかります。
これはやはり本物を知る世代の俳優たちが演じていることが奏効しているのでしょう。
(近年の〝戦争物〟にこのような本物感はない。せめて昔の映画からでも学習してほしいと思う)

 特撮面ではメカ描写の的確さが白眉。
ドックの水密ゲートが上がったとき、ゲートで断ち切られていたレールを補完する部分が横からスライドして出てくるところにはしびれます。
それを特にアップにすることはなく、当たり前のように機能させています。
轟天号の試運転で微速前進するときはドリルを回転させるだけ、というのも納得の描写。
ドリルにはネジを切ってありますから、回転すれば水を後方へ流すでしょう。
ほかにもいろいろあります。

 そして、丸の内の大陥没は簡潔でしかも大迫力。
スクリーンに映るものすべてが下に向かって落ちていくので、大画面で視界を覆われていると、自分も落ちていくような錯覚に陥ります。

 特撮シーンそのほかでは、ムーの今風に言うとドローン爆弾が避難船に当たって爆発する見事な合成カット、ムー潜航艇による船舶爆破シーンでの爆炎連続の「美」、ムー帝国大爆発で水平線一杯に吹き上がる爆煙のスケール感・・。
名場面だらけです。

 しかし、と思うのは、現代の基準ではミニチュアのバレや合成のバレのせいでそれほど感心してはもらえないのだろうなということです。
想像力のセンスや構図・カット割りのセンスはまったく古びていないとしても、それを感知する観客ばかりではありません。
 現代の技術にこのセンスを生かして『海底軍艦』のようなメカ特撮スペクタクルを作れないものかと煩悶します。

 もうひとつ。
『海底軍艦』は反戦映画ではないとしても、反帝国主義の映画であり、戦前戦中に日本を支配していた思想をストレートに批判するストーリーであると言えます。
「お父様のお考えはムー人と同じです」

Re: Su Se mu So ta Manda! - 海軍大臣 (男性)

2025/01/20 (Mon) 21:37:22

 私の方は漸く4Kゴラスを観ることができましたが、4K轟天はちょっと行けそうになくて残念です。
 ゴラスで気になったのは作品中盤、池部良が白川由美と弟君を宇宙センターに案内して南極計画の説明をする場面で、長廻し気味な1カット分の画質が妙に不鮮明だったこと。レストア処理時の手違いなのか判りませんが、何とも残念に感じました。
 レストアされて良かったのは、ゴラスの重力に捕まって動揺する隼号乗員を一喝して窘めた園田艇長が、騒動が収まった後に一人で涙を流しているのがハッキリ判ることです。映画にとって重要なイントロダクション部分を田崎潤が見事に支えていたことが実感されました。
 このキャラを演じたことが恐らく翌年の神宮司大佐に繋がったものと推察されますので、4K轟天が観られないのは無念極まりないです。

Re: Su Se mu So ta Manda! 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/22 (Wed) 19:06:56

 うう、海軍大臣さんは『海底軍艦』4Kを見に行けない感じなんですね。
なんとも残念です。

『妖星ゴラス』より原版フィルムの状態がよかったようで、ゴラスに見られたような画質の不安定さはほぼ感じられませんでした。
 そのゴラスの長回しの不鮮明な1カット。ひょっとするともともとフォーカスが甘かったんじゃないかと思います。
ネガからの4Kスキャン(スキャンは8Kでやっている??)で全体に鮮明になっているため、従来はそれほど気にならなかった輪郭のボケが目立ってしまったのかも。
(もう一度見直さないと確たることは言えませんけれど)

 艇長の涙、はっきり見えました。
田崎潤、日本映画史に残る名優です。(連想ゲームでも大活躍)

続編で怪獣を焦らす必要があるのか? - なんじぇい (?)

2025/01/20 (Mon) 18:20:37

昔ですが、『モスラ対ゴジラ』を初めて修学旅行のバスで見たとき、退屈で居眠りしてしまったことがあります。
恐らくその理由を考えると、旅行の疲れもあったのでしょうが、「もうゴジラが出てくるしどんなのが出るか分かっているのに、焦らす必要はないのではないか」という結論に行き着いていました。

『ゴジラ(1954)』や『ゴジラ(1984)』みたいに、そのゴジラがはじめて出てくるなら分かりますが、続編ならば客はどんなゴジラか完全に分かっているので、どんなのが出るんだろうというワクワクよりもう分かってるんだから早く出せというイライラが出てくるのではないかと思ったのです。
続編でゴジラを相当に焦らしたものは、モスラ以外は『ゴジラ対メガロ』『ゴジラvsビオランテ』あたりもそうですが……


尤も単に予算がないからそんなに怪獣を出せないという理由もあるでしょうが(低予算だと1分くらいしかモンスターや怪獣がでない等もよくある)、仮定として無尽蔵の予算が与えられたとした場合、続編なら怪獣はさっさと出すべきなのでしょうか。

一方、1作目でもさっさとゴジラ(ゴジラになる前の奴ですけど)を出し始めるのは『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』等が挙げられ、最近のトレンドになりつつあります。
恐らく似たような理由でさっさと出せと言う客のファスト映画的な要望に応えたのではないか、もしくは王道をあえて外したと思われますが、1作目においても怪獣はさっさと出すべきなのでしょうか。

焦らし演出に関して、皆さんの意見をお聞きしたいです。
(間違えて別の掲示板で挙げてしまいました。できればそちらは削除していただけると幸いです)

Re: 続編で怪獣を焦らす必要があるのか? 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/20 (Mon) 18:52:51

 受け止め方は人によっていろいろなのでしょう。
私はそんな「焦らし」が好きなんですよ。

 ゴジラが出てくることは解っている、だからこそ出てくるまでにどんな予兆があるのだろうとか、
どんなストーリー背景の中に出てくるのだろうという興味が湧きます。
あるいは何度も見ている作品であっても、そこに至る過程を楽しむ感覚があります。

 もちろん、ゴジラ(やほかの怪獣)が出てくるまでのストーリーに緊張感や面白さがないといけませんけれど。

ゴラス4K 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/07 (Tue) 18:39:13

 2025年一発目に見た映画は午前十時の映画祭で上映された『妖星ゴラス』4Kリマスターでございます。
内容についてはいまさらここで書く話でもないので、リマスターによってどんな変化が生じているかをブルーレイソフトとの比較で書いてみます。
(劇場で4K版を見てから自宅でブルーレイを確認)

 まず冒頭、オープンカーで湖畔に来た水野久美・白川由美のシーン。
セルソフトより明度を抑えているようです。これはモニターの調整で印象が変わる部分ではありますが、私の場合映画を見るのが基本なのであまり明るくはしていません。
ブルーレイソフトの映像が明るめなのだろうと判断しました。
4K版上映ではちゃんと夜に見えます。ロケ映像に繋ぐミニチュアによるロケット発射の特撮カットも同様に夜の暗さを持っていました。
それから、上昇するロケットに対して「お父さんがんばってー」と声をかけるくだりで、セルソフトではコマに欠落があるのか、動きが不連続になるカットがあります。
しかし4Kリマスターではスムーズだったと思います。
別の原版フィルムを使ったのか、デジタル処理で抜けたコマを補完したのか、はたまた私の見間違えで4K版もコマ抜けしてた??
ちなみに全編終了後に「この映画のフィルム原版は国立映画アーカイブが保存管理しています」というテロップが表示されました。
東宝が所蔵しているフィルムではないということなのか??

 そして全編にわたって感じるのは、色調の自然さと色の乗りの良さです。
ブルーレイソフトでは色がべたっと塗りつけられているような印象であるのに対し、4Kリマスターは被写体の色が「撮影」されている(それが自然)ように見えます。
これは明暗の階調表現が豊かになったことに起因するように思います。
それは色の乗りだけでなく被写体の立体感も強めています。

 怪獣マグマの質感がよくわかる!

 それから粒状ノイズを残す処理でした。
フィルムの質感を再現するためだと思いますが、公開当初の状態の良いフィルムだとあれほど粒状ノイズは出ないんじゃないかなと感じるところもあります。 

 音響はオリジナルの4chステレオ、多元磁気立体音響を使っています。
イベントなどで使われた従来の上映用プリントはモノラル音声でしたから、4K版で立体音響も再現されました。
(『モスラ』と同じです。『地球防衛軍』はパースペクタステレオで疑似ステレオでしたが)
しかし、立体音響版冒頭についていたはずの「多元磁気立体音響 パーフェクトステレオフォニック」のテロップは再現されていませんでした。
もうフィルムが失われているんでしょう。
1980年代に池袋東宝で上映されていたフィルムには残っていたのですが・・。

 4Kリマスターでよみがえった『妖星ゴラス』ですが、UHDソフトは当分販売されないんでしょうね。
『モスラ』も『空の大怪獣ラドン』もまだ4Kソフトの発売がありません。
 セルソフトの売れ行きが悪いんでしょうけれど、ファンならソフトも買ってよ~。特典映像ってすごいよ。

Re: ゴラス4K - なんじぇい (?)

2025/01/15 (Wed) 23:25:16

実は本作は観てなかったので、映画館に観に行きました。
意外にもテンポの速い展開と、さりげない風刺が重ね合わさっていて面白かったのですが、記憶喪失の下りは果たして必要だったのかと……
わりかしあっさりなおってその後も話に寄与してないので……
マグマがねじ込まれたという話はよく聞きますが、自分はそちらより記憶喪失の方が気になってしまいました。

来週には海底軍艦の4K、また『逆襲』『対メカゴジラ』『メカ逆』『vsメカゴジラ』の4Kも上映されるのが楽しみです。
https://www.tohotheater.jp/event/godzilla-theater20250110.html

Re: ゴラス4K - なんじぇい (?)

2025/01/16 (Thu) 17:39:08

あ、あとマグマに関しては、

・マグマの死に様が血が出て結構グロい
・マグマがいなかったら東京は水浸しにはなってなさそうなので無駄というわけじゃないのでは

みたいな、とりとめのない感想をちょっと思いました。
個人的にはなぜか飛行機でパイロット達が歌を歌うシーンが本作で一番好きです(いるのあれ? と言われたら映画論は素人なので分からないんですけど)。

Re: ゴラス4K 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/16 (Thu) 18:52:10

 初めての『妖星ゴラス』が映画館、というのはうらやましいです。
大画面でこそ映える映画ですから。

 あの記憶喪失は私も強引だったなと思っています。
クライマックスに向けてどうにか人間ドラマを組み込もうとした結果ではないかと思いますが、
それほど効果的でもなかったような。
亡き婚約者に思いを残す滝子が金井のほうを向くきっかけにはなっただろうと推察できますが、劇中ではそれもはっきりとは描いていませんね。

 マグマの流血について以前から思っているのは、マグマはゴジラやラドンとは扱いの違う怪獣だったんじゃないかということです。
円谷監督は怪獣の流血を嫌ったと言われていますが、それも場合によるのではないか。
マグマはただ体の大きな動物で、超生物という存在ではないので、体を傷つけられれば血を流すというリアリズムに則ったものであろう、と。
このあたりにも円谷英二監督の変幻自在さを感じます。作品に応じて演出法を変えているのだと見ています。

 ヘリコプターでの「おいら宇宙のパイロット」については、長年、レコードを売るための歌唱シーンだろうと思っていました。
しかし近年気がついたのは、そのとき画面に映し出される空撮映像に意味があるということです。
富士山麓の宇宙港を飛び立ったヘリは、山林から田園、住宅地、そしてビル街の都心へと飛んでいきます。
当時の日本の風景を一通り見せているのではないかと思います。
それがのちにゴラス接近による天変地異(地割れ・海水移動など)に見舞われていることになります。
 日本ひいては地球の景色を見せているのでは??
という一つの解釈です。

『海底軍艦』4Kも楽しみにしています。
ゴジラ4K祭りの方は上映劇場が少なくて無理っぽいなぁ。

ゴジラ&東宝特撮OFFICIAL MOOK完結! 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/15 (Wed) 18:29:57

 講談社のゴジラ&東宝特撮OFFICIAL MOOKが1月14日のvol.40で完結しました。
最終号は「行け!ゴッドマン/行け!グリーンマン/行け!牛若小太郎」でした。

 約2年、書店での購入を貫いて完走です。
初めに買っていた書店は10号を過ぎて入荷しなくなり、別の本屋で買う形になりましたが、それも段々入荷冊数が減ってきて買い逃しの危機に見舞われたりして・・。
会津若松で本屋を探して買ったりもしました。(なにしてんだ)

 全40号程度ではこぼれ落ちた作品も多く、東宝特撮を網羅というわけには行きませんでしたが、テレビシリーズには見たことのないものも多く、参考になったことも多々ありました。
全巻購入で、スクリプター鈴木桂子さん所蔵の『キングコング対ゴジラ』シナリオ復刻版がもれなくもらえます。←これが目的で全号購入したかもしれない。
 また10号ごとに抽選でTシャツプレゼントという企画もありました。
私には21号から30号の応募券で当たるへドラTシャツに当選しちゃうというサプライズも。
Tシャツの発送元が講談社児童図書となっていて、講談社では特撮・怪獣は児童向けという扱いであることがわかりました。
いいんです。怪獣は子供が好むものであっていいのです。

画像はへドラTシャツ背中です。渋すぎるセンス!

ゴジラの問題は根深いのではないか - なんじぇい (?)

2025/01/09 (Thu) 16:26:00

「2016年以降から入ったゴジラファンにどう向き合うか」
「ゴジラ映画、究極の二択」
と一部被るのですが、殿様ギドラさんの言う
>私が責めたいのは、作り手側のゴジラに対する認識不足ですね。
に関して、もっと問題は根深いのではないかと思いました。

『ゴジラ迎撃作戦 オペレーションマニュアル』という本のインタビューを読んでいたら、関わっている東宝主要スタッフ及びゴジラ戦略会議の多くが、「『シン・ゴジラ』に憧れて入社し、ああいう映画やアトラクションを作りたいと思って働いている」みたいなことを言っていてひっくり返りそうになったことがあります。
憧れて入社なので、さすがにリップサービスではないなと……

しかしシンから9年近く経つので、いわゆるシンゴジ世代の受け手がそのまま社員になったというのは十分考えられます。
当然次は『ゴジラ-1.0』に憧れて入社し……となるでしょう。
未来永劫作られるという仮定をしたのは実はそういう経緯がありました。
しかし『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』に憧れて入社したゴジラ戦略会議のスタッフに、あれは駄作です、採用しないでなどと言ったところで、「憧れ」でしょうから、どうにもならないのは事実でしょう。
といっても上のループを止めない限り、恐らくこれは無限に続くと思います。

というわけで、皆さんは上の問題に関して、どのような言論及び方法で説得・解決が可能だと思いますでしょうか。



ここから余談です。

ただ、実は私は『シン・ゴジラ』の一部分はすごく好きなので、なぜハマるのかはある程度分かります。ゴジラの出自とかストーリー・矛盾の云々ではなく、一部の細部の描写に激刺さりするパッション的な問題だなと……
駄作だとは思いますが、個人的には好きな作品ということになります。


当時庵野作品をほぼ見てなかった私でも、初日朝イチで本作を見て、熱線シーンで「黒煙→熱焔→熱線」と熱線を生成する過程を初めて克明に描写したことにリアリティを感じた点と、それがちょうど溜めの演出になっていたこと、あと熱線のピーっと言う音がいかにも威力に説得力を与えて泣きそうになったのは覚えています。
細部に関しては、例えば空爆や熱線中に目を瞬膜で防ぐ描写で、「ゴジラじゃないのは分かるが、弱点である目を防ぐ方法として一定の回答を出しリアリティがあるのと、なんとなくカッコいい」みたいな細かい刺さりが積み重なってるだと思っています。
そのようにとにかく情報量を増やして、細かい刺さりを無数に設けることで、どれか引っ掛かって好きになるファンを増やしているんだろうなと考えています。

ただ、シン・ゴジラの好きなポイントはゴジラじゃなくてもできることで、それこそ熱線の段取りはサンダーバード2号の発進描写とかでも良いわけですから、上のような「段取り」や「リアリティを推し進める為の一瞬の描写」を敷き詰めたら、シン・ゴジラファンは喜ぶんじゃないかな、というのが私の個人的な結論です。

ちなみにそんな私でも、『ゴジラ-1.0』の何が刺さるかはさっぱり分かりません。

Re: ゴジラの問題は根深いのではないか - なんじぇい (?)

2025/01/09 (Thu) 18:17:05

追記ですが、『ゴジラSP』が『シン・ゴジラ』の物真似と化したのも、『シン・ゴジラ』に憧れて入社したゴジラ戦略会議のスタッフが大量に存在するからではないかな、と思っています。

Re: ゴジラの問題は根深いのではないか 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/10 (Fri) 18:14:20

 説得、ではないけれど。

 この掲示板でさまざまにやりとりされた『シン・ゴジラ』についての発言を読んでもらうのがいいですね。
その上でそれぞれに考えていただきます。

 一点付け足すなら、作り手に回るということは、ファン意識のままではいけませんよ、と。

個人的な一案 - なんじぇい (?)

