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ギドラの巣「新」映像作品掲示板

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昭和は遠くなりにけり… - 海軍大臣 (男性)

2017/08/08 (Tue) 18:14:08

 中島春雄さんが昨八月七日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 中島さんには私の所属する特撮グループのトークショーやパーティーに幾度となくお越しになって頂いたことがあり、幸運にも豪放磊落なそのお人柄に触れさせていただく機会がありました。
中でも印象的だったのは、もう20年ばかり昔になりますが、かの平山亨さんが発起人となって東京・十条の「和田屋」という飲み屋の二階席を借り切って、中島さんの戦時中の体験談をお聞きしたときのことです。(意外なようですが、故・平山翁は熱烈な円谷英二信者であられました。また、御自身が戦時中に陸軍の少年航空兵を志願されていた経緯から、同世代の中島さんの予科練時代にも大変興味を持たれており、このような集いが企画されたのです)
 その時のお話は、後年に出版された自叙伝にも書かれていない海軍時代のエピソードが盛り沢山で語られるなど、実に貴重なものでした。そして予科練に入られる前に横須賀の航空技術廠で働いていたとき(昭和19年晩秋)に、レイテ沖海戦を生き延びた戦艦長門が南方から帰還して来たのを目撃(爆撃で煙突の辺りがメチャメチャになっていたとのこと)したという話題が出たのです。
実は私の祖父は戦時下を海軍軍人として過ごし、当の長門に乗り組んでおりました。その旨を私が告げたところ、中島さんも「アンタがあの時の長門に乗っていた人のお孫さんだったなんて!」と半世紀を隔てた邂逅に大変驚かれていたご様子でした。
 後年、私が円谷英二に関する著作を上梓した際に、中島さんにも献本させていただいたのですが、3年前のギャレ・ゴジ公開に合わせて放送されたTV特番のインタビューの中で、中島さんの書斎の一隅にさり気無く私の本が置かれているのに気づいて、大変感激したことを思い出します。

 中島春雄さん、本当にお疲れ様でした。安らかにおやすみください。

 

Re: 昭和は遠くなりにけり… 殿様ギドラ (男性)

2017/08/08 (Tue) 18:51:37

 言葉を失っております。

 つい先日見た『やま猫作戦』(谷口千吉)にも中島春雄さんを見つけて、本当にたくさんの映画に出演なさっているのだなぁと感心していたばかりでした。

 真似なんかしていちゃダメだとおっしゃっていたようですが、私にとってはゴジラとは中島春雄さんの芝居があってこそ。

『vsビオランテ』に納得いかず、公開当時に東宝へ宛てた手紙に「中島春雄さんに演技指導を依頼してはどうか」と書いたことも思い出します。

 ゴジラが生き生きとした躍動感を持ち得たのは中島さんのおかげでしょう。だからゴジラが好きになったのです。
 ただ感謝です。

 ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

 そして、海軍大臣さんの貴重なエピソードにも感謝いたします。

 なにかもっと胸の中にはこみ上げるものがありますが、言葉に出来ません。

中島春雄さん死去 - エクセルシオール (男性)

2017/08/08 (Tue) 20:58:45

 中島春雄さんは草創期の怪獣映画を手塚勝巳さんと共に支え、その後もゴジラをはじめとする数多くの怪獣たちを演じ続けた名スーツアクターでした。

 ゴジラ一つとっても重厚なゴジラ、敏捷なゴジラ、怖いゴジラ、ユーモラスなゴジラ、可愛いゴジラ等々、あらゆるタイプのゴジラを演じておられました。『ゴジラ』の重々しいゴジラも素晴らしいですが、『ゴジラの逆襲』における中島さん演じるゴジラと手塚さん演じるアンギラスの戦いは、怪獣決戦の元祖であり凄い迫力があったと思います。
 最後の出演作となった『ゴジラ対ガイガン』では、すでに東宝との専属契約が終わっていたにもかかわらず、スタッフからどうしてもと言われてゴジラを演じたのだとか。やはり中島さんなしではゴジラはないということがよくわかるエピソードです。アンギラスと共に血みどろになりながら宇宙怪獣(キングギドラとガイガン)と戦うゴジラの姿はやっぱりかっこよく、中島春雄ここにありと観客に思わせるものでした。

 間違いなく世界一の着ぐるみ役者さんだったと思います。ご冥福をお祈りいたします。

中島春雄さんに御尋ねしたかったこと - 海軍大臣 (男性)