2025/01/11 (Sat) 01:37:14

実は、どうにかこうにか1晩考えて、これなら現実的にできるんじゃないかという解決案は思い付きました。

それは『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』に感銘を受けたメンバーに、何に感銘したのか・憧れたかを極限まで具体化させ、1つ1つ考えていただくことではないでしょうか。

単にリアリティがあるからとか熱線がすごいからみたいな大雑把なイメージではなく、「瞬膜」とか「熱線の背鰭ギミック」とか「タバ作戦の自衛隊のリアリティある描写」「無人在来線爆弾」とかです。
もっと細分化及び理由付けする必要はあるでしょうが。

その具体化させた刺さったポイントを取捨選択し、
瞬膜や背鰭ギミックみたいな一時的変形はゴジラにはありか? そもそもそれはゴジラという怪獣ならではの面白さなのか?

無理なら敵怪獣にこういうギミックは面白いのでは

みたいな感じで丁寧にやっていけば、無条件崇拝からは脱却もするかもしれませんし、また仮に瞬膜を新規敵怪獣に設けてもなにも問題ないでしょうから(単に瞬膜を真似ても面白くはないので別のギミックでしょうけど)、ある程度意見を沿わせてより良い作品にできるのではないかな、とは思っています。
さすがにヤシオリ作戦で液体をチューチュー飲むゴジラが好きとか言われたら却下になるでしょうが、取捨選択はどの映画でもあることです。

無人在来線爆弾にしても、あれでゴジラを倒すのは説得力が無さすぎるしあの程度で倒れるゴジラは情けないと感じますが、もっとリアリティやディテールを詰めたら「敵怪獣を倒す際に人類側があれに似たようなものを作ってある程度役に立った」くらいなら可能だとは思っています。
あれが受けたのは、要するにターミネーター1のプレス機や2の溶鉱炉みたいな、身近なもので強い敵を工夫して倒す的なことだと考えているので……

いくらシン・ゴジラのフォロワーでも、『ゴジラSP』が本気で突き詰めて作りたかった作品とは思えない(仮にあの熱線がシン・ゴジラを改良した理想系だと思ってるなら恐ろしくセンスがない)。

それでも、ゴジラにごっつすごい熱線を求めるのはVS世代以降の本能にも似た性(多分ゴジラに神や圧倒的な破壊を求めてそう)を感じるので、完全に殿様ギドラさんの思いどおりにはならないでしょう。
ただ、シンやマイナの真似事をするよりは、分解して具体化と細分化を推し進め、それが本当にゴジラ新作でも行けるとなったら取り入れる等をすれば、現実的な路線としては可能じゃないかな、なんて思っています。


ちなみにこれを出した根拠として、「彼らはシン・ゴジラに拘っていない、恐らく愛着はないから」があげられます。
本当にシン・ゴジラというキャラクターが好きでたまらないなら、『ゴジラ-1.0』のゴジラはシン・ゴジラそっくりになるでしょうし、そもそも『ゴジラ-1.0』ではなく『シン・ゴジラ』の続編を作ろうとする筈です。
それをしないのは、彼らが『シン・ゴジラ』を好きな理由はなにか別のことだと言えるのではないでしょうか(イタコじゃないので何かまでは分からないんですけど)。


長々と書きましたが、どうなんでしょう……

Re: ゴジラの問題は根深いのではないか 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/12 (Sun) 12:56:36

 ゴジラ戦略会議に参加出来るなら、という前提ですね?
それ自体難しい話ではあります。
そこをクリアしたとしても、大きな問題が残ります。

 個々には様々な考えがあるとしても彼らの全体として、「ゴジラのアイデンティティを守る意思があるのか?」どうかです。
近年のゴジラ作品を見ていると、アイデンティティがないのがゴジラであるとでも言いたげです。
そのような解釈をする「文化人」がいたりもします。
 ゴジラにはアイデンティティはいらない(背びれがあればそれでいい?)と考えている人には何を言っても無駄でしょう。

 架空のキャラクターこそ作り手側がアイデンティティを守る努力をしないと元も子もなくなる、という話もすでに書いていますので、
やっぱりこのBBSを参考にして欲しいですね。
ミレニアム時代から情報が引き継がれているなら、ゴジラ関係者はここを読んでいるんじゃ?

 また『ゴジラSP』や『ゴジラ-1.0』などの内容に関しては監督・脚本家の意思が反映したものと見るべきでしょう。
ゴジラ戦略会議が作り手に対していくつかの条件を示しているとしても、具体的な作品内容にまで干渉してはいないと見ています。

*注・私は自分の思い通りのゴジラを求めているのではなく、本多・円谷コンビが作り出した元祖ゴジラの復活を願っています。
元祖ゴジラから矛盾なく導き出される新展開であれば自分の好みに合わなくてもゴジラと認めます。
私はミニラの存在を認めますし、ミニラが嫌いではありません。
けれども、これからのゴジラ映画にミニラをもう一度出せとは思いません。『ゴジラの息子』は面白い映画と思いますし、好きです。
しかし、子育てをするゴジラを見たいわけではないです。

ゴジラ映画、究極の2択 - なんじぇい (?)

2025/01/07 (Tue) 13:08:02

少し前にゴジラから愛想をつかして卒業した人と話していたら、「シンゴジやマイナみたいなのが大ヒットし世間からも絶賛され、それが未来永劫続くくらいなら、『デストロイア』かせめて『ファイナルウォーズ』でゴジラ映画が終わった方がましだった」と言われて驚いたことがあります。

ただ、実際にシンやマイナは絶賛され、賞レースでも勝ち続け、商業的にも成功しています。
なぜか分かりませんがこれが初代ゴジラリスペクトでゴジラの最高傑作で……みたいな評が後をたちません。
新作も山崎貴監督なので、これが続いていく可能性が高いとは言わざるを得ないと思います。

辛い質問になるかもしれないのですが、「変なゴジラが延々と製作・絶賛され続け、ゴジラが歪み続ける未来」と「デストロイアかファイナルウォーズで終了」なら、どっちの方がましなのでしょうか。

あくまで仮定の話なので、前者は未来永劫毎回変なゴジラが出て絶賛され続けるとして考えてください。
ちなみに私はまだ前者の方が、なんでも褒める人は多分旧作も観賞するからましかな、とは思います。

Re: ゴジラ映画、究極の2択 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/07 (Tue) 18:33:57

 難しい設問ですし、もちろん確信はありません。
という前提で、私は「デストロイアかファイナルウォーズで終了」のほうがましと思います。
未来永劫おかしなゴジラが作り続けられてしまうと、本物のゴジラは忘れ去られてしまうんじゃないかと思います。
 それよりは新作がなくても配信や放送・セルソフトでまともなゴジラが鑑賞されていく方がゴジラのためじゃないかと・・。
 たとえ知名度が下がっても、ゴジラが正しい形で認識されていたほうがいいです。

Re: ゴジラ映画、究極の2択 - エクセルシオール (男性)

2025/01/07 (Tue) 21:06:04

 仮に「変なゴジラが延々と製作・絶賛され続け、ゴジラが歪み続ける未来」が終わる時が来てまともなゴジラが復活する可能性が少しでもあるのならばともかく、正真正銘「未来永劫毎回変なゴジラが出て絶賛され続ける」のであれば、私は「デストロイアかファイナルウォーズで終了」の方がましだったと考えます。もう駄目な作品しかできないと分かっているのならば、ゴジラ映画ができるたびに絶望し続けるしかないし、管理人さんのおっしゃる通りいつか本物のゴジラは忘れられてしまうでしょう。

 そうなるよりはまだかっこいいうちに終わってしまった方がゴジラというキャラクターのためによかったことになると考えられます。なお、デストロイアとファイナルウォーズどっちで終わっていればよかったかについては「デストロイア」を推します。私はミレニアムシリーズにはどうにも納得できない点が多かったので。

 もっとも、人のやることに未来永劫はありません。『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』が絶賛される状況には絶望したくなりますが、いつの日か正統的なゴジラが蘇る可能性があると信じております。

ゴジラ映画ベスト・ワースト5 - なんじぇい (?)

2024/12/31 (Tue) 14:20:44

Xとかで時々盛り上がる企画なのと、意外と皆さんのベストやワーストは知らないな……と思ったのでやってみました。
ゴジラ映画のみなので、SPやゴジラザシリーズ等は除外していただけると幸いです。
ベストだけ、ワーストだけ、順不同でも大丈夫です。

言い出しっぺの私からだと
ベスト
1位 ゴジラ(1954)
2位 ゴジラvsデストロイア
3位 ゴジラvsメカゴジラ
4位 ゴジラvsコング
5位 三大怪獣 地球最大の決戦

ワースト
1位 GODZILLA 星を喰う者
2位 GODZILLA 決戦起動増殖都市
3位 GMK
4位 ゴジラ-1.0
5位 GODZILLA(1998)

でした。
ちなみにシンゴジに関してはワースト10には入りますが、上5作の方が自分の中では怒りと退屈度は高かった印象です。
アニメ3部作はスペースゴジラの新作を予定していたという噂もありましたが、立ち消えになったのは良かったのか悪かったのか……

Re: ゴジラ映画ベスト・ワースト5 - エクセルシオール (男性)

2024/12/31 (Tue) 18:57:08

 なかなか5つに絞るのは難しいものですが、悲しいかなワーストの方が選びやすいですね。ベストの方は勝手ながらテーマ性とエンタメ性で分けさせていただきました。

ベスト(テーマ性)
1位 『ゴジラ』(1954年)・・・月並みですが原点かつ頂点です。最後の山根博士の台詞は今でも意義を持ち続けています。
2位 『ゴジラ対ヘドラ』・・・公害問題に取り組んだ名作。ゴジラがやっとのことでヘドラを倒したのに、新しいヘドラが生まれる(?)ラストは実に意味深です。
3位 『モスラ対ゴジラ』・・・平和の使者たるモスラとゴジラの対決。それと、人間の欲望の醜さも描かれていました。
4位 『ゴジラVSビオランテ』・・・ストーリーはかなり強引な所もありましたが、遺伝子操作技術の問題を取り上げていました。
5位 『メカゴジラの逆襲』・・・ブラックホール第三惑星人の文明批評は面白い。また、生物を操ることの問題性にも触れていました。

 次点。意外に思われるかもしれませんが、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』。M宇宙ハンター星雲人の母星の歴史が地球の未来に重ねられ、また、彼らのコンピューター依存も未来の人類の末路かもしれません。

ベスト(エンタメ性)
1位 『キングコング対ゴジラ』・・・徹頭徹尾娯楽怪獣映画の極北と言えます。
2位・・・『三大怪獣地球最大の決戦』・・・最強の宇宙超怪獣キングギドラと東宝三大怪獣の地球の命運をかけた対決。
3位 『怪獣総進撃』・・・不完全な所もありますが、11大怪獣総登場は豪華絢爛。
4位 『ゴジラVSメカゴジラ』・・・新しいメカゴジラとゴジラとの戦いは面白かった。
5位 『ゴジラ』(1954年)・・・いぶし銀の面白さがあります。

 次点。『ゴジラVSデストロイア』。ゴジラが死んでしまう話ですが、最悪の敵デストロイアに命を捨てて挑むゴジラ、ゴジラの死、新しいゴジラが廃墟から立ち上がるラストシーンなど、非常に荘厳なものがありました。

 後、異色作として『オール怪獣大進撃』も挙げておきます。唯一、「怪獣のいない現実世界」を舞台にした作品で、スタッフの創意工夫に満ちた作品でした。私は結構好きですね。

ワースト
1位 『シン・ゴジラ』と『ゴジラ-1.0』が同位です。どちらも気色悪い別の怪獣と化しているのに、「初代ゴジラの魂を受け継いだ傑作」などと評されていて理解不能。
2位 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』・・・ゴジラを太平洋戦争戦没者の魂の集合体にするだけでなく、他の怪獣も護国三聖獣として大改悪。
3位 アニメ映画三部作・・・これも怪獣の設定変更がひどい。それだけでなく衒学的な難語の羅列によるごまかしには怒りを覚えたし、女性キャラの描き方が古臭すぎるのにはあきれました。主人公が「女の子を妊娠させておきながら、無責任に意識不明の元カノと無理心中」という三作目の落ちには頭を抱えざるを得ません。
4位 エメリッヒ版『ゴジラ』(1998年)・・・軍隊にあっさりやられるようなトカゲはゴジラとは言えません。フランスの核実験で生まれたという設定も「自国のことを棚に上げてよくやるよ」でした。
5位 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』・・・ゴジラを「王」にするため他の怪獣に割を食わせた。ラドンの転落ぶりは噴飯ものでした(「ゴマすりくそバード」とか「ぶりぶりざえもん」とか言われてました)。

 なお、通常ファン投票で断トツの最低作品にされることが多い『ゴジラ対メガロ』ですが、確かにダメな映画ではあっても、現状ではワースト映画とは言えない状況にあります。それにこの作品は不思議と嫌いにはなれません。

 以上が現時点の私のベストとワーストです。選から漏れた作品にも良い作品、悪い作品はあるのですが、さしあたりまとめました。それではよいお年を。

Re: ゴジラ映画ベスト・ワースト5 - なんじぇい (?)

2024/12/31 (Tue) 19:28:55

エクセルシオールさん、返信ありがとうございます。

ちなみに、SPを入れたら怪獣プラネットとかネトフリのレジェンダリーゴジラ外伝とかがややこしくなるので除外していますが、仮に入れたら多分ワースト1位です……
KOMのラドンですら大分ましに見せられる改悪、ゴジラはシン・ゴジラの丸パクり&劣化を見せられて、オリジナリティが消滅したシン・ゴジラって何か褒められる点はあるのか、こんなものをクリエイターは本気で出したのかと当時は怒りと困惑でぐちゃぐちゃになったのを思い出させます(シン・ゴジラやアニメ3部作は作者のやりたいことは分かったが、SPは新しいことをやろうとすらしていないので何がしたいのかも分からなかった)。

Re: ゴジラ映画ベスト・ワースト5 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/05 (Sun) 16:15:13

 遅くなりました。
 どういうまとめ方をするか悩みましたが、ここはひとつ主観的な受け止め方でベスト・ワーストを決めてみました。

 まず順不同のベスト4本。
『ゴジラ』(1954) 初めて見たゴジラがこれだったというのも大きいですが、昭和二十年代の東宝映画が持つ空気感に惹かれる面もあります。繰り返し見られるようになったのは1980年代以降で、
何度も見るうちにどんどん評価が上がっていった傑作です。

『キングコング対ゴジラ』 チャンピオンまつりの短縮版を見たのが初めてでした。そのときの映像が脳裏に焼き付いています。ゴジラ熱線の青白い色にしびれました。(当時我が家はまだ白黒テレビ)
千葉東海岸や那須黒磯、富士山などのミニチュアセットがリアル! テンポの良い芝居のやりとりも楽しい快作。

『モスラ対ゴジラ』 熊山・虎畑の悪役っぷりに魅了されます。ゴジラもまた悪役とされていますが、結構間抜けな行動も見せていて、コミカルゴジラが健在なところも好きなポイントです。
モスラ成虫の超絶操演にもしびれます。また、自衛隊が果敢にゴジラに挑むシーンはメカ特撮の側面もあって大興奮。私の拝金主義に対する嫌悪感の原点。

『三大怪獣地球最大の決戦』 怪獣災害とサルノ王女暗殺というそれぞれ別の映画としても成立するストーリーをひとつにまとめた脚本の妙に何度見てもわくわくします。キングギドラ出現の映像は怪獣登場シーンの最高傑作。怪獣たちがそれぞれの意思で自由に動いているのも見ていて心地良いです。(モスラは人間側の使者みたいになってますが)

 さて、第五位が問題で、『怪獣大戦争』と『怪獣総進撃』がほぼ同点。それぞれに一長一短があって、優劣を付けられません。
『怪獣大戦争』はドラマの組み立てに勝りますが、『怪獣総進撃』にはスケールの大きさ、怪獣わんさか登場の魅力があります。

 第七位以下にはVSシリーズも入ってきますが、それはまたの機会に・・・。(なんてもったいぶる)

 ワーストも順不同で5本選ぶと・・・。
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』 白目ゴジラの不格好さだけでなく、なにやら意味ありげにぼやかした語り口が不快であり、怪獣を何かの暗喩として作者の道具にしているあたりも独善性を感じて気持ち悪いです。

『ゴジラFINAL WARS』 薄っぺらな演出に辟易。怪獣たちの改悪も悲惨なもの。ほとんどの怪獣が雑魚扱い。

『シン・ゴジラ』 役人や政治家から聞いた話を怪獣事件に絡めて並べて見せただけの怪作。ゴジラ映画を作ってほしいと言われたことに反抗したのか、全力でゴジラではないものに仕立てたとしか思えない改悪っぷり。賢ぶって科学用語を並べるが、理解していないポンコツ映画。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』 アメリカのオタクが知識をひけらかしたかったのでありましょうか。表面的な理解でゴジラおよび東宝怪獣を好き勝手に転がした駄作。オキシジェンデストロイヤーをなんだと思ってるんだ。映画演出も下手くそ。

『ゴジラ-1.0』 ゴジラを人間の噛ませ犬にするあたり、なんにもわかっていない。そして、一作目の『ゴジラ』を否定するかのごとく昭和22年を舞台にして元海軍軍人に活躍させ、日本人はすごいんだぞといわんばかりのストーリーなのに、ゴジラとされた怪獣の身振りがアメリカの昔のアニメに出てくる猛獣のようなオーバーアクション。ハリウッドにそんなに憧れているのか?なら『原子怪獣現わる』をリメイクしてください。

 さて、これで5本になってしまいました。
 見ていて不愉快なものはまだ何本かありますが、ゴジラ映画としてダメすぎて感情も動かないものもあったりするので、ランクインしませんでした。

Re: ゴジラ映画ベスト・ワースト5 - なんじぇい (?)

2025/01/05 (Sun) 20:51:24

殿様ギドラさんもありがとうございました。
なんというか、ベストが違ってもワーストは皆似たようになるんだな、とは思いました。
アニメ3部作が来なかったことだけは少々意外ではありましたが……

ただあれは世間でも駄作扱いされて興収も悲惨の一言なので、今後のゴジラへの影響はほぼないと言える為、私としては一番の駄作ですが「まあその後に関してはどうでもいいや」みたいな投げやり程度に収まるかもしれません。

2025あけおめ! 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/01 (Wed) 08:09:29

 みなさま、あけましておめでとうございます!
今年の終わりには、なんと21世紀が四半世紀過ぎてしまうことに気がついて、震えております。
 世界平和はまだまだ実現しそうもありませんが、
「戦争をやめろ!」と遊星仮面の台詞でスタートだっ!

 お年賀画像に蛇怪獣を、と思いましたが思いつかないので、コイツです。

Re: 2025あけおめ! - エクセルシオール (男性)

2025/01/01 (Wed) 15:53:16

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

>お年賀画像に蛇怪獣を、と思いましたが思いつかない

 確かに「蛇の怪人」と違って「蛇の怪獣」はあまりいない感じです(もっとも、アニマルパニックものの巨大蛇を「怪獣」と言えるのならかなり増えます)。比較的有名なものとしては、それこそ『キングコングの逆襲』に出てきた大海蛇か、『日本誕生』の八岐大蛇くらいでしょうか。マンダはもともと「万蛇」で巨大な蛇の怪獣になる予定だったという話がありますが、結局東洋の龍を模した怪獣になりました。恐竜タイプとくらべて今一見栄えがしないと思われてきたことが一因のようですね。

 後、管理人様の昨年最後の投稿で『北京原人 Who are you?』の北京原人の「生首」が映った写真がアップされていましたが、私はまだ問題の映画の方は観たことがありません。カルト映画などと言われているようで評判は極めて悪いそうですが、どんなものだったのかなとは思います。
 なお、1997年当時かなりのプロモーションが行われていた記憶はあります。プロ野球がシーズン後にベストプレーヤーズゲームというオールスターゲーム類似のイベントをしたことがあったのですが、その時の始球式が確か北京原人でした。「何じゃこりゃ」と思った記憶があります。なお、この大会は1回こっきりでしたが、流石に北京原人のせいではないでしょう。

Re: 2025あけおめ! 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/01 (Wed) 20:43:16

 エクセルシオールさま、今年もよろしくお願いいたします。

『北京原人Who are you?』は、すさまじい映画です。
お勧めはしませんが、いつか見ておいて損はない、か、も。
科学考証、ドラマ展開、なにもかも気絶するような壮絶さです。
無駄なお色気もあります。
ウパーー!

Re: 2025あけおめ! - なんじぇい (?)

2025/01/02 (Thu) 06:54:00

あけましておめでとうございます。

蛇の怪獣で思い出したのは、台湾の怪獣映画『大蛇王』だったり……
蛇の名前は「モスラ(!?)」で、100m以上あるヘビが軍隊とドンパチやる怪獣です。
確か少女のペットのヘビが巨大化して少女を守ろうとするみたいな話だったような…
https://youtu.be/9ArukAoT8b0?si=WB5ePjiGDATvBd0C

Re: 2025あけおめ! 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/02 (Thu) 18:46:00

 なんじぇいさんも今年もよろしくお願いいたします。

『大蛇王』は知りませんでした。
全編アップロードされているんですね。
クライマックスあたりをちょっと覗いてみたら、光の効果とか日本の作品に似ています。
日本のスタッフが参加してそうな・・。
で、アジアに目を向けたら、『D-WARSディー・ウォーズ』のことをすっかり忘れていました。
録画ディスクも持っているので、12年後はネタにするかも。(覚えているかな)

Re: 2025あけおめ! - 海軍大臣 (男性)

2025/01/02 (Thu) 22:03:30

 遅まきながら、あけましておめでとうございます。

 蛇のクリーチャーと聞くと角川映画「里見八犬伝」の大蛇が先ず思い起こされてしまいます。当時観た時は薬師丸ひろ子ちゃんに絡みついたりしていて、羨ましくてなりませんでした(コラ!)。

 そんなこんなで、本年もよろしくお願いいたします。

Re: 2025あけおめ! 殿様ギドラ (男性)  URL

2025/01/03 (Fri) 18:36:11

 角川の『里見八犬伝』にそんなナイスなシーンがあったこと、まるっきり失念していました。
これも録画ディスクを持っていたはずなので、今後のへび年ネタに考慮します。

海軍大臣さん、今年もよろしくお願いいたします!

2024年もお世話になりました 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/31 (Tue) 18:30:42

 冬木透さんの訃報で悲しい年末になってしまいました。
今年は『ゴジラ×コング』が公開されて、それなりにゴジラ映画にも動きがあった年ではありましたが、
私としては出来がイマイチだったのが残念でした。
 そんなこんなの意見交換をこの場でみなさんと話し合えたのは大きな喜びです。
 発言がなくてもお読みくださる方もいらっしゃったことと思います。

 みなさまに大感謝です。

 お礼に、今夏、須賀川の特撮アーカイブセンターを訪ねた際の写真をアップロードします。
 多分、『北京原人Who are you?』の原人三人の生首とマンモス、トラック野郎シリーズのデコトラとフェアレディZパトカーと思われます。ご笑納ください。
(ゴジラ映画ベストワーストの話題は、年明け、落ち着いたら書きますよ。すごく悩みますけど)

 では、2024年はおしまい!

冬木透さん死去 - エクセルシオール (男性)

2024/12/30 (Mon) 16:09:23

 『ウルトラセブン』や『帰ってきたウルトラマン』等、様々な特撮作品で主題歌やBGMの作曲を行ってきた「ウルトラ音楽の父」冬木透さんが亡くなられたそうです。この方なくして日本の特撮テレビ番組の音楽はなかったでしょう。防衛組織出動時の音楽の通称「ワンダバ」も冬木さんの音楽が起源でした。

 特撮界の重鎮がまた一人鬼籍に入られてしまい、非常に寂しいです。謹んでご冥福をお祈りいたします。

Re: 冬木透さん死去 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/30 (Mon) 18:06:23

 ウルトラシリーズでの冬木透さんの音楽は、音作りに複雑さがあって、子供ながらに高級感を感じたものです。
 そんな音楽体験をさせていただいたことに感謝いたします。

 ご冥福をお祈りいたします。

Re: 冬木透さん死去 - なんじぇい (?)

2024/12/31 (Tue) 17:15:39

初代ワンダバは勇壮というより独特の悲壮感があって、それが防衛チームという役割を引き立たせていたと思います。
謹んでご冥福をお祈りします。

Re: 冬木透さん死去 - 海軍大臣 (男性)

2024/12/31 (Tue) 17:37:56

 冬木透さんによるウルトラシリーズやミラーマンなどのBGMには、どこか讃美歌を思わせる凛冽な響きを感じていました。ジャズや軽音楽を思わせる宮内音楽や泥臭い通俗性が魅力の菊池節と並べてみても、あの頃の児童番組の楽曲の豊かさが際立っていますね。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

Re: Re: 冬木透さん死去 - ルー等級つつ大臣 (男性)

2024/12/31 (Tue) 18:13:36

え~信じられないざます!
今ウルトラセブンのBGM集を聞いていたので尚更ショックざますよ。
冬木先生の作品といえばウルトラのみならずミラーマン、ファイヤーマンといった円谷作品の音楽に貢献してただけにこの訃報は悲しいざます。
(御高齢ですので覚悟はしていたのですが突然の訃報は流石にショック・・・。)
慎んでお悔やみ申しあげます。
合掌
(冬木先生といえば防衛チームが出撃する際のワンダバテーマは印象に残りますねぇ。)

『ブルークリスマス』が放送されます。 - エクセルシオール (男性)

2024/12/18 (Wed) 23:03:53

 SFなのに特撮を使わない珍しい映画『ブルークリスマス』が、BS松竹東急で放送されるそうです。この映画についてはずいぶん前から知ってはいたのですが、まだ観たことがなかったので、これを機会に観てみようと思います。

 確かUFOを見た人々の血が青く変わってしまい、そういう人がどんどん増えていく中、世界の権力者たちが彼らを冷酷に抹殺していく物語だったはずです。なかなか興味深い作品だと思います。なお、途中少しだけ登場する天本英世さんと岸田森さんが不気味で怖いといわれているそうです。

 時間は12月23日の午後8時からです。

Re: 『ブルークリスマス』が放送されます。 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/19 (Thu) 17:44:37

 むむ、これからご覧になる方に先入観を与えてはいけないと思いつつ・・。

 岡本喜八監督は好きですが、『ブルークリスマス』はちょっと、という感じでした。

Re: 『ブルークリスマス』が放送されます。 - 海軍大臣 (男性)

2024/12/19 (Thu) 22:33:02

「ブルークリスマス」はちょうど40年前の年末にも深夜枠でTV放送があって、このときが初見だった友人は翌日に観た当時公開中の「ゴジラ(84)」の日本政府閣僚たちが凄く優しい人間に見えて仕方無かったそうです。
 ちなみに作品中でUFOにスクランブルを掛けた空自のF-104が消滅するくだりは、何だか「2020年の挑戦」のオマージュに感じられてしまいました。

Re: 『ブルークリスマス』が放送されます。 - エクセルシオール (男性)

2024/12/21 (Sat) 11:05:57

 『ブルークリスマス』。確かに興行成績はあまりよくなかったみたいですし、評価もいまいちだったようです(有名な作家の中には支持する意見もあったようですが)。実際、私がこの作品を知った文献では「トンデモ映画」の部類にされていました。ただ、一方で近時は好意的再評価もなされているみたいです。
 いずれにせよ観てみないとわかりませんが、あまり過度な期待は禁物で、ある程度肩の力を抜いて視聴した方がよいみたいですね。

>「ゴジラ(84)」の日本政府閣僚たちが凄く優しい人間に見えて仕方無かった

 『ゴジラ』(1984年)の三田村首相は怪獣映画に登場した政治家の中ではトップクラスに立派なキャラだと評されているので、そう感じるのも当然だと思います。閣僚を演じていた方々は時代劇で曲者や悪者を演じている方が少なくなかったのですが、三田村首相を演じた小林桂樹さんの誠実な雰囲気がメンバーの「悪者臭さ」を凌駕していました。
 

Re: 『ブルークリスマス』が放送されます。 - 海軍大臣 (男性)

2024/12/21 (Sat) 17:45:08

 >閣僚を演じていた方々は時代劇で曲者や悪者を演じている方

 たしかに三田村内閣の閣僚を演じられた金子信雄、加藤武、折本順吉、鈴木瑞穂って、本作の10年ほど前の東映実録路線では広島を舞台にして激しい抗争を繰り広げていた面々(鈴木瑞穂はマスコミ関係の役でしたが)だったのですよね。

Re: 『ブルークリスマス』が放送されます。 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/22 (Sun) 16:07:59

>あまり過度な期待は禁物で、ある程度肩の力を抜いて視聴した方がよいみたい

 そうそう、それです。
私が初めて見た時には期待感が高すぎたかもしれません。

『ブルークリスマス』を観ました。 - エクセルシオール (男性)

2024/12/28 (Sat) 23:03:51

 12月23日に放送された『ブルークリスマス』を視聴しました。「異物」を抹殺しようとする権力の恐ろしさ、現実社会ではそんなことを許してはならないというテーマを持った作品だとは思うのですが、いささか疑問も抱いてしまう内容であったことは否定できません。

 その一番の理由は「主人公が途中で変わってしまうこと」です。映画が始まって中盤までは間違いなく、真実を追い求めるテレビ局員である南が主人公として物語が展開されていたのですが、彼は権力に阻まれて挫折し、その後はほとんど出てきません。後半になると青い血を持つようになった人を抹殺する特殊部隊の隊員、沖が主人公になって、結局最後まで行ってしまいます。2時間ちょっとの映画なのに前半と後半で主人公が交代し、しかも真逆の立場のキャラなのです。両者が対決する展開にもなりません。これでは物語が分裂しているようにしか思えませんでした。正直、主人公はどちらかに固定しておくべきだったと考えます。

 また、UFOを見た人は血が青くなって心が穏やかになるのですが、それを危険視した世界中の権力者はひそかに一致団結して抹殺に乗り出します。なんとも恐ろしい展開ですが、よく考えてみると変な感じもします。為政者たちは宇宙人との全面戦争も構わないという姿勢を貫いているのですが、「それはまずい。勝ち目があるのか」と考える者だっていそうなものです。その辺練りこみが足らない感じがします。
 もし仮にこの事件が「宇宙人が地球人類を宇宙の脅威として滅ぼすべきか否か」を決めるテストだったら、人類はおしまいでしょうね。

 物語はバッドエンドで終わります。後味は非常に悪いです。バッドエンドを全否定はしませんが、そのためにはハッピーエンドよりも緻密にストーリーを構成する必要があるでしょう。本作品はそれができていたようには思えず、まじめなテーマも活かしきれなかった感じがしました。

Re: 『ブルークリスマス』が放送されます。 - 海軍大臣 (男性)

2024/12/29 (Sun) 11:52:15

 エクセルシオールさんの仰られる作品の欠点、たしかに以前から指摘する声が大きかったですね。地球規模の謀略を「複数の視点」から描いていく、との作者側の意図は汲めますが、必ずしも上手く作用していなかった感じです。
 映画化の1年以上前に映画誌に発表された初期シナリオでは、海外の著名な学者が「人類の定義」としての血液の色に触れた論文が発表されるくだりや、青い血の人類を抹殺する決断に苦悩する米大統領の描写(予告編で使われている「ヒトラー云々」のセリフはその残滓)が出て来たりで、ただ血の色が異なるという一点だけを理由にして「人類がまったく別の存在に変質してしまうのじゃないか」とする得体の知れない不安や差別意識が蔓延していく様子が丹念に描かれていました。
 この初期シナリオで特に驚いた差異は、主人公の自衛官・沖の恋人(竹下景子)を射殺するのは別の工作員であり、沖は恋人がターゲットになっていることを知りながらも、自身は他の「青い血」の人間たちを射殺しまくる形のまま(つまりは明瞭に粛清する側に取り込まれた形で)物語がエンディングを迎えることです。

 こうした展開が実際の完成作品へと改稿されていった細かな経緯は不明ですが、脚本担当の倉本聰氏は「本作はSFとして書いていない」と発言される一方、岡本監督夫人は後になって「これを喜八監督はラブストーリーとして撮っている」といった主旨の発言をされていた筈で、その辺りの行き違いも非常に興味深く感じました。

 あと最近一部で話題になった逸話ですが、本作のポスター等の宣材で使用されている「男女のシルエットのイラスト」が描かれる際に、逃げる女性の背後に銃を提げて立っている男性のモデルを演じたのが、なんと「マツケンサンバⅡ」でお馴染みのマーシーこと真島茂樹氏(当時は日劇ダンシングチームに所属)だったそうで、なんとも意外な感じです。
 

Re: 『ブルークリスマス』が放送されます。 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/29 (Sun) 18:35:08

 最後に見てから結構時間がたつので記憶が曖昧な点もありますが、
私が感じた物足りなさは、差別問題を扱っているのに、差別意識が発生する過程を描いていない点でした。
 ちょっとした差異でも差別の対象になり得るというのは事実でしょうけれど、人間が持つどんな性質が差別を呼ぶのかまで描いてくれないと表現として弱いです。
もうひとつは、UFOがただ目撃者の血液を青くするという役割しか負っていないこと。
UFO(宇宙人)がストーリーを引っ張る必要はありませんが、もう少し「何か」やって欲しかったです。自衛隊機との小競り合いだけでは・・・。

大きさ1mmでも怪獣なのか? - なんじぇい (?)