2017/08/12 (Sat) 02:29:05

 特撮と余り関係の無い話題なので恐縮ですが、次に中島さんにお会い出来たときに御尋ねしよう思っていて、とうとう果たせなかった質問があります。

 それは戦時中に中島さんが乗艦経験のある空母「信濃」に装備されていた双眼鏡のレンズの色についてです。

 詳しく説明いたしますと、中島さんは予科練に入られるまでは横須賀の航空技術廠で働いており、発着機部という部門に配属されていたため、同じ頃に横須賀海軍工廠で建造中の「信濃」の工事立ち合いのため、何度となく同艦に乗艦されたと聞きました。(空母の飛行甲板に設置されている、航空機が着艦する際に用いる着艦ワイヤー関連機器の工事だったそうです)
 そして工事の合間などにアイランド(艦橋構造物)の屋上にある防空指揮所に登っては、そこに設置されていた見張り用の大型双眼望遠鏡で夜空の月を眺めて息抜きをされていたことを話されていました。(自叙伝の「怪獣人生」では星となっていますが、私の方は直伝です)

 で、何故レンズの色などに私が興味を持ったのかと言いますと、実は数年前より戦時中の記録映画「轟沈」を撮影した映画カメラマンのことを調査しているのですが、それに関連して先ごろ旧海軍の光学兵器に関する文献を漁っていたところ、旧海軍では戦争後半より潜望鏡や大型双眼望遠鏡の対物レンズにフッ素化合物を用いた表面コーティングを実施しており、航空母艦では最初に「信濃」にこの処理を行った光学兵器が導入されたとする記述を見つけたのです。
このコーティングを実施したレンズでは集光力が格段に増加するため、夜間や薄暮時での見張り能力が向上すると言い、また、この処理をされた対物レンズは赤味を帯びて見えたとも書かれていました。

 それの何が重要なのかと言いますと、周知されている様に、この後「信濃」は間もなく横須賀を出港して瀬戸内海に向かいますが、和歌山県沖で米軍潜水艦によって敢え無い最期を遂げてしまいます。
 その時の記録を読んでいくと、実は攻撃を受ける前に日本側では浮上航行中の米潜(当時の潜水艦は水中速力が低いので、攻撃目標を全力で追跡する際は浮上航行せねばなりませんでした)を発見しているのですが、実はここに不可解な事実があります。「信濃」よりもずっと米潜に近い位置にいた護衛の駆逐艦よりも先に「信濃」の見張員が敵影を見つけているのです。
このとき同空母を護衛していたのは何れも歴戦の駆逐艦であり、本来であれば新造空母の乗組員よりも夜間見張能力は遥かに優れていた筈でした。その理由に関して戦記や戦史の類いでは、ただ一律に「70,000tの空母と2,000tの駆逐艦では見張所の高さに大きな差があるため」としていますが、前述の文献に触れて以来、私には表面コーティングによる光学レンズの性能差に原因が求められるのではないか?と考えられてならないのです。護衛駆逐艦は何れもレイテ戦を終えて内地に戻ってきたばかりの時期ですから、この手の処理を実施した光学兵器は未だ装備されていなかったと判断されます。(ちなみに中島さんが目撃されたと云う、内地帰港の戦艦「長門」を横須賀まで送ってきたのも同じ駆逐艦の部隊でした)

「信濃」関連の文献でこの点を指摘したものは私の知る限りでは皆無の様に思えます。ですから、実際に「信濃」の防空指揮所に装備された大型双眼望遠鏡を目の当たりにされている中島さんの証言が得られれば、戦史研究に一石を投じる新事実になっていたのではないかとしきりに後悔されております。
 以上、長々と勝手なことを書かせていただきましたが、今回の訃報に触れてから、私にはそんなことばかりが思い起こされているのです。

中島さん、貴方が月面のクレーターを眺めては大宇宙のロマンに浸っていたと仰っていたあの双眼望遠鏡のレンズは、赤味を帯びていませんでしたか?


 

 

Re: 昭和は遠くなりにけり… 殿様ギドラ (男性)

2017/08/17 (Thu) 18:21:14

 海軍大臣さん、貴重なお話をどうもありがとうございます。

 信濃は、子供の頃プラモデルを作ったことがあります。
そのとき、飛行甲板に隠れるはずの船体上面になぜか砲塔を設置するための台座があって、これはどういうことなんだろうと不思議に思ったものです。

 のちに、もともとは大和クラスの戦艦として設計されたものの急遽空母に改装されたことを知り、あのプラモデルは「リアル」だったのか、と驚きました。

 あの戦争を語れる方々が少なくなっていくのもまことに残念なことであり、ゴジラを演じたというだけでなく戦争体験者であった中島春雄さんを失ったこともまた大きな損失であります。

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