2024/12/28 (Sat) 03:40:49

昔話題になったことですが、『ウルトラセブン』のキングジョーや宇宙細菌ダリー、『ウルトラマン』のピグモン、ブルトン、『帰マン』のプリズ魔は怪獣なのか? という話がありました。

仮に大きさ1mmのダリーが怪獣なら大概のフィクション微生物は怪獣になり、等身大しかなく岩をぶつけられて絶命するくらい弱いピグモンが怪獣でも、仮面ライダーの怪人や巷溢れる大概のクリーチャーは怪獣になると思います。
ブルトン・プリズ魔のようなよく分からんやつの場合は、エヴァンゲリオンのラミエルみたいなよく分からない巨大構造の生命体ですら怪獣になりそうです。
只の搭乗型巨大ロボのキングジョーが怪獣なら、ガンダムやマジンガーZは怪獣を名乗れるでしょう。

まあ、制作者が怪獣と思うなら怪獣なのでは? くらいのユルい判断でいいのではないかとは思うのですが、どうなのでしょう。
(そう考えたら『怪獣8号』も怪獣漫画と名乗っていいのでしょうが、王道ではなくウルトラマンで言うプリズ魔・スフラン・アイアンロックスみたいな変なやつしか出てこないから違和感を覚えるのかもしれない)。

Re: 大きさ1mmでも怪獣なのか? - 海軍大臣 (男性)

2024/12/28 (Sat) 22:45:15

「怪獣」という言葉はどうやら大陸由来の漢成語に当たる様です。それが我が国で広く大衆文化として認知されるようになったのは江戸後期の瓦版などの読み物で珍獣や現在で云うところのUMAが取り扱われて評判になった辺りからじゃないかと思われます。
 しかし、それは単なる大猪だったり奇形の蛇だったり或はまったくの想像上の生き物だったりするなど、文字通り「あやしい生物」との意味合いが強めで、ゴジラ以降の「怪獣」のパブリック・イメージとは微妙に違っている気もしますね。
 で、それが「太古の恐竜に似た巨大生物」といった意味合いを持ち始めたのが1920年代の少年倶楽部で連載されていた冒険小説『暴れ大怪獣』(江見水蔭)の影響ではないかと想像しています。題名にある怪獣とはモンゴル近辺に突如出現して暴れ回る古代恐竜を指していて、しかも実はその正体は秘密結社が製造したロボット(要は出現時のメカゴジラの艤装態みたいな感じ)だった、とのオチが付く訳なのですが、この小説は当時の学童たちの間では吉川英治「神州天馬侠」と人気を二分するほどの話題作だったとされていますから、我が国のサブカルチャーに於ける「怪獣≒恐竜」といったパブリック・イメージを根付かせる大きなターニングポイントになった筈です。
 従って、そうした下地があった故に、リドサウルスの登場する作品の「原子恐竜云々」の題名も違和感無く受け入れられた筈ですし、映画「ゴジラ」の誕生がイメージ定着の決定打になったことは容易に想像されます。

 そしてゴジラ、リドザウルスを通じて普遍化された「太古の恐竜に似た巨大生物」のイメージは、怪獣というキャラクターの祖型(アーケスタイプ)として純化される一方で、映画興行の常としての続編や類似作品の量産(勿論、TV作品の濫作化も含めて)に伴い、そこには様々な怪獣の発展型(バリエーション・モデル)が創造されていくことになるのですから、更に突飛な発想としてのダリーやブルトン、ブンダーといった「変わり種」も生まれるべくして生まれたことになるのでしょう。ただ、なんじぇいさんが仰る「王道ではない/変なやつ」ばかり出してくる、というのは何とも作り手側の自己満足のようにも感じられてはしまいますが。

 そこでふと思い起こされるのが以前述べた昭和30年代初頭の幻に終わった「第0次怪獣ブーム」の顛末です。「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」の大ヒットが呼び水になって邦画各社で企画されていた「八頭獣」(松竹)、「ギョードラゴン」(新東宝)、「怪人ラプラス」(日活)などが実現されていたら、そうしたクリーチャーたちは如何なる姿を持ち、そして互いに影響し合って後の国産怪獣映画にデザイン面で如何なる影響を及ぼしていたか、想像してみるだに惜しい気がしています。
 

Re: 大きさ1mmでも怪獣なのか? 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/29 (Sun) 18:33:24

 怪獣の条件とは何かと考えても、どうにもはっきりした規定が思いつきません。
それでも怪獣とはこういうものだという観念は心の中にあるようです。

 異形であればそれでいいわけではなく、巨大であることが絶対条件でもなく、破壊者というだけでもない。

 それぞれの事例をどう感じたか、と己の感性と対話していくしかなさそうです。
キングジョーに対しては怪獣感が薄いなと感じますし、同じロボットでもメカニコングのほうが怪獣らしいと感じます。
(やはり怪獣とは生物であることが基本なのか? メカニコングはキングコングを模したロボットだから怪獣らしいのか?)

 あるいは、謎めいた存在であることも必要であるように思います。
(それを言い出すとロボット怪獣のほとんどが落選する。だからこれも絶対条件ではない)

 小さいよりは大きいほうがいい、人間に近いよりは野生動物的な方がいい、弱いよりは強い方がいい、秩序より混沌を呼ぶほうがいい・・・・。
様々な条件の組み合わせのバランスで怪獣らしくなるのではないかと考えます。

(バキューモンにまでなると、もはや怪獣とは思えない)

 怪獣とされていても怪獣に見えないものもいるし、怪獣ではないものにも怪獣っぽいものがあるというややこしい状況ですね。
言葉で規定するより前にまず、感じることが大事で、感じたことをどう解釈するかです。

 私が怪獣に必要と考える条件には、人間と同じような欲望(物欲や権勢欲など)に毒されていないこともあります。

 どうも上手くまとまりませんね。

最近流行りの形態変化怪獣 - なんじぇい (?)

2024/12/25 (Wed) 15:25:27

形態変化する怪獣についての話ですが、一口に形態変化と言っても自分は3パターンあるのではないかと思っています。

①卵→幼虫→サナギ→成虫のモスラみたいに生物上既にどうなるか決まっているもの
②VSゴジラ、マイナスワンゴジラのように外部から影響を受けて意図せぬ変化をしたもの
③ヘドラ、デストロイア、シン・ゴジラのように自主的にどんどん変化・強大化し予測不能なもの

この内①に関しては単に子供から大人になってるようなものですが、最近は③の怪獣が増えているように思えます。
シン・ゴジラやSPゴジラ以外にもレジェンダリーゴジラも自主的に強化する③のパターンに入ったことを思い、初めてそう感じました。
多分その方が「その先はどうなるんだ」という妄想というか二次創作欲が深まるからではないか、もしくは形態を変化させればストーリーも動かしやすく、新グッズを作りやすいのではないかと思っているのですが、形態変化でどのパターンが好きかとか形態変化怪獣に対する感想など、皆さんの意見を聞けたら幸いです。

Re: 最近流行りの形態変化怪獣 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/26 (Thu) 18:21:02

 怪獣一般のことで考えれば、本当に間口が広くて、大きくなくても生き物でなくても怪獣の範疇に入るものがあります。
(別の見方をすれば、もっと深い部分に怪獣たる所以があるのでしょう)

 形態変化する怪獣もありですよね。

 形態変化となると、その怪獣の個性を形作る性質ですから、出自や生き物(ロボット怪獣てのもあります)としての設定にマッチすればどのパターンの形態変化でもいいと思いますよ。

 そういえば、ジグラは水中と陸上では形態変化しているように見えます。
あまり変形していることをアピールしてはいませんが、あれも形態変化でしょう。
そんな風に状況に応じて体を変化させる怪獣もいいんじゃないかと思っています。
 陸上形態、地中形態、水上形態、水中形態、飛行形態さらには宇宙航行形態と可逆的に変形する怪獣っていましたっけ?
 ギララに少しその気はあるかも。

(念のため。ゴジラは変形しない怪獣です)

2025年ゴジラ新作 - なんじぇい (?)

2024/12/24 (Tue) 19:14:43

来年のラインナップにゴジラ映画の新作が入っているそうです。
これだけ短いスパンなら、やはり山崎ゴジラの続編だと思います。

https://s.cinemacafe.net/article/2024/12/23/96419.html

Re: 2025年ゴジラ新作 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/26 (Thu) 18:04:28

 84ゴジラも当時はヒット作の部類に入っていたと記憶します。
しかし、その後5年間続編は作られませんでした。

 製作サイドにどんな判断があったのかは想像するしかないですが、
ヒットすれば続編を作る、という安易な考え方ではなかったんじゃないかなと思っております。
(当時はゴジラファンも気に入らないものにはダメだししてましたしね)

2016年以降から入ったゴジラファンにどう向き合うか - なんじぇい (?)

2024/12/19 (Thu) 16:37:21

殿様ギドラさんの世代とVS世代に関してもある程度見解に境目があるように見えます(例えば赤い熱線は自分はメカゴジラ戦に関しては「ラドンと融合したからそのエネルギーで赤くても問題ないのでは」と思っている)。
個人的には全て意見が一致するのは逆に気持ち悪いと思っているので、大本はともかく細部に関しては争う気はあまりないのですが、2016年以降のシン・ゴジラから入ってきた世代とはそれを遥かに超えた決定的な境目があると感じています。

その世代に関しても2016年の『シン・ゴジラ』と2023年の『ゴジラ-1.0』では7年も経っており、また違うような気がしますが……

ですがマイナスワンでは恐らくシリーズを作りそうな気配がしているので、続編のヒット次第では本当にマイナスワン世代と化しそうな気配がします。
シンゴジやマイナスワンから好きでゴジラに入った人に、「それは面白くないしこれが本当のゴジラなんです」等と言っても老害扱いか、自分の好きを否定する不快な奴だと一蹴される可能性が高いでしょう。
そもそも第一印象で面白いと感じて入ってきた人の感情を覆すなどというのは不可能に近いというのが事実だと思います。


というわけで、これらから好きで入った人に、どういう感じで触れていけばいいとなるのでしょうか。
一応としては、好きな箇所で過去のゴジラと似てる箇所があれば、それを勧めるみたいなのは考えられますが……
仮にヤシオリ作戦・海神作戦が好きとか、変形するのが好きとか言われたら沈黙する他ありません。

ちなみに、かくいう私も実はシンゴジの熱線シーンだけは好きです。恐らくですが、最初は黒焔そして熱焔、最後は熱焔が収束してビームになるという一連の段取りが溜めとリアリティを感じられて好きなんだろうなと(ダークソウルなどでもその後同じような演出が見られており影響が大きそう)。

Re: 2016年以降から入ったゴジラファンにどう向き合うか 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/19 (Thu) 18:00:03

 私のやり方は、改変される前の元祖ゴジラの魅力を語っていくことです。
 そこには、別種のものにゴジラと名付けるのは不当だという意見も含まれますけれど、
何も知らないまま近年の改変「ゴジラ」映画を面白いと思っている人を責めるつもりはありませんし、
彼らの考えを変えさせようとも思いません。

 もし、シンやマイナが好きだという人と接点を持ってしまったなら、
元祖ゴジラとの違いを語り、ゴジラと名付けられていても別のものであることは解ってくださいと言うでしょう。

 私が責めたいのは、作り手側のゴジラに対する認識不足ですね。

大人のファンのモラル - エクセルシオール (男性)

2024/12/14 (Sat) 23:50:41

 特撮やアニメのファンの場合、子どもをメイン対象とする作品が好きという人は少なくありません(特に特撮テレビ番組など明確に大人向けの作品はほとんどない)。それはそれで何も悪くはないのですが、中には恐ろしくモラルの欠如した者がおり顰蹙を買っていることも事実です。そのため公式側が対応に苦慮しているのだとか。

 最近、子ども向け作品の代表の一つであるプリキュアシリーズのイベントで大人のファンの行いが目に余り、とうとう公式側が「コスプレをした大人は入場禁止。それ以外の者も奇声や大声を出したり、子どもを怖がらせたりしないようにしてほしい」という警告を出したというニュースを目にしました。
 このような問題はウルトラマンやスーパー戦隊、仮面ライダー等のイベントでも多発しており、大人のファンが子どもを押しのけて前に陣取ったり、握手会とかでも大人ばかりが並んだり、金にものを言わせてグッズを買い占めたりしているのだとか。頭が痛くなってくる話です。

 「ある作品が好きであることに年齢は関係ない」。これはその通り。しかし、大人である以上良識とマナーは守らねばならないはずです。それができなければ「大きなお友達」(これ自体皮肉ですが)どころか、「大きな悪ガキ」です。子どもをメイン対象にしている作品の場合、イベントも子どもが最優先で大人は一歩引くべきですし、グッズ等も子どもが手に入れられるように配慮しなければなりません。

 それにしても、かくのごとき愚行を行うタイプのファンは、一体彼らが愛する子ども向け作品から何を学んでいたのでしょうか。ほとんどの作品でそのような身勝手は悪い事として扱われていたことを考えると(一部の狂った作品を除いて)、はなはだ理解に苦しむ話です。

 そういえば2013年に放送されていた10作目のプリキュアの敵が、そのままずばり「ジコチュー」という奴等でした。プリキュアイベントで問題を起こしている大人のファンはまさに「プリキュアの敵」と化していたわけで、これはもうブラックジョークですね。

Re: 大人のファンのモラル 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/15 (Sun) 17:11:52

 そんなことになっているんですね。

 子供にも解るような倫理観を持ち合わせていない輩が何を考えているのか、
身勝手というだけでは済まないように思います。
(子供を怖がらせるような行為って???)
といって法律で縛るような問題でもないでしょうから、本当に頭が痛いですね。
そして非常にキモいです。 

Re: 大人のファンのモラル - エクセルシオール (男性)

2024/12/16 (Mon) 20:58:45

>子供を怖がらせるような行為って???

 まず、大人(特に男性)が大声や奇声を発するだけで、小さな子どもを怯えさせるには十分です。そのうえ手を振り回したりジャンプしたりするのですからなおさらです。
 それだけではなく子どもに話しかけたりすることもあるそうです(保護者に断りもなくです)。知らない大人にいきなり話しかけられたら怖がってしまう子がいるのは当たり前ですが、悪質なファンは全く想像力が働いていません。

 また、2023年にはプリキュアの自作着ぐるみを作った大人(男性だったそうである)が、それを着て子どもが集まる公園等に出没し、握手したり、子ども(大半は女児)に抱きついたりすることを楽しんでいたとか(なお、子どもの中には感覚的に気色悪さや不気味さを感じて近寄らなかった子もいたそうです)。犯罪に悪用される危険性もある行為であるため批判が相次ぎ、これまた公式側が「公共の場所でそんなことはしないでほしい」と注意喚起をしていました。
 もしかしたらプリキュア以外にも、全国津々浦々にウルトラマンや仮面ライダーの自作着ぐるみを着用した不審者がうろついているかもしれません。これはかなり怖いです。
 
 悪質なファンの暴走が止まらないのは、大人であるためグッズ等の「大人買い」ができるため、「これだけ金を出して支えているのだから、その分だけ優遇されて当然である」という発想がある事が一因と評されています。作品への「愛」を投じた金銭の多寡で測り、その作品の発するメッセージを蔑ろにする姿勢には、心が寒くなってきます。絶対に同類にならないように戒心しなければなりませんね。

Re: 大人のファンのモラル 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/17 (Tue) 18:23:54

 絶句です。
 酷いものですね。
その上、
>「これだけ金を出して支えているのだから、その分だけ優遇されて当然である」という発想がある事が一因

とは、カオナシか???

Good news!(ハロルドコンウェイ風に) - 海軍大臣 (男性)

2024/12/12 (Thu) 22:23:08

 な、何と、つい先日発売の「文藝春秋」今月号の表紙画に、我らがゴジラが使用されておりますぞ!

 興味のある方は是非お手に取られてくださいませ!
 
 以上、取り急ぎご連絡まで。

Re: Good news!(ハロルドコンウェイ風に) 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/13 (Fri) 18:19:55

 ゴ、ゴジラだぁっ(田武謙三風に)

 これはシンでもマイナでもなく、ゴジラ、ですね。
https://bunshun.jp/articles/-/75405

細かすぎて伝わらない『ゴジラ』の話 - 海軍大臣 (男性)

2024/12/06 (Fri) 00:00:47

 先月、第一作『ゴジラ』がNHK・BSで放送された際に界隈で少し話題になった話です。

 本作品の後半、芹沢たちがオキシジェンデストロイヤーをゴジラに対して行使する場面で、冒頭からの上映時間にして89分53~54秒の辺りで、潜水服姿の人物が左右裏焼き処理されたカットが出てきます。潜水ヘルメットや胸元の記入されているナンバーの「2」の文字が左右反転した鏡文字になっているので容易に見分けることが出来るため、このカットの存在は以前から一部ファンの間でも知られていた様子です。
 で、何故このような処理がされたのか?については単純に「人物の方向性を統一するためだろう」との一般的な意見が囁かれていたのですが、しかし、よくよく考えて見ると、本来この「№2」の潜水服の人物は芹沢博士であり、物語の進行上、このカットの時点では未だオキシジェンデストロイヤーを抱えていなければならない筈なのに、何故か尾形(№.5の潜水服を装着)と同様に海中ライトを手にしていることから、飽くまでも作り手側はこの人物は尾形であるとの明確な意思を持って撮影しているものと判断されます。
 だったら、何故こんなことになったのか?との疑問が当然湧いてくる訳で、あれこれ考えた末に一番シックリくる理由が、撮影の途中で尾形役(No.5)の潜水夫に何か不具合が起ったため、苦肉の策としてNo.2の潜水夫に海中ライトを持たせて(実は持ち手が逆になってしまっているのですが)代役として必要なカットを撮影し、ヘルメット等に記入されている「2」は左右反転させて誤魔化そうとした(でも「5」には見えないのが苦しいのですが)のじゃないか、との推測です。勿論これは飽くまでも想像に過ぎないものではありますが、当時のカツドウヤらしい臨機応変な現場処理として、如何にも考え得ることではないかとも思われます。

 と、ここまでは未だ良かったのですが、実はこの話が出た後に改めて問題の海中場面を見直したところ、何と他にも都合3カット分、同様のフィルムを左右反転して焼いているカットを見つけてしまったのです。
 同じく冒頭から89分12~20秒附近にある、尾形、芹沢それぞれが画面左手へ移動していく際の2カットと91分28~31秒附近のオキシジェンデストロイヤーを作動させた芹沢が画面右手に後ずさりするカットがそれに当たります。
 この3カットは、先に上げた潜水具の数字が明瞭に見て取れる正面からの構図とは違い、横向きの姿を捉えたものなので判り辛いかも知れませんが、実は本来ならば潜水ヘルメットの右後側頭部に付いていなければならない筈の浮力調整用の排気弁(キリップと呼ばれています)が、いずれも左側に写っていることから判別できました。(前述の様に右手に所持している筈のライトやオキシジェンデストロイヤーが左手に替わっていることでも判別はできますが、何故か正常な撮影をしているのに持ち手を替えてしまっているカットも一ヶ所混在しているので、それだけでの判断は不正確になってしまうため要注意です)。
 では何故この3カットが反転処理されているのかが疑問として残る訳ですが、「人物の方向性の統一」という理由は当然としても、画面上の上手/下手の関係性は撮影の際も厳しく意識されているでしょうから、動かす方向を間違えて撮っていたとは考えられません。
 で、ふと思い至った理由というのが、この送気式潜水具を用いた海中撮影での稼働範囲の問題だったのじゃないか、といった部分です。現今のアクアラングとは異なり、本作に使用されている潜水具はコンプレッサーを積んだ作業艇から長いホースで繋げられた状態での海中作業を余儀なくされる以上、そうそう自由に動き回れはしないと思われ、加えてカメラを収める防水プリンプの性能も考慮すると、この海底を歩行する一連の撮影は、カメラを向け得る狭い範囲内を潜水夫が復行する形(いちいちスタート地点に戻るのは時間や体力の問題で不効率)で実施され、人物の向きに問題のあるカットは適宜修整された、と見るのが整合性のある着地点ではないかと考えています。
 これも又、勝手な想像に過ぎないものではあるのですが、しかしこの一事を以ても尚、第一作『ゴジラ』にはまだまだ解明されねばならない謎が秘められていることを今更のように感じてしまいます。
 

 

Re: 細かすぎて伝わらない『ゴジラ』の話 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/06 (Fri) 19:28:09

 もう、げげげ、です。
 裏焼きカットには全く気がついていませんでした。

 というわけで、私も確認してみました。

 うーーーん、撮影後に方向性の不一致に気づいて反転させたカットもあるような気もしましたが、
撮影時に裏焼き前提で撮ったんじゃないかと思われるカットもありました。

 尾形・芹沢が潜水を始めたときには尾形は右手に電灯、芹沢も右手にオキシジェンデストロイヤーを持っていて、顔のアップや岩のアップを挟み、
着底してから前進(右から左へ)するカットになると尾形の電灯は右手ですが、芹沢は左手にオキシジェンデストロイヤーを持ち替えています。
水面の泡のカットを挟んで再び前進する二人それぞれのカットになると裏焼きになります。
 ここで、尾形役の電灯を持つ手が左手になっているのはミスかとも思うのですが、芹沢役のカットではちゃんと左手にオキシジェンデストロイヤーを持っているのです。
この裏焼きは現場判断ではないかと思う次第です。海軍大臣さんの推測が当たっているのではないでしょうか。
 もうひとつ。浮上する尾形のカット(裏焼きではない)で間違いなく2番スーツが電灯を持って上昇しています。これも5番スーツに不具合が出た可能性を示唆しています。

 でも前進する二人それぞれの2カットの次、二人を正面から捉えたカットでは、電灯もオキシジェンデストロイヤーも右手に持っているので始末が悪いです。

 それと裏焼きの可能性を考えると、1番と8番にすれば良かったのに、なんて。

 オキシジェンデストロイヤー作動後に後ずさる(画面左から右へ)芹沢のカットが裏焼きなのは、撮影時の方向間違いをポスプロで修正したためかと思いました。
そんなこんなも、水中撮影にはスクリプターが同行出来なかったための乱れかもしれません。

Re: 細かすぎて伝わらない『ゴジラ』の話 - 海軍大臣 (男性)

2024/12/07 (Sat) 21:56:31

 尾形が浮上する場面で№.2の潜水夫が写っているのは編集ミスとか云われていましたけど、たしかに「うっかり裏焼するのを忘れていた」と考えた方が正解でしょうね。仰られるように記録を取るスクリプターさんが同行できなかった部分が思いっ切り効いている気がします。
 余談ですが、この手の送気式潜水具の場合、作業中にガイドロープや電纜が絡んで身動きが取れないアクシデントに備えて、潜水夫はナイフを携帯することは必須だったそうです。
 あと、10年程前に東京用賀の美術館で開催された東宝映画展では、この時に使用されたNo.2の潜水具が展示されていて、物持ちの良さに驚嘆させられた覚えがあります。

Re: 細かすぎて伝わらない『ゴジラ』の話 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/09 (Mon) 18:44:06

 ナイフは潜水夫の標準装備だったんですね。
『ゴジラ』劇中で芹沢がナイフを取り出すことは、彼が独自に準備していたとしてもそれほどおかしなことではありませんが、
ナイフを持っていて当たり前であったほうが尾形に怪しまれないことになるので、より自然な流れになりますね。

 10年ほど前の東宝映画展というのは世田谷美術館での東宝スタジオ展ではありませんか?
潜水具の展示についてはすっかり失念しておりまして、会場で買った図録を見ても美術監督たちのデザイン画ばっかり載っていて、
そのほかの大量な展示物がほとんど載っていないという残念さ。
 なにか資料が残っていないかと当時の手帳をめくってみると、ありましたありました。
展示物をメモっていました。『ゴジラ』コーナーに「潜水帽」と書いてあります。
『ゴジラ』のために潜水具を用意したことにも改めて驚きます。
専門業者に委託して潜水演技をしてもらったなら、潜水具も業者のものをレンタルしそうなものです。

Re: 細かすぎて伝わらない『ゴジラ』の話 - 海軍大臣 (男性)

2024/12/10 (Tue) 16:48:45

 そうでした! たしかに世田谷美術館での特集展示の際のものです。
 この№.2の潜水具は最近でも何処ぞのゴジラ博に出品展示されたそうです。

 あと、これは大変に野暮な話ですが、問題のオキシジェンデストロイヤーを使用する場面でリアルガチな話をしてしまうと、身長50mのゴジラがスッポリ収まってしまうほどの深度から海面へ一気に浮上してしまうと、急激な減圧のために血管中に気泡が生じてしまい、肺や脳の血管梗塞を起こしてしまう危険が高いので、送気式潜水の場合、潜水夫は浮上途中に数度にわたって10分間程度ずつ静止して、身体を慣らさねばならないそうなのです。
 でも劇映画である以上、そうした部分は省略して描くのが正解だと思われ、これもまた以前に取り上げた「映画の上手な嘘」なのだと考えています。

Re: 細かすぎて伝わらない『ゴジラ』の話 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/12 (Thu) 16:19:59

 ゴジラの身長+αぐらいの水深から浮上する時も、段階的にゆっくり上昇する必要があるんですね。
『ゴジラ』での描写ではそこまで時間をかけて浮上しているようには見えないとはいえ、
ぎりぎり映画的時間省略とも言えないことはない(ちと苦しいか)のでセーフの範囲かと。
(もし1カットで尾形が海底から海面まで上がっていたらアウトかも)

ゴジラ対エヴァンゲリオン2 - なんじぇい (?)

2024/06/12 (Wed) 15:57:22

どうやら好評だったのでパチンコで続編が出るみたいです。
レイが小美人になったり、アスカがオキシジェンデストロイヤーを作るのではないかという話もあるのですがどうなのでしょう。

シン・ゴジラが出た当時のコラボではアスカは芹沢博士役になって、オキシジェンデストロイヤーを発明したという設定でグッズが出てたりしてました。
https://www.suruga-ya.jp/product/detail/994934386?tenpo_cd=

なお、スロットでもゴジラ対エヴァンゲリオンは出て生まれて初めてスロットをやりましたが普通に負けました(分かったのはVSモスラがシン・ゴジラを倒したら使徒ギドラが来てシン・ゴジラと共闘したくらい……)。

最後ですが、映像作品掲示板が元に戻って良かったです。

Re: ゴジラ対エヴァンゲリオン2 - なんじぇい (?)

2024/06/12 (Wed) 18:40:40

綾波レイは毎回小美人役みたいです。コラボならいいんでしょうかね……
https://www.suruga-ya.jp/product/detail/994934387?tenpo_cd=
https://appmedia.jp/monst/370812

アスカが芹沢博士でオキシジェンデストロイヤーを使い出すのはいくらなんでもないんじゃないかとは思いますが。

Re: ゴジラ対エヴァンゲリオン2 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/06/12 (Wed) 18:54:36

 パチンコでの設定なんてパロディ(ないし同人誌の二次創作)みたいなものでしょうから、
素っ頓狂でもなんでもおやりになればいいかと。

 まあしかし、芹沢博士を模した人物が「実戦用オキシジェンデストロイヤー」を作るとは、
パロディにしてもセンスを疑います。

 そんなパロディ的なことを正篇でもやってしまうのがいまの東宝ゴジラではあります。とほほ。

Re: ゴジラ対エヴァンゲリオン2 - なんじぇい (?)

2024/11/26 (Tue) 23:43:53

実戦用オキシジェン・デストロイヤーはありませんでしたが、カイザーギドラ・ラドン・機龍・ガイガン・ビオランテとすごい豪華でした。
ビオランテ・アスカ……うーん……
しかしこれほど豪華なメンツでなぜパチンコなのでしょうね。

https://youtu.be/ZSd-yrPh8mA?si=8L5nGRataeClK5iE

Re: ゴジラ対エヴァンゲリオン2 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/27 (Wed) 18:43:00

 いやー、パチンコで留めておいてくれたほうが幸せじゃ・・。

Re: ゴジラ対エヴァンゲリオン2 - なんじぇい (?)

2024/12/07 (Sat) 20:05:29

結局やりました。3万負けたので背筋が寒くなりあとは動画で確認しました……

X星人がカイザーギドラ・ラドン・3式機龍・ガイガンを操り世界を征服しようとして、エヴァが立ち向かう内容でした。
最終的にエヴァが全部倒します。
シンゴジは意思があって地球外怪獣を排除しようと動いていましたが、エヴァと協力してカイザーギドラを倒してからは、結局それでもどうしても過去に暴れていて危険だからとやむ無くエヴァに倒されました(死んではいなかった)
アスカはビオランテに吸収され一体化していましたが、キングギドラのテレパシー的な力を持つレイが説得して元に戻りました。モスラ3やKOMから取ったのでしょうか。

キングギドラにはテレパシーで精神干渉や洗脳する能力が……みたいなのは虚淵ギドラもその気がありましたが、殿様ギドラさんはそういうのはどう思うのでしょうか。
ある程度答えは予想がつきますが、一応質問してみました。

Re: ゴジラ対エヴァンゲリオン2 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/09 (Mon) 18:41:16

 えー、では、予想通りのお答えをば・・・。

 元祖キングギドラはゴジラ以上に謎の存在ですよ。
何を考えているのか本当に解りません。
ですから、後付けで精神干渉するとか、子供の恐怖心を糧にするとか、人間にも理解できるような「悪意」の要素を付加するのはつまらないことです。

 ヤツは、クレイジーにぶっ壊しをやってればいいんです。

万博の8ミリ - エクセルシオール (男性)

2024/11/30 (Sat) 22:20:04

 ゴジラ対ガメラがあったと言われている1970年大阪万博のショーですが、ユーチューブに大村崑さんが持っている8ミリフィルムが公開されていました(これが全部かどうかは不明)。大村さんの許諾を得て投稿されたものだそうです。

 タイトルは「大阪万博 こどものまつり^大村崑秘蔵8ミリフィルム」(https://www.youtube.com/watch?v=blHVqWrE3rI)。万博の子ども向けイベントを撮影したもので、会場は大阪万博お祭り広場。1分弱の短いものですが、その最後の方に怪獣ショーの映像がありました。残念ながらガメラの姿は確認できませんでしたが、ゴジラ、ゴロザウルス、宇宙ギャオスの姿は辛うじて確認できます。舞台にゴジラと宇宙ギャオスが並んで、ゴジラが「シェー」をしているようなシーンも最後の最後にありました。どうやら「バトル一辺倒」ではなかったようです。

 怪獣ショー以外にも大村さんがくいだおれ人形みたいな恰好で司会したり、有名なアメリカのコメディアンであるダニー・ケイさんが来たりして、いろいろ興味深い内容です。

 ずっと公開されているかは分からないので、一度観てみてください。

Re: 万博の8ミリ 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/12/01 (Sun) 16:26:39

 ありがとうございます!
ユーチューブはすごい。
 怪獣部分は短いですが、やっと見ることが出来ました。

 全体にデジタル編集で作り直しているようで、ひょっとすると元のフィルムがかなり荒れているのかもしれません。
発色は悪くないですが、パーフォレーション(フィルム送り用の穴)が破損しているとか、
連続再生が難しい状態なのかも知れません。

 これが全長とは思えないので、なんとか修復してもっと長尺で見られるようになるといいのですが。

 ケロヨンショーにはトヨタ2000GTの姿も見えますね。
いやー、良いものを見せてもらいました。

Re: 万博の8ミリ - なんじぇい (?)

2024/12/01 (Sun) 16:32:29

動いてる動画は初めて見ました。ありがとうございます。

他のyoutuberさんの動画ではいくらか鮮明な、ゴジラとゴロザウルスが取っ組み合ってギャオスもいる写真は見つけました。
https://youtu.be/0aX4Lk60qko?si=YOOfuzIJEMZBE03q

Re: 万博の8ミリ - エクセルシオール (男性)

2024/12/01 (Sun) 21:48:38

 なんじぇい様。別の動画の情報ありがとうございます。「怪獣ショーの相手はガメラ」という中島春雄さんの自伝の一部も引用されており、さらにゴジラ、ゴロザウルス、宇宙ギャオスが同じステージにいる写真もあったので、興味深かったです。こちらの動画の投稿者さんによればこの怪獣ショーは決まったシナリオとかはなく、かなりランダムなものだったとか。

 他に動画や写真はないのかと思いますが、確か2017年出版の『別冊映画秘宝特撮秘宝vol.7』に複数の写真が載っていましたが、記憶によるとゴジラとガメラが対決しているものはなかったです。誰か撮影していた方がおられないものでしょうか。一度観てみたいものです。いつか見つかるといいですね。

いよいよ本当の『ゴジラ対ガメラ』 - なんじぇい (?)

2024/11/26 (Tue) 17:37:29

https://x.com/Gz_battleline/status/1852937426823725457?t=b2hz-1AhDI6TzK2Eq_DWOw&s=19

ゴジラバトルラインで昭和ガメラとギャオスが追加されたのでさすがに驚きました。
ガメラリバースの時はネトフリだからかなあと思っていたので、これは角川となにかあったのかもしれません。
初代ゴジラもいるので、正真正銘のゴジラ対ガメラが実現可能です。

元祖ガメラと元祖ゴジラがコラボしたのは知る限りで初めてなので、本当に「ゴジラ対ガメラ」が出るのかもしれません。

Re: いよいよ本当の『ゴジラ対ガメラ』 - エクセルシオール (男性)

2024/11/26 (Tue) 21:55:47

 「ゴジラ対ガメラ」というのは怪獣映画のファンなら大抵一度は夢見る対決ですが、同時にそれが「実現しないからこそいい」という事も明白なことでした。

 しかし、近年の節操のないコラボやクロスオーバーの氾濫は、ついに怪獣映画最大の禁忌を侵そうとしてる感じがします。コンテンツビジネスを仕掛ける側は心理的なハードルをどんどん下げて、好感触を得られたら、いよいよ本格的に映画の「ゴジラ対ガメラ」に乗り出すつもりかもしれないですね。

Re: いよいよ本当の『ゴジラ対ガメラ』 - なんじぇい (?)

2024/11/27 (Wed) 03:44:18

実はかなり後ろ向きな理由ではあるのですが、『ゴジラ対ガメラ』をやるメリットもあるのではないかと思っています。

それは仮にこの映画をやるとしたら、絶対にゴジラやガメラが殺されることはあり得ないからです。
たぶんマイナスワンやらよりはゴジラはゴジラらしい感じになるでしょうし、ガメラはある程度ヒーロー然とした立ち位置になるでしょう。

人間が虚弱ゴジラを倒す映画をやられるよりは、怪獣対決がメインの、ある程度ゴジラとガメラを立たせる展開になるであろう映画の方が後の世にはいい影響もあるんじゃないかなあ、とは思います。

それはそれとして、引き分けや別の敵が現れて共闘みたいな玉虫色の決着は「またいつものか、なんだかなあ」となるでしょうし、どっちかを完敗させるのも相当やばいので脚本は難儀しそうですが。

Re: いよいよ本当の『ゴジラ対ガメラ』 - 海軍大臣 (男性)

2024/11/27 (Wed) 07:10:22

以前にも書いたと思いますが、平成ゴジラのミレニアムシリーズの時期だったか、将来的に「ゴジラ対ガメラ」みたいな企画の可能性を訊かれた東宝の上層部の人物からは、

「興行力の面で明らかに格下のガメラ相手に胸を貸すことになるので東宝には何の得にもならない」

と発言があったそうです。
 その方は既に現役を退かれていますので、昨今の無節操なクロスオーバー企画の氾濫もあって、決して楽観はできないかも知れませんね。

 ただ山崎作品のアカデミー受賞の流れもあって、暫らくはマイナスワンの続きで行くのじゃないかとも考えられます。

Re: いよいよ本当の『ゴジラ対ガメラ』 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/27 (Wed) 18:46:59

 ゴジラ対ガメラの布石になるのかどうかはわかりませんが、
なんにせよ元祖ガメラに光が当たるのはいいことです。
 湯浅ガメラの「行き方」はゴジラとは違っていましたが、怪獣の魅力のうち子供に受ける部分を純化したものだったと思います。

で、ゴジラ対ガメラが実現するとして、あり得べきストーリーとなると、私に思いつくのは、
人間が犯した間違い(一案はあるけどあえて書きません)のためゴジラ・ガメラが出現し、
双方の誤解でまずはゴジラとガメラが戦います。
 ガメラは熱に強いのでゴジラの熱線も平気どころか余計に元気になります。
ただ、ガメラは結構ケガをするキャラなので、ゴジラとの格闘にどう耐えるかが問題。
やっぱり甲羅に引っ込んで我慢の一手でしょうね。
 勝ち負けで言うとゴジラの勝ちにするしかなさそうです。
しかし、元祖ゴジラは相手が負けを認めれば深追いはしないので、ガメラを殺すことはしません。(もちろん!)
 ガメラは子供たちの心を読んで、ゴジラと敵対すべきではないことを知ります。
 クライマックスは人間によるゴジラもガメラも殺そうとする怪獣退治大作戦。
それに対し、ゴジラ・ガメラが共闘して人間の軍隊・新兵器を粉砕。
 ストーリー上、武力では平和を守れないということを伝えたいですね。
(という案、使ってみたい製作者がいらっしゃいましたらご一報ください。もっと練ります)

 なんて妄想しますが、私はゴジラ対ガメラなら70年大阪万博での8ミリフィルムをなんとかして公開してほしいと願います。
(大村崑さんが所有しているんでしたっけ)

Re: いよいよ本当の『ゴジラ対ガメラ』 - エクセルシオール (男性)

2024/11/27 (Wed) 22:31:08

 管理人さんのストーリー案、興味深く拝見させていただきました。真面目な路線の物語を作ろうとしたらそんな感じになるかなと思いました。

>勝ち負けで言うとゴジラの勝ちにするしかなさそうです。

 だいぶ前の本ですが、ケイブンシャの『怪獣もの知り大百科』で、ガメラの事を逆転勝利ばっかりだから「怪獣界のアントニオ猪木」と評していました。そうなると必然的にゴジラの方は王道の代表「ジャイアント馬場」になりそうで、馬場VS猪木では仮に実現しても「馬場の負けにはできない」感があります。なお、この本では「怪獣もし闘わば」というコーナーでゴジラ対ガメラをやっちゃってますが、最後はゴジラの勝ちになっていました。

 想像を膨らませると単純に両者を共演させて豪華な娯楽映画を作る手もあります。例えば、ゴジラとガメラが共闘し、さらにゴジラ側には相棒アンギラス、ガメラ側には長年のライバルであるギャオスが味方に付いて、キングギドラと幻の双頭怪獣ワイバーンのコンビに立ち向かうという構成にすれば、「これはすごい」という物語ができそうです。ワイバーンは銀色の双頭龍になる予定だったという説もあり、そうなると金色の三つ首龍であるキングギドラと好対照になるはずです。
 何だかんだ言いながら想像してみると楽しいものですね。

 一方、悪い方の予想もあります。例えば①ゴジラとガメラが戦って消耗したときに、人類軍が総攻撃をかけて両方とも打ち倒す、又は②ガメラがゴジラに一方的にやられているところに人類軍が救援に駆け付け、ゴジラを叩きのめす、という展開です。昨今の「人間がゴジラを倒す作品が素晴らしい」という間違った風潮では、このようなひどい作品が作られかねません。

>ゴジラ対ガメラなら70年大阪万博での8ミリフィルムをなんとかして公開してほしいと願います。

 私も観てみたいですね。中島春雄さんの著書では「相手がガメラだった」と明記してあったので。
 ただ、別の資料では善玉側がゴジラ、ガメラ、ミニラ、悪玉側がジャイガー、宇宙ギャオス、ゴロザウルスでショーが行われていたというものもあるので、「ゴジラ対ガメラ」はいつも行われていたわけではなく、たまたまスーツアクターが足りなかった時だけかもしれません。そうなると両者の対決映像が残っているかは微妙です。
 

Re: いよいよ本当の『ゴジラ対ガメラ』 - なんじぇい (?)

2024/11/28 (Thu) 02:20:46

>ガメラがゴジラに一方的にやられているところに人類軍が救援に駆け付け、ゴジラを叩きのめす

これは本当にありそうな気がしますね。元祖ガメラでも『ギャオス』『ジャイガー』あたりでは結構人間側も活躍してたイメージがあるのと、平成ガメラでは『2』ではガメラと自衛隊が協力してレギオンを倒していたので……。

ゴジラは死なないと言う縛りは東宝にはあるそうですが、これだとゴジラは退散して海にドボン、あたりになりそうです。

Re: いよいよ本当の『ゴジラ対ガメラ』 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/30 (Sat) 17:17:31

 東宝・大映の怪獣オールスター映画というのも楽しい企画ですね。
 堅苦しくない明るいストーリーで怪獣スペクタクルを堪能する映画になればかなり楽しめると思います。

 そんなことを考えてみたら、2003年の4月1日にエイプリルフールで投稿したウソ企画のことを思い出しました。

 長いですが、再録します。
********************************
 ゴジラ50周年で5大G激突!  2003年4月1日

いよいよ来年に迫ったゴジラ50周年。

巷ではゴジラ対ガメラだとかなんとか騒いだりしてますが、そんな甘いもんじゃありません。
東宝が中心になったのか、大映角川が言い出しっぺなのか、ゴジラ50周年記念映画を日本映画が世界に斬りこむ尖兵にしようという動きが。

なんと旧邦画五社が共同で一大怪獣映画を作ろうという話になりました。

ゴジラ・ガメラの共演はもちろん、日活からはガッパ、松竹からギララ、そんな看板怪獣を持っていない東映はジャイアントロボを登場させるということです。

あらすじ

オベリスク島へ日本の科学者一行が生物調査に滞在中、巨大隕石が落下。
その隕石で仔ガッパが重傷を負ってしまう。
怒った親ガッパが隕石に熱線を吐くと中からギララ登場。
オベリスク島はガッパとギララの闘争でめちゃめちゃに。
その上空にUFOが飛来するが、別のUFO(実はガメラ)に追い払われるように宇宙へ逃げていく。

オベリスク島からギララが移動。
それを追って父ガッパも太平洋へ。
ギララは隕石形態になって海に潜ったり空を飛んだりするが、ガッパも陸海空自由なので追いかけっこが全世界を股にかけて繰り広げられる。

科学者一行が日本に戻り、事の顛末を世界に発表したとき、オベリスク島に飛来したUFOが日本上空に現れて衛星放送の電波をジャック。
テレビに現れたのはギロチン帝王。
「怪獣たちは私が操っているのだ。地球人類よ、降伏せよ」
が、そこへ飛んでくるガメラの妨害でUFOは再び宇宙へ逃げる。
(本当はギロチン帝王はギララしかコントロールできない。それも地球に向けてギララを発射したときガメラに襲われてコントロール装置が故障しているのだ)

ギロチン帝王の出現を受けて、いまはリゾート地のペンションを経営している大作少年(もう中年)が国連に呼び出されジャイアントロボの出動要請。
(ん~、ロボはギロチン帝王とともに爆発したんじゃ・・)
闘争を繰り広げるギララとガッパを抑えるためにロボ出動。
それを見たメルカ共和国は世界の覇権を握るのは今しかないと、ひそかに開発していたジャイアントロボのコピー機カラミティを発進させる。
カラミティが見事ガッパ・ギララを倒せば国際発言力が高まるとの目論見であった。
しかし、ゾルゲル島上空でギララ・ガッパ・ジャイアント・ロボ・カラミティが乱戦しているときに、ガッパの熱線を受けたカラミティが墜落。
カラミティはゾルゲル島に落下するが、その地下にはゴジラが眠っていた。
目覚めたゴジラはカラミティを粉砕。
さらにギララ・ガッパ・ジャイアントロボに突っかかる。

そのときギロチン帝王のギララコントローラーが復旧して、ギララはニューヨークへ向かう。
あとを追うゴジラ・ガッパ。

しかし、ギロチンの円盤がガメラに撃墜されて日本の富士山麓に墜落してしまう。
飛翔力を失ったギロチン円盤は富士山の裾野で要塞状態。
襲ってくるガメラに必死で応戦するギロチン。
こりゃたまらんとギララを円盤の元に呼び寄せる・・・。
もちろんゴジラ・ガッパも日本へ。

人類はジャイアントロボと通常兵器の一大軍団を組織して富士決戦に臨むのであった・・・・。
果たして結末はいかに!

上映時間は2時間40分程度を見込むそうで、全世界同時公開予定。(2004年11月3日)

いやはや実現したら大変なことですな。
***************************************
 いやー、読み返したらすごく面白そう!
(自画自賛)
 実際は『~ファイナル・ウォーズ』という東宝単独の何でもかんでも登場させたポンコツ映画の公開でした・・・。

 万博の8ミリはゴジラとガメラが戦っていなくても、東宝・大映の怪獣たちが一堂に会しているだけで感涙にむせびますよ。
見たいなーーー。

交わす笑顔の放射能~♬ - 海軍大臣 (男性)

2024/11/17 (Sun) 22:57:55

 作品の成立プロセスについてファンからもイマイチ注目度が低い「ゴジラの逆襲」ですが、シナリオやピクトリアルスケッチ、それにノベライズ小説の段階ではアンギラスもゴジラ同様に放射熱線(白熱光)を吐く設定でした。ゴジラ初のキャラクターソングの一つ「うちのアンギラス」の歌詞も、きっとこれを忠実になぞった結果だったのかと思われます。

 この能力は、アンギラスがゴジラと同様に核実験に出自の起源を持つことを強調するための筆法だったのでしょうけれど、しかし完成作品ではオミットされていますね。
 ではこうした当初の設定を覆して、ゴジラのみが口から放射熱線を吐く特性を有するように変更したのは、誰の決定だったのですかね? もともとゴジラ続編の監督は初期の段階では本多監督が予定されていたところ、恐らくスケジュールの都合で小田監督に変更されてはいますが、どうも小田さんでは無い様子。この後もシリーズとしてゴジラ映画の展開を考える立場に居た人間だとすると、やはり田中友幸氏あたりじゃないかと推察される訳ですが、決定的な証拠は出て来ません。
「ゴジラの逆襲」はゴジラという架空キャラをメインに置いた作品をシリーズ化していくにあたっての重要な試金石に当たるのですから、当初の設定を覆してまでゴジラのキャラ強化に拘った経緯の詳細については、是非ハッキリさせて欲しいと思っています。

Re: 交わす笑顔の放射能~♬ - エクセルシオール (男性)

2024/11/18 (Mon) 20:42:27

 確かに『ゴジラの逆襲』の小説版ではアンギラスもゴジラと同じように白熱光(放射火炎)を吐くシーンがあり、初めて読んだときに驚いた記憶があります。

 何でゴジラだけが火を吐くようにしたのか?その理由は不明です。ゴジラ映画をシリーズ化するためにキャラクターを強化したかったとしても、次のゴジラ映画が7年も後になった事を思えば、いささか微妙な感じもします。私は単純に前作ほど特撮に手間をかける暇がなく(実際、ゴジラが白熱光を吐くときに背びれの発光がない)、ゴジラだけでなくアンギラスにも白熱光をはけるようにする時間が無かっただけではないかと思っています。

 個人的にはアンギラスが飛び道具を失った事はかなり残念です。もしいつか再登場する日が来たらこの没設定は復活させてほしいですね。なお、ゲームとかでは「咆哮衝撃波」とか「背中の針からビーム」とかそういう設定が追加されているものもあるそうです。

Re: 交わす笑顔の放射能~♬ - 海軍大臣 (男性)

2024/11/18 (Mon) 22:15:52

 よく「逆襲」は製作期間が短くて云々、といった語られ方をされますが、必ずしも当たってはいない様子ですね。
 例えば「ゴジラ」は1954年5月24日に香山滋氏による初稿(いわゆる原作)が脱稿し、完成作品は名古屋地域で同年10月27日に公開されていますので、製作期間は概ね5カ月といったところ。一方の「逆襲」は同年12月20日脱稿で作品公開は翌年4月24日ですので4カ月となり、世に言われている程の差異はありません。第一作では肝心のゴジラの着ぐるみのデザインや原料選びのために試行錯誤があった分、多少余計に時間を費やしていることを考えれば、そこまで不利な条件とはならなかったと思われます。
 事実、本編中には何気ないドラマ部分に驚くような作画合成があちこちで使われて(主人公らの勤務する水産会社の外見だとか)いたりしますし、スタッフのインタビューにも「(二作目で慣れてきたものだから円谷さんが)凝るは凝るは、バカみたいに」なんて証言も飛び出す始末です。
 ですから「逆襲」が極めて短期間に作られたから云々とする言説は、70年代末に出版された某特撮研究本あたりの記述を鵜呑みにした固定観念じゃないかと考えられます。
 最近ではその辺りを見直す研究者も居られたりで、一部では「特撮パートに関する限りでは、モノクロ怪獣映画の最高峰」とする再評価も出始めているようです。

Re: 交わす笑顔の放射能~♬ 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/19 (Tue) 19:06:53

 アンギラスから白熱光の能力が失われた理由は謎ですね。
製作スケジュールの問題で作画合成の手間を減らすため、というご意見に一理あるようにも思いますが、
巷間言われているほど厳しいスケジュールではなかったというお話にも頷けます。

『獣人雪男』の製作スケジュールとの兼ね合いがどんな感じだったのかも知りたいところです。

 白熱光とは別件ですが、成田亨さんによると『ゴジラの逆襲』ではビルの鉄骨鉄筋も作り込んだミニチュアを使った部分があったそうですが、
手間がかかるために撮影スケジュールの問題で一部だけにとどまったとか。
やれること全部をやりきったわけでもなさそうです。

 推論でしかありませんが、ストーリーの流れを考えると、アンギラスとの闘いはクライマックスではなく、
ゴジラの強さを見せるための噛ませ犬的な扱いなので、
ゴジラとアンギラスの差別化を図るためだったのではないかとも考えられます。

 そんな本論とは離れて、以前から結論を出せずにいるのは、ゴジラの白熱光(熱線)は水爆の影響で獲得されたものなのか?という疑問です。
作り手の意図は、香山滋さんによる検討用台本に「ゴジラを水爆のシンボライズと想定するために放射能を全身に帯びているということの具象化の意味」とある通り、
核兵器の熱線と同様なものをゴジラが発する、そして、水爆のせいでそんな能力を持つようになったと考えるのが自然かと思います。
 けれども、劇中世界の事実として考えますと、『ゴジラ』において、怪獣ゴジラは水爆のためになんらかの生物が変容を遂げたものであるとは言っていません。
ゴジラが極めて珍しい生き物であるとしても、その「特殊性」は水爆でも死なないという一点に絞られています。
そして水爆から獲得されたのは「多量の放射性因子」(山根博士は白熱光の存在を知らない時点で語っている)であるとされています。
(これは水爆起爆のための原爆による放射性物質を浴びたためか中性子線を浴びて体が放射化した可能性もあるかもしれません)

 作品の表現としてゴジラの白熱光が核兵器の熱線を思わせるものだとしても、
劇中世界の事実としては、水爆とは関係なくもともとゴジラが持っていた能力だと考えてもおかしくはないように思うのです。
 私としては、ゴジラはもともと熱線を吐ける大怪獣であって欲しいと思っています。

Re: 交わす笑顔の放射能~♬ - 海軍大臣 (男性)

2024/11/19 (Tue) 22:38:23

 ふと思い出したことですが、第一作「ゴジラ」で二回目の東京上陸の際、シナリオ各稿並びにピクトリアルスケッチの段階では、ゴジラは高圧電線をその巨体と怪力のみで突破する段取りになっていて、白熱光によって鉄塔がグニャリと溶け崩れる展開では無いのですよね。
 そして市街地へ進入後に初めて熱線で建物を炎上させる形なのですが、観客に白熱光の威力をより強く印象付けるには、完成作品にあるように鉄塔を溶かして見せる演出が正解だったと思います。
 ピクトリアルスケッチは絵コンテとは違って演出を練るためではなく、準備段階でスタッフ全般に作品イメージを共有させたりだとか、似たようなシークエンスを抽出して訂正する目的で描かれるそうですので一概には判断できぬものの、この変更は現場レベルの判断で実行(勿論、より高次な製作サイドへの許諾は必要でしょうが)されたと考えるべきかと思います。つまり特撮パートの演出にあたっては、この「熱線を吐く」という特性が如何に重要視されていたかが感じられてくるようです。
 それとシナリオ初期段階ではゴジラは常時、全身から高熱(放射線?)を発していることになっていて、その影響で大戸島での登場シーンでは周囲の山林に山火事が発生する描写まで存在しています。
 以前に取り上げた食人描写が改稿に伴って削除されていったのと同様、白熱線関連についても完全に定まっていなかったイメージが順次整理されていったものと考えています。

 あと、ギドラさんの御意見にある「もともと熱線が吐ける大怪獣」としてのゴジラという捉え方は、私も大賛成ですね。

Re: 交わす笑顔の放射能~♬ 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/20 (Wed) 19:07:04

 白熱光を映像で最初に見せるのを、高圧電線鉄塔に対するものに変更したのは、やはり円谷監督の判断だったのではないかと思います。
 高熱を照射するものであることを感覚的に見せるためには金属を溶かすのが一番、
という理工的発想は円谷さんらしいんじゃないかと思いました。

 ゴジラの熱線が水爆由来じゃないかもという考えに賛同いただいて嬉しいです。
 熱線を別にしても、巷ではゴジラが核兵器から生まれたと考えている人が多くて参ります。
この誤解はゴジラの根幹に関わるのでなんとかして是正したいです。

ハイレゾ!SF交響ファンタジー 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/16 (Sat) 15:50:29

 ちょと前の話になります。
「伊福部昭SF特撮映画音楽の夕べ」SACDが届きました。
予想通り5.1chトラックはありません。

 以前の投稿で、これまでレコードやCDで使われてきたマスターが、周波数特性20Hz~20000Hzのデジタル録音であることに不安を覚えると書きました。
>周波数特性に20Hz~20kHzと書いてあるので、サンプリングレートはCD程度の44.1kHzかもしれず、bit深度が24(CDは16bit)だったとしても、
>SACDの性能を十分に発揮できるかどうか不安なところです。

 ところが、今回のSACDは、デジタル録音と同時に録音していたアナログ録音音源を使っているとのこと!
こまかいことは省きますが、初期のデジタル録音より同時期のアナログ録音を現代の技術でレストアしたほうが高音質になります。

 というわけで、今回のSACD、強烈に高音質です!

 ただし、SACDを再生する環境が無いと、ただのCDとして再生されてしまうので、リマスターの効果はあってもハイレゾ再生にはならないのですよなぁ。
しかし、この美しい高音質は多くの人に体験してほしい。

 オーディオセットを揃えるのはお金もかかりますし、それなりの部屋も必要なので無理なものは無理でしょう。
それでもSACDを聴いてみたいという人向けに、私が知る範囲で再生のヒントを書いておきます。

 CDやデジタル録音機は一般的にPCMという技術で音をデジタル化します。
CDであれば44.1kHz(44100分の一秒ごとに音圧データを取ってデータ化)、その他のデジタル録音では48kHzでサンプリングするのが一般的で、
そこにビット深度(データの細かさ)16btや24bit、最近は32bitが関わります。
CDより高音質なもの全般をハイレゾと呼んでいます。
 48kHz24bitや96kHz24bit、192kHz24bitなどがあります。

 それに対して1bitオーディオという技術もあります。
bit数がやたらと小さいですが、サンプリング周波数が桁違いです。
SACDでは2.8MHz(280万分の一秒)で、CDの63倍以上の細かさです。
PCMとは違い、瞬間の音圧を記録するのではなく、その瞬間の音圧変化を記録するものと考えるといいみたいです。
つまり、1bitで表現できる1か0かを使って、音圧が「来ている」のか「来ていない」のかをデータ化するものらしいのです。
(完全に理解できてはいないことをお詫びします)
音波エネルギーを量子化すると考えるといいらしいです。
これをDSD(ダイレクトストリームデジタル)と呼びます。
DSDには5.6MHz、11.2MHzもあります。

 PCM録音では、音圧の変化を折れ線グラフで表現するのに対して、
DSDでは情報の濃淡(粗密)で表現すると言われています。
 PCMよりDSDのほうが、実際の音波の振る舞いを模した物になるのでより自然な音になるのです。

 そこでその再生についてです。
DSD信号から直接アナログの音声信号に変換する能力を持ったアンプを使っていれば、プレイヤーからDSD信号をそのまま流してやればいいのですが、
私のアンプはそこまでの性能は無くて、入力は昔ながらのアナログ入力か、HDMIを使ったデジタル入力のどちらかです。
デジタルアンプなので、内部処理は192kHz24bitで行っています。
ややこしいのは、DSD信号を直接受ける機能がおまけのようについていること。
しかしそれはDSDから直接音声信号を生成するのではなく、一旦44.1kHzサンプリングのPCMに変換してメイン回路に流してやるものでした。
そのため、私のアンプにDSDを直接入力するとCD程度の音になってしまうのです。
このあたりの使いこなしは自分の機材を熟知しないと間違えます。

 そして、手持ちのDVDプレイヤーにもSACD再生機能がありますが、デジタルアンプへ出力するときにはDSDを88.2kHz24bitに変換して出力してくれるので、
単純計算でCDより2倍の情報量になります。
しかし、これでも不十分。
 手持ちの初期型プレイステーション3にはなんとSACD再生機能があり、これを使うと、176.4kHz24bitに変換してくれるのでCDの4倍の情報量になるわけです。
開発者によると、簡易的なSACDプレイヤーだとDSD信号をすべて読み込まず、飛ばし読みして88.2kHzを作るらしく、PS3はすべての信号を読み取ってPCM変換するとのこと。
ゲームのための高性能なCPUを持っているから出来ることとのことでした。

 まあそれも昔の話で、
今は4KブルーレイプレイヤーのSACD再生機能を使っています。
こちらも176.4kHz24bit PCMに変換してくれるので、DSD本来のクオリティではないかもしれませんが、CDよりはるかに高音質な再生になります。
聴感上192kHz24bitと同等ですが、元がDSDであるためか、低音の響きがより自然に聞こえるように思います。
192kHz24bitで録音されたものより深い音に聞こえます。(気のせいか??)

 SACD再生機能のあるプレイヤーは少ないかも知れませんし、アンプやスピーカーもそれなりに高価な物を用意する必要があるかと思います。
しかし、私はオーディオマニアではなく、映画を見るためのAVアンプを使っているだけです。
(パイオニアLX-52←ぜんぜん大した物じゃないです)
それでも生演奏を思わせる澄んだ音が出てきます!

 プレイヤーとアンプまでをなんとかして、スピーカーは諦めて高性能ヘッドホンで聴くという選択肢もあるかもです。

「伊福部昭SF特撮映画音楽の夕べ」SACD、すんごいので、ハイレゾで聴いてほしいなぁ。

(8月31日の「伊福部昭FANTASY WORLD」もCDだけでなくハイレゾ音源も販売してほしいよぅ)

仮にマイナスワンの続編を作るならどうすべきか - なんじぇい (?)

2024/11/13 (Wed) 23:50:26

どうやらこれを見るかぎりまだ映画は作っていなさそうです。

山崎貴監督 ゴジラ新作に自信なさげ「ハードル高くなっちゃった」「ゴジラ-1.0」が「うまくいきすぎ」と総括
https://news.yahoo.co.jp/articles/73dfd8fa718def8384fbd05a3cd26702352982d9


というわけで、もし『マイナスワン』の続編を作るとするなら、どのように軌道修正をすれば良いのかという現実を見据えた話にすれば、どうなるのでしょうか。
流石に絶対に不可能と思えるもの(例えば本物のゴジラを出し、マイナスワンゴジラが本物の出自のゴジラに倒されるみたいな)はなしにして、どうすれば見れるものになるのでしょうか。

とりあえずゴジラを熱線を連発できるくらいには強くはするかもみたいなことは言ってたので、あれほどの虚弱ゴジラではないことは最低限祈ります。

Re: 仮にマイナスワンの続編を作るならどうすべきか - エクセルシオール (男性)

2024/11/14 (Thu) 22:01:40

 軌道修正を検討するにしても、続編である以上、前作を無視して作るわけにはいきません。そこに修正限界というべき制約があります。また、ストーリー上も前作の設定や結末を考慮して作っていかねばならないはずです。正直、この時点で「軌道修正なんか不可能だ!」とわめきたくなってしまいます。

 以前少し触れた事がありますが、前作ラストで典子がゴジラ細胞に取り付かれているような描写があった以上、そのことに触れないわけにはいかないでしょう。だが、典子関連の話はどう考えても陰惨な展開しか想定できず(怪物化する、怪物扱いされて迫害される、ゴジラ細胞に耐えられず苦しんで死ぬ等々、ひどい話にしかなりえないように思える)、まったくもって何故「普通に助かった」という落ちにしなかったのかと、改めて疑問が湧いてきます。

 ゴジラにしてもバラバラになった肉片から再生するような描写があった以上、そういう物体X的な存在として描かざるを得ません。この点を活かすとしたら破片から無数のゴジラが発生してしまい、人類が危機に陥るという話にするのが一番簡単です。ゴジラを倒して英雄扱いされていた敷島たちが一転「短慮な作戦で人類を危機に陥れた連中」と罵られるというドラマも並行でき、物語としては成り立ちます。ただ、唯一絶対であるはずの怪獣王がそのような種類の脅威として描かれるのは許しがたい。結局、ゴジラの名のもとに別種の怪獣を作った罪過が響いています。

 そうなると前作の時代設定に近接した時代を舞台にすると面倒しか起きない可能性が高いです。そこで、時代設定を思い切って未来にしてしまうという方法があります。敷島達も多くは故人にして、あの時子どもだった明子だけが高齢になって登場することにしてしまえば、ある程度ごまかしが効くかもしれません。

>あれほどの虚弱ゴジラではないことは最低限祈ります。

 強くするといっても結局「人間が倒せるレベル」にするつもりでしょうから、情けないことに強化にも限度があります。仮にかつてのゴジラのように現代兵器をものともしない強さを与えたら、もう前作のようなご都合主義のお涙頂戴ドラマは作れないからです。そう考えると期待できません。

 なお、他の怪獣を登場させる可能性もありますが、ラドンやモスラやアンギラスやキングギドラが、山崎風味でゴジラと同じように滅茶苦茶にされるのは勘弁願いたいです。

Re: 仮にマイナスワンの続編を作るならどうすべきか - なんじぇい (?)

2024/11/14 (Thu) 22:33:16

仮にエクセルシオールさんのアイデアを取り、可能な限りマイナスワンの設定も保持する方向で行った場合、こうなるかなあという感じなら……

・マイナゴジラは原爆みたいな強力なエネルギーでダメージを受けたら異常進化するという設定なので、今回もさらに強大化し、通常兵器程度では通じなくなる。強大化した際にデザインも元のゴジラに近づける
・マイナゴジラはあくまで一個体しか登場しない
・敷島や典子は死亡した扱いとし、山崎貴監督が好きそうな20年後の1960~70年代くらいの話にする
・ゴジラに対して敬礼したということらしいので、それは維持してゴジラ側に立った演出を心がける

となりそうな気がしました。
できる限り軌道修正すれば2代目ゴジラに対するVSゴジラくらいの差異にはなれそうな気がします。

Re: 仮にマイナスワンの続編を作るならどうすべきか 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/15 (Fri) 18:43:32

 お題をいただいて、ううーーーーーーんんと考えてはみたのですが、
さほど良い案は浮かびません。

 お二人のアイディアに感心するばかりです。
ぎりぎりその線が限界か?と思いました。

 やはり続編なら前作の内容を無視や否定するものではいけませんから、
マイナゴジラを真っ当な怪獣にするための変容を描く必要が出てきますね。
 そうなると現実の兵器では殺せない(ゴジラと名乗るためには水爆にも負けない怪獣になる)怪獣になりますから、
怪獣退治を諦めるか、一作目『ゴジラ』の焼き直しをやって、作品全体のテーマを背負うような新技術を持ち込むかでしょう。

 怪獣バトルを主軸にすれば、怪獣の生死を問わなくても勝ち負けで決着を付けられるので、不死身の怪獣でも扱いやすくなるのですが、
どうしても怪獣退治ストーリーをやりたいとなると、人間による怪獣退治は失敗するのが正しいです。
 怪獣退治は失敗しても、並行して描く人間社会の事件?葛藤?が解決することでカタルシスを生むという作劇が考えられます。
怪獣の退場は、人間の努力とは関係なく、怪獣の都合で去って行くのがいいでしょう。
これによって大自然の振る舞いを象徴させます。(人間は大自然の力にはかなわない)

 山崎さんは絶対にやらないでしょうけれど、
ヒクイチの続編として私が見たい内容としては、マイナゴジラ再出現による災害はあくまでも背景にして、戦後日本の庶民が味わったさまざまな苦難を群像劇の形で多角的に描くストーリーです。
 戦災孤児の苦難、復員兵の苦難、被爆者の苦難、占領下での政治不全・・・・いろいろあると思います。それは現代日本の問題をあぶり出すことにも繋がるでしょう。
そんな社会性を持った物語は現代日本の大衆にはヒットしないでしょうね。しかも、それじゃ怪獣映画ではなくなるし。
まあ、もともとヒクイチは怪獣映画ではないので、続編なら有りだろうとも思います。

久々にVSシリーズを全て観ました。 - エクセルシオール (男性)

2024/11/10 (Sun) 16:09:41

 今年はゴジラ誕生70周年だという事もあり、11月にけっこうあちこちの局でゴジラ映画をやっています。その中のBS松竹東急で平成のVSシリーズ6作品を一挙に放送していたので、懐かしさもあって久しぶりに全て観てみました。
 確かに設定やストーリー展開に問題もあるし、強引に外連味と力技で押し切っている感じもありました。しかし、それでも娯楽映画としては非常に面白いし飽きさせません。昨今の『シン・ゴジラ』だの『ゴジラ-1.0』などと比べると圧倒的にいいです。とにかく派手で華やかだし、ゴジラだってきちんと心のある生きものとして描かれていました。なんだかんだ言ってもやっぱり好きです。

 思えば、VSシリーズの頃はダメなところもあるなあと思いつつも、映画館を出たときに不愉快にはならなかったのです。しかし、ミレニアムシリーズ以降になると「ゴジラ弱すぎ」とか「自衛隊に遠慮しすぎ」とか「太平洋戦争の戦没者の魂の集合体ってなんだよ」とか、怒って帰る事が増えました。そうなると心情的に何かしら決定的な違いがあったのだと思います。そして今は「もうゴジラもおしまいか?」と本気で思うようになってしまいました。

 なお、今回VSシリーズを観なおしてみて、少し面白いなと思ったのが、群衆が逃げ惑うシーン。よく見るとなんだかうれしそうな表情の人がいるような感じがします(出演できるだけで光栄だったのでしょうね)。後、実際のロケ映像と怪獣を合成したシーンでは、ゴジラなどがそばにいるのにそっちに向けて走る車とかいて、失笑してしまいました。これらは厳密に言えば欠陥なのかもしれませんが、大らかに見ていいところだと思います。

 余談。『ゴジラVSビオランテ』を最初に映画館に見に行った時、子どもだったので母親同伴でしたが、怪獣映画とかあまり興味のない母の率直な感想が「高橋幸治(白神博士の事です)は無責任すぎない?」というものでした。なるほどそのように見えても仕方ない描き方でしたね。

Re: 久々にVSシリーズを全て観ました。 - なんじぇい (?)

2024/11/11 (Mon) 06:17:52

恐らくですが、ゴジラが終わりになることは暫くはないんじゃないかなとは思っています。
興収や動員数だけなら文字通りシリーズが休止したミレニアムシリーズの暗黒期よりずっといいからです。

尤も、もう元のゴジラシリーズに戻ることはないとは思っています。
もし戻ることがあるとすれば、「ゴジラ映画はゴジラvs人間を楽しむ物語である」「ゴジラ映画は各作家の好き勝手なゴジラを見るものである」という方式で楽しんでる今のゴジラファン(シンゴジでも虚淵SPでもマイナスワンでもそれを楽しんでいる人が非常に多かった)に、退治ものより面白いもの・昔のゴジラを使ってももっと面白いものを作れることを証明する以外にはないとは思います。
特にシンゴジ以降に入った場合だと、昔のゴジラがどうだったかなんて知ったことかとなるでしょうし、おまけにゴジラ退治を楽しんでゴジラに入ったわけですから、翻意させるのは非常に厳しい気がします。

『ゴジラ×コング』とかだとどうやらただのバカ映画と思われてるみたいで(実際スキュラやティアマットの扱いとか、突如都合のいいビーストグローブが沸いてきたりとかは何じゃそりゃとはなりましたが)、どうすりゃいいんだろうとはなりますが。

レジェゴジ・シンゴジ以降の世代にそれをする方法は私には思い付きません。

Re: 久々にVSシリーズを全て観ました。 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/11 (Mon) 18:46:24

 VSシリーズはおっしゃるとおり、大衆娯楽映画として真っ当な仕上がりでした。
方向性として決して間違ってはいなかったのです。

 私がVSシリーズについて肯定できない理由は散々書いてきたのでここでは割愛しますけれど、
私の考えとは違う方向で、かつてのゴジラ映画を否定する立場があるようです。

 一番わかりやすいのは、怪獣対決ものの否定です。
シンもマイナも怪獣同士が戦うシーンはありません。
 怪獣という脅威に対して人間が立ち向かうことが主眼になっているわけです。
これをよしとする立場はもはや50年前の〝大人な〟評論家と同じです。

 シンやマイナで喜んでいる人は大別して二種類と思われます。

 さほど深くものを考えず、ゴジラのバリエーションが増えることで喜ぶ〝ゴジラファン〟と
怪獣の魅力には感度がなく、人間が何をするかを軸に見ている人で、劇中の脅威が怪獣でも地震でも台風でも大差なしの人。
(反論は受け付けますよ)

 さて、シンやマイナに子供たちは熱狂したのでしょうか。

 かつての怪獣には野生の魅力がありました。
人間(大人)を蹴散らす究極のアウトローでした。
だからこそ子供が熱狂したのです。
子供向けに作ったからではありません。

 と、怪獣の要点を書いておきまして・・・。

 怪獣映画の立て直しには、
>退治ものより面白いもの・昔のゴジラを使ってももっと面白いものを作れることを証明する以外にはない

 まったくその通りなのです。
その方向で画策したこともありましたが、素人のやれることには限りがあって、上手くいきませんでした。
 そうなると作り手側の意識を変えさせるにはどうすればいいかということになりますが、
現状では、こうしてネット言論に頼るしかない状態です。

 シネコンのアンケートにもいろいろ書いてはいるんですが・・。

 近年のゴジラ映画がゴジラ退治ストーリーでしかないことで、それを楽しむ人が、怪獣闘争ものを楽しめないと考えるのは早計でしょう。
もともとの怪獣(怪物)映画は、怪獣退治が主軸であり、怪獣(怪物)が死ぬことで終了するのが当たり前でした。
 そんな中、『怪獣ゴルゴ』や『モスラ』、そして『キングコング対ゴジラ』が怪獣が死なない物語を提示することで、
新たな地平を切り開いたのです。
 怪獣映画には怪獣の行動を見せることで面白さを作り出すものもあるということです。
(怪獣退治を全否定はしません)
 怪獣退治に慣れたお客さんに別の楽しみを提示することは可能と思います。

『ゴジラ×コング』をただのバカ映画と思う人がいるのは仕方がないです。
『フランケンシュタイン対地底怪獣』について、洋物怪物を日本の怪獣映画に当てはめただけの企画物と断じる意見もありました。
 怪獣が解らない人はいつの世にもいます。

 おそらく作り手側に怪獣を解っている人もいるはずです。
そんな人々を召喚するためには、怪獣を解っていない作り手を批判していくしかないでしょう。

Re: 久々にVSシリーズを全て観ました。 - なんじぇい (?)

2024/11/11 (Mon) 21:25:01

シン・マイナ・虚淵・SPで喜んでる人は殿様ギドラさんが挙げた以外にもいくつかあると思っています。

①ギンガ以降のウルトラマン・モンスターハンター・怪獣8号等に影響されて入り、「ダビデがゴリアテを倒す」ことを楽しんでいる人
②とにかく考察が好きな人(シン虚淵SPは意図的に分かりづらくしている。こういう人はマイナスワンはあんまり……と言ってることが多い)
③自衛隊や兵器が好きなミリオタ(シンゴジ以降は兵器の運用はそれまでより正しいことが多いのでそれで興奮しているらしいです)
④ゴジラの熱線のバリエーションを楽しみにしている人(これはレジェゴジも含みますが上4作の各監督熱線発表会に興奮している人は多いです)


この中で③は、自衛隊をVSまでの怪獣映画と同じようにかませにしても、明らかに変な運用方法をしない、つまり戦闘機で過剰に接近して怪獣の手に叩き落とされる等をなくせばいいので、リアリティの観点からはそうしたほうがいいでしょうし、そんなに難しくないと思います。
リアリティ云々ではなく自衛隊の活躍そのものに興奮している自衛隊マニアはちょっと厳しいですが。

①②はある程度被っているので割愛しますが問題は④で、実はこれは自分もそうだったりします。
なにせVSシリーズのvsメカゴジラやデストロイアの決着となった赤い熱線(特にデストロイア戦のとんでもなく太くなった熱線)が大好きで……
要はVSから入った人も熱線発表会を心待ちにしている人が多いのではないでしょうか。
シンやマイナ・SPの最高の見せ場は明らかに熱線(SPはシンの劣化と思ってますが)、レジェゴジも『vsコング』では熱線で内核まで穴を開ける等、熱線が最高の見せ場という演出は一貫しており、こういうのを待っている人は、昭和の熱線を見てもショボいとガックリして新しいものを求めるという循環が成立していると思います。

ド派手熱線を心待ちにしてる人に、初代や2代目前期の怪獣に決め手にならない上に破壊描写もいささか地味な熱線が受け入れられるのかというのは気になります。

Re: 久々にVSシリーズを全て観ました。 - エクセルシオール (男性)

2024/11/11 (Mon) 21:41:33

 ゴジラ映画がゴジラ退治を楽しむ話になってしまったとは、何とも悲しいことです。「人間に負ける存在としての怪獣というものに魅力があるのか。」「怪獣の王様であるゴジラがそれでいいのか」と叫んでみても、そもそも主人公が人間のキャラであると考えている人にはなかなか届かないかもしれません。

 確かにゴジラと人間の戦いがメインになっている作品もあります。でも、ゴジラ映画の圧倒的多数は怪獣同士の対決こそ主軸だったはず。それが「怪獣プロレス」と嘲笑されて、まるで価値の低いものとして扱われていった果てが、今の「ゴジラVS人間」が正しい姿として評価される状況だと思います。

>シンやマイナに子供たちは熱狂したのでしょうか。

 おそらく無理でしょう。「気持ち悪い」とか「かっこ悪い」とかは感じたでしょうが。実際、過去のゴジラ映画にはあった「子ども向けの本」(ケイブンシャの大百科が好例)が、『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』には、私の知る限り見られません。最初から子どもを念頭に置かず、それが正しい事として扱われているわけです。そういえばマニア受け作品の一つ『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』でも、映画館に子どもを排除するような張り紙がしてありましたね。

 もう一度いい意味での「怪獣プロレス」を復活させる必要があるように思います。そのためには着ぐるみの復権も必要ではないかと考えます。CGではなく人間が実体のある着ぐるみに入って演じる事でこそ描けるものもあるのではないでしょうか。中島春雄さんや薩摩剣八郎さんの演じていたゴジラは独特の魅力がありました。あれはCGでは出せません。

Re: 久々にVSシリーズを全て観ました。 - なんじぇい (?)

2024/11/12 (Tue) 18:23:18

あと思ったのは「ゴジラは劇中で変態もしくは進化するもの」みたいなものをシンゴジ世代は思っているような気がします。
シンゴジやSPは言うまでもないですが、マイナスワンにしろ、恐竜形の生物からゴジラになったりとVSチックではありますが進化はしています。
レジェンダリーも最新作では通常→エナジャイズド→エヴォルブとパワーアップし、外見も多少スリムになったりしています。
エヴォルブが次回作まで続くかは分からないですが……

作中での進化や外見の変化を望む傾向はシンゴジ以降から出てきていて、これもゴジラのバリエーションを望むの一形態だとは思います。

Re: すっかり親記事から離れてしまいました 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/13 (Wed) 18:59:37

 映画の評価軸にはいろいろあるのはわかります。

 自衛隊の運用についてリアリティのあるほうがいいというのはその通りで、
それは劇中世界の本当らしさを支えることになるでしょう。

 私が思うのは、ゴジラシリーズと銘打つためには、同一性(同一個体である必要は無いけれど、同種の生き物でなければならない)を守ったゴジラが登場すべきだということです。
これは、フィクションを支えるリアリティの問題に繋がります。

 劇映画は特殊な場合を除いて、架空ではあっても、劇中世界の事実を描くものです。
蓋然性のないストーリーは嘘くさく見えます。
(自衛隊や兵器の運用を正しく描くことも蓋然性を守ることです)

 ゴジラシリーズが作品毎に別のストーリーを描くことが通例だとしても、ゴジラが存在する世界である、という前提は崩せません。
ここでゴジラそのものを変化させてしまったら、シリーズを通じてゴジラの実在を疑わせることになります。
作り手の恣意が見えてしまうのです。
 これでは劇中世界の事実を見せることにはなりません。
(ゴジラが変形(変態)することが当たり前になってしまった人々は誤った刷り込みをされてしまったのですね。ゴジラは変態しません)

 一作毎に違う世界なのだ、という説明もあるでしょうけれど、主役まで変わってしまったものを同一シリーズと認めることは、私には出来ません。

と、いつもの主張を繰り返しておりますが、同時に思うのは昨今のお客さんは、

>劇映画は特殊な場合を除いて、架空ではあっても、劇中世界の事実を描くもの

という意識がないのではないか、ということです。

 最初から作り物だと思って見ていれば、同じ名前で違う怪獣が出てきても、作者が違うから当然だという受け止め方にもなるでしょう。
そして、蓋然性が低くても見た目の派手さや綺麗さがあればそれでよし、ということにもなりそうです。

 ここで、ゴジラの熱線についての考えをもう一度まとめてみます。
 ゴジラが持つ攻撃能力の一つでありますが、もともとはあくまでも熱線であって、対象物によって効果は異なるというのが元祖ゴジラでの描写でした。
金属は溶けるし、木材は燃えます。ガスタンクに当たれば爆発することもあるでしょう。
そして重要なのは、ゴジラと同等の怪獣に対してはダメージを与えることはあっても、殺傷するほどの威力は無いということです。
これを私は地味とは受け止めておらず、生物ゴジラの本物らしさと感じています。
熱線なんか吐くのは到底実在の生物にはあり得ないことですが、抑制された描写にリアリティを感じますし、『ゴジラの逆襲』以降の他怪獣との対比にもゴジラだけが特別ではないという、
怪獣がいる世界のリアリティを感じるのです。
 そして、怪獣は人間およびその被造物より強力なものとして描かれてきたのです。
ゴジラの熱線を軸にして、その他の怪獣の生命力を表現していたと見ることも出来ます。
この感覚もゴジラ映画から失われたものの一つです。
 また、近年は熱線発射の前に演出的タメを作ることが多いですが、私には蓋然性の低い演出と見えます。
技を出す前に、うーーんと力んでいたら相手の攻撃を食らいますよ。

 もし、より強力な熱線が必要であるなら、通常の熱線とは別立てで、なにか特別な場合に出すことがあるという設定を作る(劇中でそのきっかけを描く)必要があるでしょう。
私は、そんな波動砲的な設定はいらないと考えていますが、望む声が多いのであれば考慮してもいいのかもしれません。
(ミニラは普段輪っかの熱線ですが、驚いたり気合いが入るとゴジラばりの熱線を出しますしね)

 CGに安易に頼る風潮も良くないですね。
 怪獣をCGで描く場合、完全にコンピュータ上だけで動きを付けたり、モーションキャプチャで動かす場合もあるのでしょうけれど、
それが演技(芝居)になるのかどうかいささか疑問です。
 演技とはリアクションの連鎖です。
人物であれ怪獣であれ、周囲の状況に対してリアクションしていくわけです。
 ミニチュアセットの中に着ぐるみの怪獣を配置して「芝居」をさせることで周囲の状況に対するリアクションになります。
従来の着ぐるみでは生物としてのリアリティが出ないというなら、着ぐるみの技術開発に取り組むのも一つのあり方でしょう。

 そして、CGIだとミニチュアセットを通常のカメラレンズで撮影した映像より、自然な視野・距離感で見せることが出来るので、一見本物らしく見せることが出来ます。
そのため、CGをやたらと有り難がる観客(作り手も?)が多いのでしょう。
 けれども、現在のCGはまだ不完全であり、静止したビル街などはなんとかなっても、それが倒壊したり爆発したりとなるとミニチュアとは別種の作り物感が出てきます。
 ミニチュアセットの場合は、たとえサイズ感に難があったとしても、現実に物体が破壊されていることを感じることが出来ます。
しかしCGIオンリーの破壊カットは、質量に乏しく物質の固さ表現も弱い。
ヒクイチの銀座なんて細密画が動いているだけです。
 ミニチュアを馬鹿にしてはいけません。
レンズの特性による見え方の問題は、そこにこそデジタル加工を施して、ポストプロダクションで遠近感を補正することが出来るのではないでしょうか。
もちろん、いつまでも石膏ビルに頼るべきでもなくて、ミニチュアセットの作り方も進歩させることが必要と思います。

 なんだかまたしても長々と書いてしまいました。
同じことを繰り返しているようでもありますが、倦まずたゆまずの精神で、お初の人にも届いてほしいと願っています。

Re: すっかり親記事から離れてしまいました - なんじぇい (?)

2024/11/13 (Wed) 23:36:30

確かに離れてしまったので簡潔に……

熱線の威力に関してですが、例えばレジェンダリーゴジラの熱線のように、ビルや地形にはとんでもない威力の効果を叩き出すが(恐らく数百~数千kmくらい抉った)、シーモみたいな強大な怪獣にはたいした効果がない熱線というのはどうなんでしょうか。
コングやスカーキングにはかすっただけで相当効いてそうでしたが。

Re: すっかり親記事から離れてしまいました 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/15 (Fri) 18:41:25

 レジェンダリーでの熱線にはそれほど違和感はなかったと思いますが、
作品によってその扱いに差異があったりもするので一概には言えないところです。
 地下世界に向かって穴を開けたのはやりすぎと思いますし、
発射までタメることがあるのもちょっと、と思っています。

 ひとつ言えるのは、ゴジラの熱線は少なくとも怪獣に対しては必殺技ではなかったはず、ということですね。
(必殺技を望む人もいるんだろうなぁ)

シン・ゴジラは立体商標 - なんじぇい (?)

2024/11/07 (Thu) 13:30:22

「シン・ゴジラ」は「立体商標」 知財高裁、東宝の主張認める判決

https://mainichi.jp/articles/20241106/k00/00m/040/202000c

圧倒的な認知度があることからOKになったそうです。
しかし、ゴジラの立体商標登録で初めてがシン・ゴジラなのはなぜなんでしょうね。

Re: シン・ゴジラは立体商標 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/07 (Thu) 18:18:38

 ゴジラ全般ではなく、シン・ゴジラなんですね。
結局、ゴジラとシン・ゴジラは別のものと言っているような・・・。
(それでいいのだ)

素朴な疑問 - 海軍大臣 (男性)

2024/11/06 (Wed) 07:11:33

「スターウォーズ」に端を発する宇宙SFブームが巻き起こりつつあった1978年春、東宝チャンピオン祭りの1本として「地球防衛軍」がリバイバル上映されていますね。
 あれって実は本来ならば「宇宙大戦争」の上映が予定されていたのに、いざ確認してみたら保管されていたネガの状態が悪くて「防衛軍」に差し替えられたとのこと。この話は以前からチラホラ耳にはしていましたが、しかし考えが及ばなかったのは同時期に「宇宙大戦争」のサントラLPが単体で発売された理由が、このリバイバル上映に合わせた企画だったと先日聞き知って、驚いた次第でした。
 たしかに当時どうしてマイナーなあの1作品だけでLP化されたのか不可解に思っていましたが、急な変更があったのなら仕方のない齟齬だったと思います。

 ところがここでふと思い起こされたのが、この前年(1977年)12月にたしか夜20時台に60分枠で放送された宇宙SF映画の特集番組(東京12チャンネルだったと思うのですが、記憶が曖昧)の存在で、これは翌年公開の「スターウォーズ」「未知との遭遇」などをメインに扱ったもので、私個人としては画面上部から腹部ナメでフレームインしてくるスターデストロイヤーや、襲い来るタイ・ファイターをミレニアムファルコンの銃座で撃ち落とす映像を初めて目にしたのがこの時だったものだから、凄く印象に残っています。
 で、その番組の終りの辺りに日本の宇宙SF映画として紹介されたのが、「惑星大戦争」と「地球防衛軍」の2作品。このうち「惑星~」の方は当時まさに公開の真っ最中だっただけに明らかに宣伝の為のチョイスだろうと子供心にも理解できましたが、一方で「地球防衛軍」の方は意図が掴めず、単に名作だから紹介されたのだろう、ぐらいの感覚で受け流してしまいました。
 しかし年が明けて暫らくして、同作品がチャンピオン祭りで上映されるニュースを聞き、「ああ、あっちも宣伝だったのね」と思うようになった訳です。

 ところが最近になって前述した通り、保存ネガの状態不良から「防衛軍」が代替作品だったことは理解できたものの、このTV特番の時点で差し替え上映が決定していたのならば、「宇宙大戦争」サントラ発売までは3~4カ月の余裕があったことになるのですから、こりゃいったい如何したことか? といった疑問が立ち上がってきた訳なのです。
 1977年12月の時点で既に作品変更が効かないレベルでサントラLPの製作が進行してしまっていたのか、或いは時間的余裕はあっても一旦許諾が降りた企画の変更が困難だったのか、はたまた竹内氏や西谷氏あたりが「この機会に何としてでも出してしまおう!」と一計を案じたのか、想像される理由は色々出てきてしまいます。
 今さらなかなか真実には辿り着けそうにない気もしますが、それでも東宝特撮映画史の流れを見返す上で、こうした事実の追及はけっこう重要ではないかと私は勝手に考えています。
 なお「宇宙大戦争」最初のソフト化の際に輸出用の原版が使用されている理由も、本来の日本公開版のネガ状態の問題に起因しているのだそうです。

Re: 素朴な疑問 殿様ギドラ (男性)  URL

2024/11/07 (Thu) 18:14:11

1978年のチャンピオンまつりで当初『宇宙大戦争』のリバイバルが予定されていた話は近年になってようやく知った程度で、
当時『宇宙大戦争』のサントラレコードが発売されていたことは知りませんでした。

 知っていたら買ったかなぁ。
いやー当時はまだそこまで伊福部音楽に目覚めていなかったのでわかりません・・。
東宝レコード「ゴジラ」は(のちに)買ったので、手を出したかも。

 というのは余談で、『地球防衛軍』を上映するタイミングで『宇宙大戦争』のサントラ発売の謎は解けません。
ひょっとして、と思うのは、許諾の問題もさることながら、
『地球防衛軍』の音楽素材が行方不明になっていた、とか・・・。


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